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登山中の「体調不良」や「疾病」の支払い要件とは? 知らないと損する山岳保険の知識

基礎知識 2017年10月03日

全国各地の山で、日々起きている山岳遭難事故。道迷い、転倒、滑落など、さまざまな理由で起きているなかで、意外と多いのが登山中の「体調不良」や「疾病」だ。病気による救助は、一般的な傷害保険の特約タイプでは、支払い対象にならないケースが多いという。

 

今年も夏山では多くの遭難事故が起きてしまいました。遭難のケースは多岐に渡りますが、今回は実際にあった事故のケースを含めて、一般的な特約型の山岳保険の支払い要件である「急激かつ偶然な外来の事故で生死が確認できない場合または緊急な捜索・救助活動を要する状態を警察等が確認した場合」に該当する(=支払い対象になる)のか否か等について取り上げていきたいと思います。

なお、以下に挙げる例では、同様の事故でも個別具体的な状況が異なる場合では、支払可否が異なるケースもあることをご了承ください。

それでは、個別に見ていきたいと思います。以下の例は一般的な傷害保険の特約タイプの場合を想定していています。この際の遭難時の補償(救助隊の救助費用等)についてのポイントは「遭難原因」と「活動内容」です。

 

日没で道に迷って救助要請の場合

質問: 下山中に日没となり、道に迷い身動きが取れなくなり救助要請しました。この際にかかった費用は、山岳保険でカバーされますか?

回答: 夏山の一般登山道での道迷いであれば、活動内容は登攀には該当せず問題ありません。ただし、遭難原因は「道迷い」になります。

道迷いは救援者費用特約の支払要件である「急激かつ偶然な外来な事故」に該当しないため対象外となる可能性が高いです。

 

熱射病で倒れて救助要請した場合

質問: 登山中に熱射病で体調を崩して一歩も歩けなくなり、身動きが取れなくなり救助要請しました。このケースでは、山岳保険は支払われますか?

回答: 熱射病=病気となります。「病気」についても救援者費用特約では「急激かつ偶然な外来な事故」に該当しません。また、約款の「保険金を支払わない場合」の項目に「疾病」と明確にあげていますので対象外となります。

 

病気で亡くなってしまった親族を降ろす場合

質問: 父親が登山で山小屋に宿泊中に、急な発作で亡くなってしまいました。遺体を降ろしてもらった場合の救助費用はカバーできますか?

回答: 亡くなってしまって麓の病院や自宅まで搬送された場合については、救援者費用特約の費用の範囲に「移送費用」という項目がありますので、急激かつ偶然な外来な事故で遭難となった場合には対象になるケースもあります。ただし、原因が疾病の場合はこれも対象外となります。

 

なお、これらの3つのケースは遭難時の補償についての質問ですが、補償対象の費用としては大きく分けて以下の2つがあることを念頭に入れるべきでしょう。

  • ①救助隊やヘリコプター等による捜索・救助・搬送費用

  • ②現地に駆け付けた親族の宿泊費・交通費など

多くの人はを気にしがちですが、警察などの公的機関中心の救助活動の場合はの金額の方が大きくなる場合も多々あります。

例えば、北海道の山で遭難した場合に東京から両親が駆け付けた場合、東京から飛行機の往復2人分の交通費、さらに無事救助されるまでの数日間の宿泊費などもあるので、数十万円かかるケースもあります。

ご自身の保険が、だけではなくの費用についても対象になるか否かも確認してみてはいかがでしょうか?

 

■やまきふ共済会安全登山講座in北アルプス・立山 開催

やまきふ共済会」では、2017年10月21日(土)~22日(日)に、北アルプス・立山周辺で、安全登山講座とオリオン座流星群鑑賞会、雷鳥観察会などを行うイベント「やまきふ共済会安全登山講座in北アルプス・立山」を開催します。

 ⇒詳しくはこちら

遭難・事件
教えてくれた人

井関純二

千葉県出身。大学卒業後に保険会社勤務等を経て2014年にやまきふ共済会を設立。趣味は登山のトレーニングのために始めたランニングでサブ3ランナー。
やまきふ共済会の他に、山岳ガイドや登山者向けの各種保険を扱う(株)インスクエアコンサルティング代表取締役で社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー。
⇒やまきふ共済会

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