金時山から雪のついた富士山を眺め、マウントビュー箱根で絶品ローストビーフを堪能

ひとり気ままに山と温泉を楽しむ温泉登山。登山前後に泊まりたい至福の温泉宿を紹介します。第37回は箱根・金時山へ。

写真・文＝月山もも

神奈川県の箱根にある金時山は、都内からのアクセスが良く、山頂から見える富士山が美しいことで知られている山です。

冬の終わりのよく晴れた日に、金時山に登って仙石原の温泉宿に泊まる計画を立てました。

金時神社から登り、山頂で美しい富士と対面

新宿から箱根行きの高速バスに乗り「金時神社入口」バス停で下車。

登山の安全を願って公時（金時）神社に参拝し、神社の橫にある登山道を登っていきます。

途中には真ん中で2つに割れた巨岩「金時宿り石」があったりと退屈しない道です。

のんびり2時間ほど登って山頂に着くと、多くの登山者で賑わっていました。

中腹にかけて真っ白になった富士山と対面。雲一つない絶好の天気です。

昼食を取り、青空に照り映える富士山を目に焼きつけてから下山開始。

富士山の反対方向には箱根の街並みと芦ノ湖、そして箱根山が見えました。下山中も時折視界が開ける場所があり、この美しい景色を眺めることができます。

山頂から30分ほど下ると、行きで歩いた公時（金時）神社に向かう道と、矢倉沢峠経由で仙石原に向かう道の分岐があります。下りは矢倉沢峠を経由することにしました。

途中、矢倉沢峠から明神ヶ岳、明星ヶ岳に向かう縦走路が見えました。以前に一度歩いたことがあるのですが、今日みたいな晴れた日にまた縦走もしてみたいなと思いつつ、仙石原に下山しました。

広々快適な和室で、風呂上がりにお昼寝を

本日のお宿は金時山の登山口から徒歩10分ほどの、仙石原温泉の「マウントビュー箱根」です。

以前何度か日帰り入浴でお邪魔したことがあり、一度泊まってみたいと思っていた宿でした。

宿泊したのはシンプルな和室です。チェックイン時から布団が敷いてありましたが、1人なので広さには十分余裕があります。

トイレ・洗面所付きでWi-Fiも利用可能な快適なお部屋で、お風呂あがりには浴衣でごろごろしたり、早起きしたのでちょっと昼寝したり。

窓を開けると、宿の名前の通りの「マウントビュー」を楽しめました。

にごり湯の貸切露天風呂は湯も雰囲気も良い

マウントビュー箱根では、大浴場の露天風呂と貸切露天風呂で、仙石原温泉のにごり湯を楽しむことができます。

大浴場は、チェックインから翌朝10時まで夜通しの利用が可能です。

露天風呂は岩風呂になっており、屋根があるので雨の日でも濡れずに湯浴みを楽しめます。

源泉が高温なので加水はしているそうですが、十分に濃厚さが感じられる白濁の硫黄泉です。日帰り入浴でも大浴場を利用したことがありましたが、宿泊すると時間を気にせずに楽しめるのがいいですね。

それから、有料ではありますが貸切露天風呂の雰囲気が良さそうだったので、利用してみることにしました。

3つある貸切露天風呂の中から「めだか（45分 2000円）」の露天風呂を選んだのは、大きな窓から見える竹林の雰囲気が良さそうだったからです。

写真で見て想像していた以上に雰囲気が良い浴室でした。2つの小さな浴槽が並んでいるので、本当は1人で入るより2人で入るのがいいのかもしれませんが……。1人で存分に、すばらしいお湯を楽しませてもらいました。

行列のできる精肉店の絶品ローストビーフ

食事は朝夕共に食事処でいただきます。食事処はテーブルの間隔が広く、1人でも4人掛けの大きなテーブルでゆったり食事を楽しめました。

お酒は「箱根街道 」の生酒を。フレッシュでキレのある味わいの冷酒で喉をしめらせます。

春が近づく季節ということで、前菜には桜の花があしらわれ、桜餅もついていました。

この日予約していたのは、宿からすぐの場所にある行列ができる精肉店「相原精肉店」の看板メニューのローストビーフが楽しめるプランです。1人分のローストビーフが予想以上にたっぷりの量でうれしい！

肉の旨みをしっかり楽しめるローストビーフ、正に絶品でした。

食事の後半には熱々の天ぷらも出てきて、デザートのフルーツ杏仁豆腐をいただいて夕食を締めくくります。

朝食も昨夜と同じ席で。

焼き鮭や野菜サラダ、温泉卵など旅館の朝食の定番メニューが並びました。蟹が丸ごと入った熱々のお味噌汁でご飯が進みます。

最後にコーヒーもいただいて、お腹いっぱいでごちそうさまでした。

マウントビュー箱根のある仙石原は美術館や観光施設が多く、登山以外にも楽しみの多い場所。初日に金時山に登って温泉宿に泊まり、翌日はのんびり箱根を観光するのがおすすめです。

*紹介した食事、サービスの情報は2022年4月取材時の内容です。