バランスクッション(4)インナーマッスルを鍛えて重心と呼吸を安定させよう|登山者のための肉体改造塾(14)
もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。今回は、腹横筋を強化して体幹と呼吸をダブルで安定させるトレーニングを紹介。
文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ
テント泊縦走に挑戦したい。
重いザックを背負って歩くために
おすすめのトレーニングを
教えてください。
プランクで腹横筋を強化して、
体幹と呼吸をダブルで
安定させましょう。
腹横筋の働き①
重心移動をスムーズに
腹横筋は、腹筋(シックスパックともいわれる腹直筋)のもっと深部に位置していて、腹部をぐるっと包んでいるインナーマッスルです。コルセットのように体幹を固定することで、重いザックを背負ったときのふらつきを抑えて、歩行中の重心移動を安定させます。
腹横筋の働き②
腹式呼吸をスムーズに
高所登山では腹式呼吸がよいとされています。腹式呼吸の吸気は胸郭の下部にあるドーム形の筋肉(横隔膜)の収縮で行ないますが、意識的に深く吐くには、腹横筋の収縮で腹圧を高めて横隔膜を押し上げるのがポイント。腹横筋の強化で腹式呼吸が安定します。
【実践】
バランスクッション・プランクサーキット
お腹まわりを引き締めるようにギュッと力を入れたまま姿勢をキープすることで、腹横筋をはじめとする体幹の筋肉を強化し、スタビリティ(安定性)を高めます。肘が痛くなる場合はヨガマットなどの上などで行ないましょう。①~④を順番に行なって1セットです。ポジションを変える数秒のみをインターバルとし、2~3セット行ないましょう。
①プランク
四つ這いの状態で膝下にバランスクッションを入れます。両肘をつき、頭から膝までが一直線になるように姿勢を30秒キープします
②サイドプランク(右)
右肘をつき、横向きになります。重ねた膝の下にバランスクッションを入れて腰を上げ、頭から膝までが一直線になるように姿勢を30秒キープします。右側の腹斜筋も同時に強化します
③プランク
①と同じ
④サイドプランク(左)
左肘をつき、横向きになります。重ねた膝の下にバランスクッションを入れて腰を上げ、頭から膝までが一直線になるように姿勢を30秒キープします。左側の腹斜筋も同時に強化します
(山と溪谷2023年10月号より転載)
プロフィール
芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)
よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。
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