スキー場での滑走ではコース外のリスクを知り、ルールを守った行動を 島崎三歩の「山岳通信」 第324号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2023年12月14日に配信された第324号では、本格的なスノーシーズン幕開けの今、スキー場での滑走ルールの遵守をあらためて促している。

 

12月14日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第324号では、期間中に起きた1件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 12月9日、北安曇郡白馬村大字神城地籍の山中で、スキー場内をスノーボードで滑走中していた35歳の男性が、管理区域外に進入し、そのまま滑走していたところ道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生。男性は無事に救出された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

12月2週は、白馬村でスキー場管理区域外における道迷い遭難が1件発生しました。

遭難者は、仲間とスキー場内を滑走していたところ、場外に逸脱し、「このまま滑走すればスキー場へ戻れるだろう」と滑り続けたところ、迷ってしまったものです。怪我もなく、無事に救助されましたが、そのまま滑り続けていたら、立木に衝突したり、崖に転落してしまうリスクも想定されました。
県内では、多くのスキー場が営業を開始しています。スキー場を滑走中にコース外へ逸脱してしまった場合でも、安易に滑走を続けるのではなく、コース内へ戻るように引き返し、スキー場のルールを必ず守りましょう。

冬山で遭難すると、状況によっては救助されるまでに相当の時間がかかる場合があります。その間、遭難者や同行者は、現場で風雪と寒さに耐えながら、救助を待たなければなりません。冬山に入山する以上、遭難のリスクは誰しもあるものです。アクシデントに対応できるよう、非常用の装備を携行し、ゆとりある登山計画を立て、無理のない行動をお願いします。

今週は、天気が崩れる予報となっていますので、悪天候の場合は計画を中止する判断を念頭に置いた行動を心掛けましょう。
 

~スキー場及びバックカントリーエリアにおける外国人向け安全啓発動画及び記事を公開~

主な啓発内容

(1)スキーリゾートについて
  ・立入禁止区域(滑走禁止エリア)には立ち入らないこと 
  ・その他スキー場が定めるルールを必ず遵守すること

(2)バックカントリー(スキー場ではない自然の冬山)について
 ・冬山の過酷な環境に対する確かな知識や技能、経験を習得の上で、登山計画書を作成し、入山すること
 ・雪崩や滑落等に備え、適切な装備をもって入山すること
 ・スキー場を経由して入山する場合は、各スキー場が定めるルールを必ず遵守すること

(3)共通
 ・遭難発生時の対応と救助要請の連絡先の周知

https://db.go-nagano.net/en/staying-safe-in-the-backcountry/
 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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