どんなときでも、どんな山でも「油断は禁物」という言葉を忘れずに 島崎三歩の「山岳通信」 第337号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2024年4月19日に配信された第337号では、写真撮影中に転倒した事案を取り上げ、「油断は禁物」という言葉の大切さを説いている。


4月19日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第337号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 4月10日、高峯山で、4人パーティで入山した76歳の男性が、山頂付近でバランスを崩して転倒、負傷する山岳遭難が発生した。

  • 4月13日、中央アルプスの宝剣岳で、3月24日に木曽駒ヶ岳に入山したまま行方不明になっていた46歳の男性が遺体で発見された。

  • 4月13日、中央アルプスの空木岳で、3月17日に木曽駒ヶ岳に入山したまま行方不明になっていた20歳の男性が遺体で発見された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

4月8日の週は、県内で1件の山岳遭難が発生しました。

山岳遭難が発生した高峯山は、登山口からコースタイムで1時間ほどで登頂できる人気の山ですが、このような山でも「油断は禁物」です。遭難者は、登頂後に「写真撮影をしようとしたところ、つまずいてバランスを崩して転倒」し、負傷、自力歩行ができず、救助要請となりました。
行動中はよく気を付けていても、ふと気を抜いた休憩中などに負傷してしまうことがあります。美しい景色に夢中になり、スマートフォンやカメラを片手に、足元をよく確認せずに撮影スポットを探していたら・・・、ヒヤリとした経験はみなさんもあるのではないでしょうか。

ここ数日の気温上昇で長野県内でも雪解けが進み、登山エリアの積雪状況は日々刻々と変化しています。日が差す日中は暑くなり、雪も緩みますが、早朝や日陰は固くアイスバーンになっている場所もあります。登山道の積雪状況は各山小屋の発信している最新の情報などを参考に、登山計画や装備の選定、パーティ間の情報共有をお願いします。
 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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