犬連れ登山でのトラブルは?|犬連れ登山に関するアンケート結果②

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2024年3月に山と溪谷オンラインで実施した犬連れ登山に関するアンケート。2431件もの回答をいただきました。結果を複数記事に分けて紹介します。この記事では、犬連れ登山をしている際にあったトラブルや困ったことを紹介します。

構成=山と溪谷オンライン、写真=PIXTA

犬連れ登山に関するアンケート

犬が吠えてしまう

■犬同士がすれ違う際に相性の悪い犬だと制するのが大変。(kazukiさん/男性/40代/小型)

■他の犬に吠えてしまって相手の方を不快にさせてしまった。(たえたえさん/女性/40代/小型)

■犬が苦手な犬なので、避けられない道などでばったり出くわすと吠えるし怒るで大変迷惑をかけてしまう。(銀猫さん/女性/50代/小型)

■他犬に警戒吠えしてしまった時がある。(takuさん/男性/50代/大型)

ほかの犬との遭遇時には、相性によって吠えてしまうようです。

犬と下りのペースが合わない

■下り坂で犬が走り出して、引っ張られた勢いで転倒した事がある。(キックンさん/男性/40代/大型)

■下りの岩場などは、犬の方が早いので、ペースが合わずに困る。そのようなこともあるので、混雑する時期や山は、犬連れは避けるようにしている。(たけころさん/女性/40代/中型)

■狭い道ですれ違う時や引っ張られて大変な場面があった。(mrno3さん/男性/40代/大型)

■犬が下りで急ぐと、自分の足元が危なくなる。(JunJun さん/女性/60代/中型)

中型犬でも引っ張る力は強いもの。下りでぐいぐい引っ張られた際には危険な場面も。

犬が疲れて歩かなくなってしまった!

■途中で歩かなくなり抱っこした。(shibaさん/女性/40代/中型)

■肉球を擦りむいて出血したことがあったので、反省して靴を履かせたらいつも以上に疲れたようで下りは抱っこしないと歩いてくれなくなった。(ちょこぱんまんさん/男性/40代/中型)

■犬のスタミナが切れると、抱っこ紐で抱え続けざるを得ない。そんなときはこちらも体力的に下降気味なので辛いところ。(ゴクチョウさん/男性/60代/中型)

■小型犬なので時々犬をキャリーザックの中に入れて休ませないとならず、後ろにザック、前にキャリーザックとなる。(蘭さん/女性/50代/小型)

疲れて歩かなくなった犬を抱っこして下山することになった、という人も多数。最初からドッグキャリータイプのバックパックを用意している人もいるようです。犬の体力も人間の体力も考えたコース選びが必要そうです。

岩場やハシゴで一苦労

■大きなトラブルはまだないが、認識が甘かったことはある。一部岩稜帯ありの登山コースで、過去には自分が普通に歩けていたから、ここなら犬連れでも大丈夫と思って行ったら、岩稜帯の一部で愛犬がまったく進めないことがあった。岩と岩の間をまたいで渡っていく箇所があって、まったく動いてくれないので、30kg超の愛犬を抱きかかえて通過した。また岩稜帯やガレ場などで愛犬が足(肉球など)を切傷することもあった。コース上でまさか歩いてくれないことがあるのは想定していなかったので、そのときは本当にどうしようかと悩んだ。(へいちゃんさん/男性/50代/大型)

■長い鎖場やハシゴ、傾斜のきつい岩場などでは犬を肩に担いで登る。(ケビンさん/男性/40代/中型)

■朽ちかけた橋や、岩場など難路を一緒に通過する時に、場合によっては犬が怖がったりする。(chang_hsinさん/男性/50代/大型)

■金属製の数段のハシゴを回避できない所があり、自力でも無理、抱き上げるも無理だったがしばらくして同じ犬連れ登山者の方が来て手伝って頂き助かった経験があります。(デナリさん/女性/50代/中型)

ハシゴや鎖場はそもそも犬には登れませんし、岩場などでは犬が怖がって通過できない場面も。力がある男性なら犬を担いで力技で乗り切ることもできるようです。

マダニに注意!

■犬にダニがたくさんついて、後処理が大変だった。(めそさん/女性/40代/中型)

■笹が多いルートだと必ずダニがついてくるので予防薬と帰宅後のチェックが必須。(ランドさん/女性/50代/中型)

■薬をつけていてもマダニがすごくつくことがあるので対策やその後の処理が大変です。(マルちゃんさん/女性/50代/小型)

■マダニが被毛に付着すること。対策としてはチューイングガムを持参し、マダニを見つけたらガムに丸めて駆除。(うのさん/50代/小型)

予防薬の接種はもちろん、下山後にはマダニがついていないかチェックしてあげましょう。マダニは春から秋にかけてが活発な時期ですが、年間を通して注意が必要です。マダニがしっかり食いついてしまっていたときは、無理に取らずに動物病院へ。

山では思わぬケガをすることも・・・

■犬が登山中にケガをして、背負って下山したことがあります。ヒルに肉球の近くを吸われたのか、岩でケガをしたのか原因はわからずじまいでしたが、下山後に動物病院へ向かい、大事ありませんでした。その後は犬用の救急セットも必ず携行するようになりました。(くまさん/40代/中型)

■犬が道中でケガ(捻挫)をした時、自分で歩けないので通常の10倍くらいの時間をかけて下りてきた。想定していなかったので非常に困った。(Pinataさん/60代/中型)

■すれ違った人のトレッキングポールが犬の目に当たり軽い炎症を起こして病院へ行った(きよさん/女性/50代/小型)

■犬がマムシに噛まれアナフィラキシーショックを起こしたとき、大急ぎで担いで降りたが辛かった。(ルーさん/男性/40代/大型)

■ひきがえるを舐めて帰りの車中で嘔吐した。(tomoyanさん/男性/50代/小型)

山では犬もケガをしたり、野生動物との接触でトラブルになることも。そういったもしもの場合の備えや、動けなくなった犬を背負って下山できるのかという想定は必要そうです。

犬との触れ合い方を知らない人が多い

■犬に興味を持っていきなり触ろうとするかたが多く、犬がびっくりしてしまう。少しずつ近づいてもらえれば犬も喜ぶのですが。(chihoさん/女性/50代/中型)

■不意に触ろうとされる時。噛んだりはしないが犬がびっくりして大きく動くので。(レディバグさん/女性/50代/中型)

■犬に触る方がいること。突然手を出されると噛んでしまう恐れがあります。(ウルトラスケートさん/男性/60代/小型)

これはあまり登山に限らない話のようです。犬が驚かない触り方を知らない人は多いものです。ちなみに、初対面の犬との触れ合い方を簡単に説明すると、まずは姿勢を低くして、犬が近づいてきたら手のにおいを嗅いでもらい、触らせてもらう、という手順です。事前に飼い主に許可をとることも必要です。

批判が怖い・・・

■ネットでは、犬連れ登山に否定的な人のヒステリックで攻撃的な意見をよく見かけるので、何か言われるのではないかとビクビクしている。ただ、実際は好意的な人が多く、何か言われた事は今のところない。(大好きなのはイノシシの肉さん/女性/40代/中型)

■犬連れ登山で対人トラブルが起きそうな漠然とした不安。(imoさん/男性/40代/小型)

■山頂での休憩時、肩身が狭い。(Juzさん/男性/30代/大型)

■山に入る前に排尿を済ませてはいますが、犬なので時間が長くなれば排尿します。登山者に山を汚していると思われないか心配で困っています。(チャミママさん/女性/40代/小型)

犬連れ登山を批判されるのでは、と漠然とした不安を抱えている人も・・・。そして、次に紹介するように、実際に批判されたという声もありました。

直接批判されたり、罵倒されたり・・・

■「山に犬を連れて来るのは禁止されているはずだ」と叱られました。ノーリードにしていなければ法的に禁止にされている訳ではないと説明したものの「私は犬が嫌いなの!」と言われてしまい、難しいなと思いました。(ミコさん/女性/40代/中型)

■一度だけ「山に犬を連れてくるな!」と怒鳴られたことがある。(HAPUさん/女性/40代/中型)

■犬OKな山を選んで楽しんでいるが、あからさまに敵対してくる人がいる。道を譲るなど全てにおいて一般登山者を優先していても、そのような人はケンカ腰。全ては「言い方」だと思います。(のりさん/男性/40代/大型)

■SNSで否定的なコメントやメッセージをもらうことがある。(月夜さん/女性/40代/小型)

■迷惑をかけていないのに酷い言動を受けたことがある。(アデルさん/男性/50代)

■罵倒された。(田舎の宇宙人さん/女性/50代/中型)

アンケートでは好意的な反応が多数だったとはいえ、犬連れ登山を面と向かって批判されたり、怒鳴られたり、という経験をした人も。

犬連れ登山が禁止の山かわかりにくい!

■登ろうとした遠方の山がペット禁止で撤退した。(kuppyさん/男性/40代/中型)

■犬が登っては行けない山は全て登山口に「犬厳禁」と記してほしい。記してない登山口から登ってしまったことがあり山頂で居づらい空気になった。(ロンさん/男性/40代/中型)

■現地に行ってから犬連れ禁止であることが判明する。(パーやんさん/男性/50代/中型)

■犬と入山可能な山かどうか、事前にネットで調べても曖昧な場合が多い。(ニナさん/女性/30代/小型)

■山は繋がっているので、登山口は犬が可でも頂上では不可だったりすることもあり、犬が可能な区域がわかりにくい。(きのこさん/女性/50代/中型)

■事前確認でOKだったのに現地でNGと言われた。(ルーハスさん/男性/50代/小型)

もっとも多かった回答は、犬連れ登山が禁止されている山なのかが調べてもわかりにくい、ルールが不明瞭で困る、というもの。なお、犬連れ登山を禁止する法律はありません。ただし、自然公園の特別保護地区では、「動物を放つこと」が禁止されているので、ノーリードは法律違反になります。また、ローカルルールで犬連れ登山が禁止されている山やエリアもあります。

犬連れ登山に関するアンケート

登山者アンケート

山と溪谷オンラインで実施した登山者へのさまざまなテーマのアンケートの結果をご紹介。

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