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雪山、困ったり悩んだり(4)真冬の低山へ~ゆとりのある無理のないスケジュールで

登山技術 2016年12月09日

関東地方は11月下旬に降雪があり、標高の低い山にもそこそこの積雪があったようです。12月に入ると、標高1500m前後の低山は、山頂近くでは雪になる確率が増えてきます。

雪道は歩きにくい

遠目に見ると白く美しい雪山ですが、いざ歩いてみると歩きにくいものです。降雪直後の雪は、踏むと潜ります。膝下ぐらいの雪でも、足を上げ、雪を踏みつけながら歩いていくと思うように進まず、体力を消耗します。人が踏んだ状態の雪なら歩きやすいでしょうか? 必ずしもそうとはいえません。人が何度も踏みつけて固くなった雪は、氷化してかえって滑りやすくなっていることがあり、とくに下り道では歩くことに不安を感じることもあります。

踏み固められて表面が氷状になった登山道。油断するとツルッと滑ります。

夏山のコースタイムの1.2倍を目安に

潜る雪に足をとられたり、滑りそうな雪面をおっかなびっくり歩いていると、時間はあっという間に過ぎていきます。雪山を歩くのに慣れていない人なら、雪のない時期に歩くコースタイムの1.2倍程度の時間の見積もりが必要でしょう。積雪が非常に多く歩きにくい状態であれば、もっと時間がかかることもあります。

冬は日没が早い

冬は日照時間が短く、午後2時頃でも樹林帯に入ると少し薄暗いと感じます。1年のうちで一番日が短い12月や1月は、16時を過ぎるとかなり暗くなり、17時ではもう真っ暗です。雪の積もった道の歩きにくさも考慮すれば、行動時間短めの山であっても早めスタートが鉄則。15時には下山できる行動計画を立てます。この時間を過ぎたら登頂していなくても来た道を引き返す「下山開始時間」を決めておくとよいでしょう。

そのバス、冬も運行してますか?

登山道へ向かう山岳路線バスは、冬にダイヤの変更をして本数を減らしたり、運休する場合があります。夏に訪れて利用したことがあるから大丈夫と思わず、必ず最新の時刻表をバス会社の公式サイトで確認しましょう。また、積雪や道路の凍結で運休...という場合もあるので、前日までの天気予報なども確認し、不安があればバス会社へ直接問合せをしてもよいと思います。

雨予報に要注意!

数年前の2月に奥多摩に行ったときのこと。多少の降雪を想定して山に入ったら、気温が少し高かったらしく、雨に降られたことがあります。みぞれまじりの雨はとても冷たく、雨具を着ていても体がしんしんと冷えてきます。完全防水でない手袋はびっしょり濡れ、手がかじかんでしまいました。積もっていた雪は水を含んでかえって滑りやすく、とくに急な下りで難儀しました。 春や夏なら多少の雨も楽しめますが、冬は天候判断を慎重に。冬の雨はとても冷たいです。雨の日ではなく、雨(雪)の翌日の晴れた日を狙って山にいきたいものです。

教えてくれた人

西野淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行うフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。雪山登山歴は10年、好きな雪山は赤岳(笑)

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