標高 1,915m
大峰山脈の主峰・八経ヶ岳は仏経ヶ岳、八剣山などの別称もある。山名の由来は、役ノ行者が法華経8巻を埋めたという伝説からきている。上北山村の白川又谷方面から山全体を見ることができる。弥山のコブほどにしか見えないのだが、実際は八経ヶ岳が弥山、明星ヶ岳を左右に従えそびえている。 八経ヶ岳の頂上は露岩の多い平坦なピークに過ぎないが、近畿地方の最高峰にふさわしく、脚下に白川又(しらこまた)川を、そして北山川を挟んで大台ガ原の長大な山容、仏生(ぶつしよう)ヶ岳(たけ)、孔雀岳(くじやくだけ)、釈迦(しやか)ヶ岳(たけ)と波打つような大峰南部の山々など、南方の一部以外、さえぎるもののない大展望が得られる。 山腹は太古の昔から人の手が入らないシラベ、トウヒの原生林が緑濃く取り巻き、北面山腹はその立ち枯れの林に囲まれ、この山域にしか見られない独特の景観を呈している。明星ヶ岳にかけての稜線付近にはオオヤマレンゲの大群落がある。 登山コースは、行者還トンネル西口からなど数多くあるが、川合から入り、八経ヶ岳、弥山と登り、大平辻を通って坪ノ内に下りる1泊2日のコースが一般的だろう。歩行時間は山頂まで7時間、コース全体で12時間30分。