見た目も機能性も◎ ゆったり履けるトレッキングパンツ

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トレッキングパンツって何でもいいやと思う人は多いかもしれません。最初に買ったきりだったり、短パンで過ごしていたり・・・。どうせ買うなら、長く使えるような一枚を手に入れたい! 今回は、神田さかいやスポーツ・ウェア館の髙橋さんに、機能性に優れたトレッキングパンツの履きこなしについて熱~く教えていただきました。

POINT
  • 速乾性と撥水性に優れた軽量パンツ
  • 動きやすさを重視した裁断と縫製
  • 登山スタイルに合わせたパンツの選び方

 

縦走でも使えるクライミングパンツ・・・?

編集部S:今まで使ってきたトレッキングパンツ、何も考えずに見た目のかっこよさとか色とかで買ったから、今度はきちんと選んでみたいんです! でも何をチェックすればいいかわからなくて・・・。

髙橋さん:それでしたら、今おすすめのものがありますよ。パタゴニアのRPSロックパンツです。もともとはフリークライミング用のパンツなんですけど、速乾性や撥水性があって、トレッキングパンツとしても使えますよ~。

編集部S:えっ、クライミングパンツを登山で使っても大丈夫なんですか?

髙橋さん:クライミングは、脚を大きく動かすことが多いスポーツなので、登山でも問題なく使えますよ。ただ、よくあるクライミングパンツって、伸縮性のあるポリウレタン素材やコットンのものが多いんです。ポリウレタンが入っているととても伸縮性がでてよい反面、少し乾きが遅くなるデメリットもあります。コットンはよく汗を吸ってくれますが、乾かないから体を冷やすのでアウト。でも、このパタゴニアのパンツはナイロンとポリエステルで作られているので、より水に強く、乾きが速いんです。ということは、実は登山でも十分使えちゃうんですよねぇ! 夏の縦走から普段使いまで幅広く使えますよ。

編集部S:ちなみに、撥水加工がされているようですが、お手入れがちょっと面倒くさそうな気がします。ソフト洗いじゃないとダメだとか・・。

髙橋さん:このパンツは普通に洗濯しても大丈夫です、手入れのしやすさも魅力ですね。きちんと洗ったほうが快適で撥水が長持ちしますよ。

編集部S:えっ、そうなんですか? 逆だと思ってました。

髙橋さん:適切な洗い方をすればそこまで撥水加工は落ちません。むしろ、洗わずにいると皮脂などの油分が生地に残り、一気に撥水効果が下がってしまいます。柔軟剤を使うのもおすすめしません。ケアラベルに従いしっかり洗った後で撥水スプレーなどの撥水処理をすればまた同じように撥水を保つことができると思います。

 

機能性も雰囲気もバッチリ

編集部S:ちょっと履かせてもらいました。なんか、こなれた感がありますね(笑)

さっそく試着。いつも細いシルエットのパンツばかり履いているので、これは新鮮! 細いパンツのぴったりした感じもなく、かなりラクな着心地です。

髙橋さん:似合ってるじゃないですか~! 最近は細いシルエットのパンツが流行ってますけど、あえてドレープを出して大人なUSAっぽい着こなしができるのがパタゴニアらしくて良いと思います。僕はこういうのすごく好きだなあ。

編集部S:腰回りがちょっとゆったりしてるけど大丈夫そうですか?

髙橋さん:もちろん腰回りはジャストサイズで選んでもらうのが鉄則ですが、ドローコードも付いているので簡単に腰が締められますよ。ベルトループからベルトをもちろん装着できますが、そういうところはクライミングパンツらしいですよね。歯ブラシ用のポケットが付いていたりとか。

編集部S:軽く足を動かしてみただけでも機能性の良さがわかりますね。

脚を上げてもつっぱり感はなし。

パンツの裾もドローコードで絞ることができるので、多少丈が長くても調整可能。

髙橋さん:繊維自体にあまり伸縮はないんですけど、「メカニカルストレッチ」という織り方によって生地がしなるんですよ。

編集部S:ほんとだ、少し伸びますね。

髙橋さん:もともとクライミングパンツで売り出していることもあって、足上げがしやすい裁断になっています。足を折りたたんでも、180度開脚しても、無理なく動かせます。股下の部分にマチが付いているので、無理なく、余裕のあるつくりは登山のシーンでも活きてくると思います。

 

トレッキングパンツ、どう選ぶ?

編集部S:ゆったり履けるし、何よりかっこいいし・・・。履いてみたら薄くて軽いように思ったんですが、他のパンツは厚さとかで違いが出てくるわけですよね。

髙橋さん:このパンツは、春から秋口のちょっと肌寒くなる前くらいの季節まで使える薄手のパンツです。私がパンツをおすすめするときは、一本をできるだけ長く使って欲しいので、登山スタイルだったり、どんなところに行く予定かを詳しく聞くようにしています。オールシーズンどの山域でもカバーできるパンツって、はっきり言ってないですから。

編集部S:それってパンツ選びの悩みどころになりますね・・・。

編集部S:つまり、秋にアルプスに行くなら生地にもう少し厚みのあるパンツがいいとか、夏のメジャー登山ならそれだとちょっと暑いよ、とかですね。春や秋でちょっと寒い時なんかは、中にタイツを履いたりすることで上手くごまかすというのもひとつのテクニックです。

編集部S:僕、夏に短パンで山に行くこともあります。やっぱり楽なので・・・。

髙橋さん:実際それでも大丈夫ですけど、ケガとか虫刺されも怖いので、今くらいの薄さのもので、私は長いパンツをおすすめします。

編集部S:着用感は今くらいのゆとりを基準に選んで大丈夫そうですか?

髙橋さん:ウエストはピッタリ合わせて、かつ膝の位置が合っていれば大丈夫です。身長などの体格差があっても、最近はメーカーの中でトールサイズのものや股下の短いものなど、タイプが細分化されているので選びやすくなっていると思います。その中で機能性もデザインも兼ね備えたこれならまわりにちょっと違いを出せると思いますよ。

紹介した山道具

パタゴニア RPSロックパンツ
参考価格:11,880円

プロフィール

高橋 典孝(さかいやスポーツ ウェア館)

山の世界で働いて20年のベテラン。ウェアに関する知識はオタク級だが山道具も大好き!!
ゆったりオートキャンプからガッツリ登山まで何でもこなすが特に最近は、トレイルランニング、テンカラ釣りに没頭中。

さかいやスポーツ

創業以来、約60年にわたり神田神保町で全国の登山家やアウトドアマンに愛されている登山用品店。ウェア、シューズ、ギアなど品目別の専門館を6店舗展開。ウェアや道具に詳しいスタッフが丁寧に解説してくれるので、ビギナーでも安心。

住所/東京都千代田区神田神保町2-48
TEL/03-3262-0432
営業時間/11:00~20:00
アクセス/神保町駅A4出口より徒歩6分、JR中央・総武線水道橋駅東口より徒歩8分

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