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夏の終わりの丹波天平

丹波天平、熊倉山( 関東)

パーティ: 1人 (ガバオ さん )

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行程・コース

天候

晴れ後曇り

登山口へのアクセス

バス
その他: 往)ホリデー快速おくたま1号で奥多摩駅、8:35発丹波方面行きの増便バスで鴨沢西バス停下車。
復)丹波山温泉バス停(18:20発)からバスで奥多摩駅(19:10)

この登山記録の行程

鴨沢西バス停(9:08下車/9:12出発)-後山林道(三条湯方面)入口(9:28)-登山道入口(9:35)-高畑集落の廃民家(10:05)-保之瀬天平(10分休憩)-丹波天平アンテナ(11:45)-サオラ峠(12:27)-熊倉山山頂(13:10着/13:25発)-サオラ峠(13:46)-鹿除け柵農地(14:40)-(御嶽飛龍権現宮、熊野神社参拝)-のめこいの湯(15:25)

コース

総距離
約15.1km
累積標高差
上り約1,324m
下り約1,244m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

でんでいろ、という呼び名が気になる丹波の天平尾根を歩いて来ました。 文字通り平らに続く尾根は静かな上に植生も豊かで、どの季節でも楽しめそうです。 麓のツクツクボウシの泣き声からは、秋の初めというよりも、夏の終わりを感じた一日でした。

≫何だかんだで1ヶ月振りの山行です。 身体がすっかり鈍っている上に、前日の社内ボウリング大会で痛めた腰に不安を抱えながら奥多摩駅に降り立ちました。 いよいよ低山のシーズンとあって、鴨沢西行きの3台の増便バスが、雲取山を目指す大勢の登山者を捌いていました。

天平尾根登山口の最寄は親川バス停になりますが、準備運動を兼ねて、ひとり鴨沢西から歩き始めます。 久しぶりに仰ぐ山の青空にニンマリしながら青梅街道を30分程歩いて、「丹波天平登山口」の看板のある民家の脇から山道に踏み込みます。

車道を離れて30分程も登った尾根の北面に貼りつくようにして、高畑の山上集落跡があります。
25年前に書かれた紀行本に依ると、当時、唯一の住人となったご老人が庭先で薪を割っておられたそうですが、今はその面影を偲ぶ廃屋だけが、ひっそりと取り残されています。

更に奥の、こちらは石垣だけとなった住居跡を過ぎ、サルの群れを横目に見ながら登って行くと、やがて台地状の尾根に乗ります。 昨シーズンの落ち葉に覆われた広い尾根は、何処でも好きなように歩くことが出来ますが、こういう所こそ下山時での注意が必要でしょう。

樹林の奥に忽然と現れる湿地草原や、アカマツの樹林を楽しみながら尾根を進み、だだっ広い平地に出ると、そこに建つアンテナ塔と道標から、そこが「丹波天平」であることが判ります。

天平(でんでいろ)とは、頂上が平らな山をいう地方語らしいですが、民俗学的に「でんでろ」とは「姥捨山」を意味するとも言いますので少し気になるところです。 とは言え、この丹波村の周囲に限って言えば、丹波、保之瀬、高尾の三つもの天平があるのですから、流石に「姥捨」とは関係ないのでしょう。

丹波天平の先には南面にカラマツ、北面にブナやナラの広葉樹林が広がり、豊かな植生を楽しめます。新緑や紅葉の季節はさぞやと思われますが、この時期の苔の緑も捨てたものではありません。・・・なのですが、、、実は、本日下し立てのトレランシューズが足に馴染まず、早々に踵にマメを作るという大失態!
不愉快な痛みにペースも上らず、折角の天平尾根歩きも楽しさ半減となってしましました・・・。

三条の湯への道を分けるサオラ峠(サヲウラ峠)から、足の痛みを堪えて熊倉山までピストンし、丹波山村の集落迄の急斜面を何とか下り切ると、熊野社に下山の参拝を済ませて、のめこいの湯にドボーン。

踵のマメは迂闊でしたが、のめこいの湯の硫黄泉で疲れを癒し、ジビエのウインナーを頂いて、1ヶ月振りの山行も何とか締まりました~。 新しい相棒に馴染むには少し時間が掛かりそうです・・・。

本日の総歩数35,388歩、歩行距離24.5km、消費カロリー1,197kcal、脂肪燃焼量85g也。

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フォトギャラリー:73枚

シーズンを迎えて混み合う奥多摩駅。鴨沢西止りの臨時バスが3台増便されていました。

久しぶりに見る山の青空です。

鴨沢バス停のトイレは大行列でした。

バスの折り返し場所となっている鴨沢西バス停。誰もいません。

1ヶ月振りの山に、ひとりニンマリ・・・。

地名の由来が気になるお祭りのバス停。バス停前の山荘おまつりは廃業しています。

後山林道の入口です。三条の湯まで10km、3時間とあります。

「初心忘るべからず、分水嶺」・・・謎の石碑ですね。

親川バス停の手前に入山口がありました。

民家脇の小径を進みます。

30程進んだところに、高畑の山上集落跡が佇んでいます。

25年前は未だ人が住んでいたのでしょう。まるで時間が停まってしまったような、、、

集落から、後山川を挟んで七ツ石山が見渡せます。

昔活躍した水車の一部でしょうか・・・。

更に奥にある住居跡は石垣だけとなり、ダケフキの花が咲いていました。

赤テープを辿って尾根を上って行きます。

サルの群れを横に見ながら、、、ポツンと点の様に見えるのがボス猿ですね。

なだらかな台地状の尾根筋に出ます。

本日、下し立ての新しい相棒ですが、、、馴染むのに苦労しそうです~。

どこでも歩けそうな幅広い尾根に、トラロープの案内が。下りの時は要注意です!

秋の始まり?夏の終わり?

文字通り、平らな台地が続きます。

樹林の奥に、突然現れた湿地草原。

そして、アカマツの樹林帯。

山の神の祠が、、、。屋根が重くて倒れてしまっています。

切り開かれた広場に出ました。

アンテナ塔と標識で、ここが丹波天平であることが判ります。

平、です。

南面に大規模なカラマツの樹林が広がります。

北側は広葉樹林。

黒い腐葉土の路が苔に覆われています。

苔の様子も捨てたものではありませんね。

トリカブト。

サヲウラ峠(サオラ峠)。漢字は竿裏と書くようです。

峠には、山林保護の功労者を祀った中川神社が建てられていました。

白樺に、緑が引き立ちます。

三等三角点のある熊倉山頂です。

展望は殆どありません。

熊倉山までピストンして、再びサヲウラ峠から丹波に下ります。

その昔、飛龍権現の縁日には、このサヲウラ峠で山上賭博が開帳されたそうです。

丹波山集落まで、急な下りが続きます。

ようやく集落が近づいてきました。

鹿除け柵に囲まれた畑を通って、農道に出ます。

正面に鹿倉山が聳えています。

集落の隅に、飛龍権現宮を発見。

ご神体は飛龍山に遷座してしまっています。

首の欠けてしまった手のひらサイズの狛犬が下に落ちていたので、戻しておきました。

1年振りのタバスキー。

集落にはこのような共同井戸が残っています。

青梅街道。

熊野神社に下山のご挨拶。

まだ蝉が鳴いていますが・・・、季節の移ろいを感じます。

道の駅から吊り橋を渡って、のめこいの湯へ。

18:20のバスまで、じっくりと〆ました~。

鹿のジビエウインナーには、やっぱりハイボールです!

バス停でも楽しい出会いがあって、良い一日でした~。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
トレランシューズ バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター ヘッドランプ
タオル 帽子 サングラス 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 腕時計 カメラ 登山計画書(控え) ナイフ 修理用具
健康保険証 ホイッスル 医療品 虫除け ロールペーパー 行動食
テーピングテープ

みんなのコメント

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  • ガバオさん、おはようございます!

    レコをお待ちしておりました!(笑)丹波、熊倉山山行、お疲れ様でした~!

    だいぶ秋めいてきたので奥多摩も賑わいを見せているようですね。久々の山行とのことで
    ガバオさんのウキウキ感がこちらにも伝わってくるようです。(笑)

    天平尾根は植生を拝見したところ、紅葉がとてもよさそうですね~♪地図にも「広葉樹が
    美しい尾根道」と書いてありますものね。この辺りは三条の湯、鹿倉山とともに
    去年から気になっておりまして、この秋冬はぜひ行ってみたいなと思っています。のめこい湯もまだ行ったことがありませんし・・・これからの季節の山行計画の参考になりました!

    ところでジビエのウインナーはくせがありませんでしたか?

  • ガバオさん、こんにちは♪

     丹波天平・熊倉山山行、お疲れさまでした。いゃ~久しぶりに、ど真ん中直球がきましたね。小気味良い調子での地元の風物に関する鋭い洞察描写に、引っ張り込まれるように読ませていただいています。さすが、我らが師匠‼

     さて、天平(でんでいろ)という呼び名には私も気になり、例によってそのうち行ってみようとポケットに入れていました。天平には姥捨て山という意味もあるのですね~(@_@)。とても勉強になりました。もう一つ関心をひいたのが、レコの道標の写真にあった意味深な親川バス停の文字。あがち姥捨て山という解釈も捨てたものではないのではないかと勝手に思ったりもしています。想像力をたくましくし過ぎでしょうか、(全くの素人ですのでご容赦ください(汗))。

     また、苔の写真、ありがとうございます。私のポケットの中で、俄然優先順位が上がりました。加えて、湿地もあるようで、多摩川源泉に近いからでしょうかね。

     ぼっけもん拝
     

  • ガバオさん、こんにちは!

    丹波天平・熊倉山、お疲れ様でした。
    同じ日、私が通った道とは大違いで、何とも羨ましい限りです。それにしても、何とも言えず
    気持ちの良い尾根の様です。雲取山・石尾根からの丹波川側はこの様な道が多いのかも。

    「サヲウラ峠は飛龍権現の縁日に山上賭博」と書かれていますが、鴨沢から七つ石山に登る
    尾根の途中に有る「堂所」も、江戸時代に山上賭博を行っていたそうです。お祭バス停も
    関係が有ったりして。

    私は次回に雲取行ったならば、下りは飛龍から丹波を歩きたいと思っていましたので、
    雰囲気が掴めて良かったです。有難う御座いました。

    社内ボーリング大会ですか!私の勤める会社も以前はやっていて、開会前に会場近くの
    焼鳥屋で一杯引っ掛けて行ったら優勝してしまった事を思い出し、思わず苦笑です。

    それにしても、今年は何やら残暑が厳しく無い傾向?低山を楽しめる丁度良い季節の到来は
    歓迎です。

    次はどちらへ?楽しいレコ、お待ちしております。

  • すーさん、おはようございます。いつもコメント頂き有難うございます!
    レスが遅くなってしまってスミマセン!

    サボった訳ではないのですが、色々重なってしまって、気が付いたら1ヶ月振りになってしまいました・・・。大事な試験の為に山をお休みしていたすーさんには申し訳け無い様な・・・。(汗)

    お察しの通り、天平尾根のベストシーズンはやはり紅葉の時期だと思います。
    尾根で言葉を交わした単独行の方は、丹波山の道の駅に車を置いて、バスで鴨沢に行って、雲取避難小屋に泊まり、三条の湯、サオラ峠から丹波天平を通って丹波山まで戻る途中でした。この手を使えば、バスで深山橋まで戻って鹿倉山を登り、のめこいの湯で汗を流す事も出来ますね~。ちなみに、シカ肉のウインナーはクセも無く、香辛料が効いていてとても美味しかったです! でも、きっとハイボールが飲みたくなってしまいますよ(笑)

  • ぼっけもんさん、おはよううございます。
    レスが遅くなってしまってスミマセン!いつもながら過分なコメントに恐縮です(汗)
    今回はペースが良ければ前飛龍位まで行きたかったのですが、マメにやられました!(笑)

    デンデロ=姥捨山説ですが、私も聞きかじりですので謂われや背景は分かりません。殿平とも書くらしく、滝子山の南とかにもありますので気になるところです。それにしても、親川という地名に姥捨ての名残を嗅ぎ取られるとは・・・、思いもよりませんでした。これはもう少し調査研究が必要ですね。ポケットから出される時は、そのあたりも是非チェックしてみて下さい!。 いずれにしても、お勧めできるコースです。

  • 西東京猛虎会さん、おはようございます。 コメント頂き有難うございます。
    レスが遅くなってしまってスミマセン!

    流石、猛虎会さん。 堂所の山上賭博のことをご存知なのですね!
    私の場合、手元の紀行本の読みかじりで、サヲウラ峠や堂所の他にも、塔ノ岳や金時山、赤城山などが山上賭博で賑わったと知って驚いた次第です。確かにお祭りの土地名も関係ありそうですね~。そういえば、笹尾根の槇寄山から数馬に下る途中に、「国定忠治の遠見柱」というのがありますが、お上に追われた国定忠治が、丹波山の胴元を頼って山を越えたのかも・・・等と、勝手に想像するのも楽しいものです。

    ボウリングは、この歳になると、2ゲーム目が辛いです。(笑)
    台風が急に向きを変えてしまい、週末は微妙になってしまいましたね・・・。どうぞご安全に。

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