• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

あこがれのトムラウシ山行...しかし、道迷いに遭うとは...

トムラウシ山( 北海道)

パーティ: 7人 (元ひげおやじ さん 、ほか6名)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

朝快晴、7:00頃頂上付近ガス、以降終日ガストと小雨

利用した登山口

短縮コース登山口  

登山口へのアクセス

マイカー
その他: トムラウシ温泉に前泊し、当日3:00起床し温泉入浴(含洗面)し4:00登山口にむけて出発、車で約20分。まだ夜明け前でしらじらと東の空がうすら明るくなる中で各自出発準備。

この登山記録の行程

短縮コース登山口(04:50)・・・短縮コース分岐(05:09)[休憩 11分]・・・カムイ天上(05:53)[休憩 7分]・・・前トム平(08:47)[休憩 8分]・・・トムラウシ山(10:45)[休憩 55分]・・・前トム平(13:52)[休憩 8分]・・・カムイ天上(16:25)・・・短縮コース分岐(17:08)・・・短縮コース登山口(17:25)

コース

総距離
約17.2km
累積標高差
上り約1,617m
下り約1,617m
コースタイム
標準8時間48
自己11時間6
倍率1.26

高低図

標準タイム比較グラフ

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

今回はかねてより計画していたもので、7月、8月と天候不順で延期してきたもの。そのため各自思い入れ高かった。しかしメンバーは登山歴皆無3名、若干の経験者3名、そして自分。登山口は満点の星空、カムイ天上では眼下に雲海が広がり朝日がトムラウシ山の紅葉を鮮やかに照らし、辛抱強く延期を重ねてきたかいがあったと皆、ルンルン気分であった。
しかし、コマドリ沢を下り、出会いでの休憩中ににわかに下界からガスが登り始め、行く手を見るとそれまで真っ青な青空に、薄い雲がかかり始め、出発するころには真っ白なガスに覆われ始めていた。
確かに山岳天気予報では午後から曇りの予報であったが、あまりにも早すぎる急変であった。とはいえ、まだハイな気分に浸っている我々はこれからの本格的な登りに取り掛かった。
前トム平までの間に初経験のM主任技師が脱落、自分は殿を務めていたので、ゆっくり行こと励ましながら登る。他の皆もMの状況に合わせながら登る。ここのガレ場でナキウサギに遭遇。皆感激。ようやく前トム平に到着するとMが、離脱の意思表示。
我々は彼だけを残して頂上を目指すこととした。Mには約4時間の待機だが、むやみに動き回らないよう釘を刺す。⇒この時、誰かを一緒に残そうかと思ったが、皆楽しみにしていただけにそのことを言いだせず、本人に慎重行動をするよう言い含めることが精一杯であった。
その後、濃いガスの中を、慎重に登り、9:22トムラウシ公園で休憩。一向に晴れる気配のないガスの中、徐々に水滴が全身にまとわりつく中、皆の顔をみわたす。その意味を察知したのかTA係長がせっかくここまで来たのだから頂上に行きたいですね!と言う。自分も同感で暴風雨にならない限り、行くぞという気持ちであった。他の皆も、ここまで待って来たのだから...という感じで継続することになった。
そしていよいよ頂上には10:45到着!途中休憩含め5時間55分かかった。しかし、周囲は乳白色のガスの中、頂上は強い風。残念な状況であったが、記念写真を撮り、お湯を沸かし温食含む昼食タイム。
この時、残してきたMにH次長が携帯で連絡とると、なんと頂上に向かっている(この時はトムラウシ公園当たり)とのこと...、無理はするなと言い聞かせ、下山する我々と途中で合流しようということになった。11:40下山開始、見通しがきかない中、トムラウシ分岐手前の岩れき地帯でTA係長がなんだか来た時と様子が違うと言い出し、自分も周囲を見渡す。しかし、登りでは息きらしながら地面ばかり見ていたのでほとんど周囲の風景の記憶がない。SPアプリの地図と現在地を見ると、ほぼ合致しているので、T係長や先頭のT課長によく踏み跡をみてくれと伝える。しかし、それらしきものは見当たらないという。そんなことはあるまいと、自分も岩の上を渡り歩きながら見ると、どうも様子が変であることに気が付く。先頭のT課長他H次長らが戻ってくる。自分も岩れき地帯前の登山道まで戻り、ペンキのマーカーを探す。他の皆も探し廻るが、一向に見つからない。再度、岩れき地帯に踏み入れ、マーカーを探すが....、自分も、これは完全に道迷いに入ってしまったと思った。まずい!T課長はいったん来た道にもどりましょうと言う。自分もそう思いながらもアプリ上では若干それているが致命的ではないので、その場で落ち着いて探したほうがいいと思った。しかし、H次長も頂上付近のマーカーのあるところまで戻りませんか?という。次長にはSPのアプリを見せて、この近くだからということと、頂上まで戻ると体力消耗するので皆動かずにここにいて、自分がもう一人と探しに行くと伝え、下がり始めるとT課長が後をついてきた。
その時、上の方で脱落していたM主任技師がS課長とすれ違う。おおっ!と歓声があがり、良くここまで来た!皆下山するところで道に迷ってしまった、どこから登ってきた?と訊くと、Mも良くわからなくなる。
これはまずい!と本当にヤバクなってきたことで焦りが出てきた。探し回っているうちにニッカ―が岩か何かにひっかかったりしながら、もう一度アプリの地図と現在地を比較する。約十数メートルくらいそれているのが判るのだが、ガスが濃く視界が効かない。進行方向の左なので、そこを重点的に見渡すと、黄色のマーカーらしきものが見える。もしかしたら...と岩を渡り歩き、高山植物を踏みながら近寄ってみると、なんと登山道の踏み跡があるではないか!おーい!道があったぞー!これで今日中に帰ることができると安堵した瞬間であった。
皆でトムラウシ分岐で正しい道を見つけたことができたこととMと合流できたことを喜びあい、休憩した。その時、H次長が自分のニッカ―が破けていると言った。見ると、20センチくらいカギザギに避けている。夢中で道探ししていたので気がつかなかったのだなと思った。それにしても、このような道迷いは経験がなく、正直、完全迷った時の顛末を想像し、ぞっとした。また、よくMと合流できたものだと偶然の遭遇に感謝した。もし、合わなければ、Mもわれわれ同様にたった一人で迷ったかもしれず、地図の見方もろくに知らない、ド素人が本当に遭難したかもしれないと考えると冷や水を浴びたような気がした。こののち、皆で下山を続けられることを感謝しながら小雨の中をただひたすら登山口にむけて泥濘の道を歩きとおしたのであった。
その日は、トムラウシ温泉満室のため、そこから小一時間のオソウシ温泉に泊まる。そこまで雨に濡れた体でも車の暖房でなんとか持っていたのが温泉到着後、一気に体が冷え、震えが止まらず、温泉に飛び込んだ...。
今回の山行の反省点
①脱落者は一人では絶対に置いていかないこと、最悪は自分が帯同すること。
②リーダー、サブリーダーは明確に決めること。
③持参した雨具は活用すること。
④ザックカバーはかならず持つこと。
⑤天気予報が雨を否定しても降る前提で装備を考えること。
⑥メンバーの技量と体力を考えること。
⑦道迷いは急がば廻れで確実なところまで戻ること。

続きを読む

フォトギャラリー:10枚

白みかける東の空をバックに出発前の一枚。

カムイ天上あたりから望むトムラウシ山、まさか天候が急変する等、予想もつかなかった。道迷いは頂上から左側に下ったところ。

カムイ天上近辺で十勝連峰を望む。眼下には雲海が広がる。

コマドリ沢出会いに下る前に、辛うじて見えるトムラウシ山の頂上。

コマドリ沢出会いから前トム平へ急登を行く。眼下にはガスに覆われ始めた様子がわかる。

トムラウシ公園での一枚。周囲はガスに覆われ視界がきかない。せっかくの眺望も望めず残念な状況。

やっとたどり着いた頂上で記念写真。風が強い。

トムラウシ分岐から前トム平に到着した一枚。道迷いから無事にたどり着き、皆一様に安堵の表情がうかがえる。

ガスと小雨がしょぼふる中、前トム平からコマドリ沢出会いに下る。

薄暗い中でようやく登山口に到着した直後の一枚。

すべての写真を見る

装備・携行品

シャツ ダウン・化繊綿ウェア 靴下 レインウェア 登山靴 バックパック
スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ タオル 帽子 グローブ
サングラス 地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ
ナイフ 健康保険証 ホイッスル 医療品 非常食 行動食
トレッキングポール GPS機器 ストーブ 燃料 カップ クッカー

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登った山

トムラウシ山

トムラウシ山

2,141m

よく似たコース

トムラウシ山 北海道

トムラウシ山 日帰り

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
10時間40分
難易度
コース定数
47
トムラウシ山 北海道

沼ノ原・五色ヶ原・トムラウシ山 1泊2日

最適日数
1泊2日
コースタイプ
縦走
歩行時間
14時間20分
難易度
コース定数
53
トムラウシ山 北海道

沼ノ原湿原とお花畑を抜けて憧れの頂へ

最適日数
1泊2日
コースタイプ
縦走
歩行時間
14時間30分
難易度
★★★
コース定数
53
登山計画を立てる