行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
東逗子駅手前 第一運動公園近くの駐車場
この登山記録の行程
東逗子駅前(9:00)……神武寺入口(9:05)……神武寺本道前(9:20)……親不知南面前(9:48)……子不知(9:50)……(よじ登ったりぶら下ったり 240分)……磨崖仏(14:00)……第一運動公園(15:00)……(遅いお昼御飯 10分)……駐車場(15:15)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
神武寺から鷹取山に登り、子不知にソロで挑みました。
一応鷹取山の岩山講習会は受講し、クライミング教室も受講し、鷹取山安全登山協議会にも登録し、遭難救助講習会(岩場登攀救助)も受講した上で道具も色々揃えて行った訳ですが、それとクライミングの技術は別ですので、中途半端にフリーでは登りきらないまま今回は撤収しました。
それでも試してみたかったことはできましたし、本番で使ってみたかったギアの特性などは大分掴めました。
大前提、ソロですのでビレイヤーはいません。
何度登り降りしようとも、安全確保のためには手間暇をかけなくてはいけません。
以下、今回行った事及び備忘録です。
よじ登り中の写真を撮り損ねたもので……。
■トップロープの設置
鷹取山の岩場はほぼトップロープ専用です。そうでないとしても今の自分の技量と知識では、ソロのリード登攀はよっぽど難易度の低い斜面でないと無理です。
指先でプルプルしながら「どこかにガバないのー!?」と泣きそうな状況が容易に想像される中、「余分なロープは手繰っておくか」なんて余裕は絶対ありません。
さておきトップロープを設置するにはロープを担いで登りたい岩のてっぺんに行かなくてはなりません。
登りたい岩のてっぺんにまず登っておくというのも、方程式を解いていったら「a=a」となって「解けてないじゃん!」と叫ぶような矛盾を感じますが、よじ登りとはそういうものだということは先に述べた講習会で色々習いました。
ともあれ子不知。親不知は大人気で先客が多く、こちらに回りました。
しかしトップロープを設置するには、親不知は裏から登れることは知っていますが(何せ展望台があります)、子不知は裏のアルパイン系のルートから登らないといけません。
一人で岩場に来るのも初めてなら、自分一人でアンカーをセットするのも初めてです。
しばし考えた後、ロープの末端を頑丈そうな手すりの二箇所を借りて固定分散でアンカーを取り、幾つか見える残置ハーケンを貸して貰ってお独り様リード登攀をしました。
自分と引き揚げるロープはマッシャーで接続し、少し登ってはマッシャーを引き揚げます。
凹角でしたので足場は確保し易く特に問題はありませんでしたが、2本目と3本目のハーケンの間隔が広かったので、安全確保が出来ていたかと言うと疑問符です。
いや実際、こういう場合複数のメンバーで登攀していてもどうすべきなのでしょうね?
脆い砂岩でカムやナッツが利く訳でもありませんし……。
やっぱり無理矢理ハーケン打つのでしょうか。
ともあれロープに守られるのではなく、ロープを持ち上げるための登攀を終了させ、子不知の頂上でエイトノットでロープを確保します。
ロープ全体を頂上まで持ち上げるには、今度は下の確保を解除しなくてはいけません。
ATCで下降しながら、クイックドローを回収していきます。
降りた後、手すりアンカーを解除し、その他のギアを詰めたザックを背負い、シンプルアッセンダーを使って再び登ります。
途中でわざと軽く落ちてみたりして、アッセンダーの効きを確認しました。
ともあれこれで道具とロープを全て背負って頂上に来ました。
セルフビレイをとった後、挑みたい斜面の手前で三箇所固定分散でアンカーを取りました。
頂上から二つ折りにしたロープをぶら下げますが、流していませんので別々のロープを二本下ろしている状態です。
折角二本ありますので、両方ATCに通して下降しました。
■どう自分の安全をを確保しよう
さてそこそこ安心できそうなロープが二本、目の前の壁にぶら下っていますので早速登りたいところですが、10mはありそうな壁です。
落下しないに越した事はありませんが、落下しても極力安全でなくてはいけません。
自分自身の問題だけでなく、事故を起こせば最悪鷹取山のクライミングが全面禁止になる可能性だってあるのです。
登れなくて落ちることは問題ではありません。落ちること=事故ではいけないのです。
とりあえず、先ほど使ったシンプルアッセンダーをセットして少し登ってみます。
今回のロープは9.8mmですからロックは期待できます。
ですが、太い分逆にロープがうまく流れません。流れないロープを持ち上げながら登っているみたいなものでした。
クライミングジムならガバにつかまって余分なロープを手繰って落とすこともできますが、鷹取山の壁はガバを期待してはいけない壁です。
ということで、不採用にしました。
次は大好きなマッシャーです。
PMI、スターリンと2メーカーのパーセルを持ち歩いていますが、これもどちらも流れが悪く不採用です。
結局一番シンプルで確実だったのがタイブロックです。
カラカラと引き揚げられ、落下にはガッチリ確保。
これで少し登ってみることにしました。
■落ちて宙吊りになってからのリカバリー
多少の高さと言いますか、1mくらい登って落ちたくらいなら、爪先立ちすればタイブロックもすぐに解除できます。
ところが5mくらい登って落ちてタイブロックがガッチリ食い込むと、そこから登りきらないと何時までも宙吊りのままです。
仮に解除に成功しても、他の確保がないと5m落下するだけです。
実際そういう状況になったのですが、手順としては以下で脱出しました。
(1)マッシャー二本でロープよじ登り。上のマッシャーはスリングでハーネスと連結、下のマッシャーにもスリングを通してアブミとします。数回尺取虫の様に登りタイブロック周りのテンションを緩めます。
(2)ハーネスにつけたままだったATCに隣のロープをセット。ただそのままでは落ちるので、ミュールノット+カラビナで仮固定。今ぶら下っているロープは伸びきっている状態なので、できるだけ上で結びます。
(3)タイブロックを解除。小さいので落とさないようにします。
(4)ロープよじ登りに使ったマッシャー二本を少しづつ下ろして解除。
(5)ATCのミュールノットをゆっくり解除。テンションは隣のロープ+ATCに移りましたので、ゆっくり下降しました。
このあたりは個人的に何度もレスキュー方法を丁寧に教えてくれたKさんのお陰です。
マッシャー二本のロープよじ登りは、10月11月とクライミングジムで一人でもよく練習しましたので、宙吊り状態からでも特に苦労はしませんでした。
ATC+ミュールノットはビレイヤーの自己脱出の部分技術ですね。
なんかもう、緊急時にトップロープがあるならば、岩をよじ登るよりロープをよじ登るほうが確実で安全かも……。
■挑んで敗れて時間切れ
登ったり登れなかったりしている内に時間切れ。
トップロープを解除しないといけません。
頂上に再び行って、一本を引き揚げて一度確保を解除。流す形にして再び下ろします。
今度は片方を引けばもう片方が上がる連動型です。
二本一緒にATCにセットして下降し、降りてからロープを引き下ろします。
道具を片付けて、近隣の方にご挨拶をして初めての岩場よじ登りを終えました。
何とか怪我も事故もなく終えられました。
神武寺も鷹取山も紅葉が綺麗でした。
神武寺からのハイキングコースには何箇所もビュースポットがありますが、個人的には二子山が良かったです。
クライミング自体は、色々研究して再び挑みます。
親不知や後浅間で登っている人たちを見ましたが、皆上手でした。
なんかすいすい登っていくんだよなあ。
今日が登山を始めて丸一年目の日でした。
去年の翌日、奥多摩を半泣きで歩きました。
それでも何とか、明日からは登山二年生です。
フォトギャラリー:33枚
神武寺の入口です。
熊ベルはザックにつけっ放しだけど、イノシシベルは持ってないよ!
山寺らしい良い道が続きます。
良い森です。
紅葉が綺麗でした。
お地蔵さま。
この鉄塔(大-田41号)は東電ではなくJRの電線です。
66000ボルト流れているそうです。
鷹取山のトロルの舌。
二子山です。
左がお兄ちゃんで、一等三角点もあります。
道が険しくなり、鷹取山を予感させます。
ただし、鷹取山安全登山協議会に登録できれば別なのです。
親不知はもう一杯でした。
6本ものトップロープがセットされていました。
親不知北面でも良かったのですが
子不知の電光クラックでソロデビューすることにしました。
裏側です。
フリーでも登れそうですが、今回は手順を踏みます。
残置支点。
ちょっと摘んでみましたが、動くんですコレ。
ほかにも幾つか。
頼っていいのかしら?
どう思うセキレイちゃん?
でも眺めも良いので
石橋を叩きつつ、踏み出してみましょう。
凹角のルートをお独り様リードで登ることにしました。
ほめられたアンカーではありませんが。
支点の強度とマッシャーの効きを確認します。
頂上の残置支点を借りてアンカーを取り、まあ色々やってロープを頂上に持ち込みました。
親不知方面です。
お天気でした。
これまた色々手順を踏んで、お独り様用トップロープの設置完了です。
この後はよじ登りに余りに夢中だったので、写真がありません……。
片付けた後、折角ですので磨崖仏にご挨拶にいきます。
お天気ですね!
紅葉も綺麗ですね!
折り返して東逗子方面に戻ります。
親不知は上手な人がすいすい登っていました。
駐車場近くの第一運動公園に静態保存されている京急のデハ601号。
運転席にちびっ子たちが狂喜乱舞。
安針塚駅の下に鷹取山も描かれていますね。
座席を借りて遅いお昼を食べ、次の予定の武道の稽古に向かいました。
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
サンダル | バックパック | サブザック | スタッフバック | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
タオル | グローブ | ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) |
ナイフ | 修理用具 | 健康保険証 | ホイッスル | 医療品 | 虫除け |
熊鈴・ベアスプレー | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ | 燃料 |
ライター | クライミングシューズ | ロープ | エイト環・ATC | カラビナ | 安全環付きカラビナ |
クイックドロー | ビレイデバイス | スリング | チョークバッグ | ハーネス | ヘルメット |
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