行程・コース
この登山記録の行程
【1日目】
西丹沢自然教室(09:55)・・・権現山分岐(11:05)[休憩 85分(ベンチで5分、下棚で約15分、本棚で食事休憩60分の休憩)]・・・善六のタワ(14:10)・・・畦ヶ丸(15:20)
【2日目】
畦ヶ丸(07:10)・・・大滝峠上(07:45)[休憩 80分(屏風岩山方向へ20分進み、復帰時に道迷いで消費)]・・・一軒家避難小屋(09:45)[休憩 10分]・・・大滝橋(11:00)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
このところ、どこに行っても人が多い山続きだったので、人気のない山を満喫すべく、正月休みが終わったタイミングの平日で畦ヶ丸に避難小屋泊で登ることにした。
当初、正月休み最後の1月8日から、翌9日の日程で計画していたが、生憎、前線を伴った低気圧2個の通過により荒れ気味だったため、予定を1日繰り下げた。
新松田を8時25分のバスで西丹沢に向かうと、降りたのは自分ひとりで駐車場には車が3台停まっているのみ。静かな山行が始まった。
橋を渡り、沢沿いの道を遡上する。いくつかの堰堤や木橋を超えて、途中、渡渉用に足場用の丸太程度の太さの流木が架けられている場所の写真を撮ろうとしたら携帯がない。捜索のため来た道を引き返す。あった。
下棚手前の権現山分岐と地図上はあるはずの場所だったが、どこから入るのか全く分からなかった。一息ついてから下棚へ向かう。下棚は思ったより立派な滝で、夏場なら裸足でザブザブとアプローチしたい感じ。続いて本棚を目指す。
本棚は最初見えた右側のカラ滝は水量も少なく、下棚よりパッとしないと思ったが、少し進むと左側の滝が姿を現し、激しく流れ落ちる滝はやっぱり見事だ。ここで滝を見ながら昼食を取ることにした。沢の水を汲んで沸かし、レトルトカレーとご飯を茹でた。
食事後、善六のタワに向かうため、枯れ沢を回って森に入るが、かなり荒れていて本当にここでいいのかだいぶ迷いながら進んだ。森の中の道も作業道の様でしばし立ち止まりながら地形図と比較しながら歩く。
少し登ったところにテーブルがあり地図を確認していると、猟師の方が上がってきた。鹿の頭数調整をしているそうだ。そのまま善六のタワまで歩きながら、「今日は鹿が全然いない。」などと話しながら善六のタワに到着。ここで別れた。今日はここから西丹沢の方に戻るそうだ。猟師の方と別れた直後から、前方で尾根から谷へ駆け降りる鹿の足音がし始め、「ピー」という笛の様な鹿の鳴き声が聞こえた。こちらも「ピー」と笛を吹くとそれに応えるように「ピー」という鳴き声が色々な方向から聞こえた。
偽ピークに騙されながら山頂に到着すると、山頂は霜柱が溶けたぬかるみで、足跡は全くない。今日は自分が初登頂だ。
日が傾き始めた中、写真撮影を行った後、避難小屋への道を急ぐ。少し下ると木立の間から避難小屋の煙突が見えた。「こんにちは」と声をかけながら戸を開けると、予想通り小屋には誰も居なかった。部屋の中心の土間には大きなストーブが鎮座している。
トイレは残念ながらいっぱいになっており、近い将来オーバーフローしそうな感じ。紙詰まりか?
日没まで時間がないので荷物を置いて薪拾いに出かける。拾い集めた薪をストーブにクベ、カイロ用のベンジンを着火剤にして点火する・・・が、朝までの雨で薪が湿っていたためすぐに火が消えた。ちょっとガックリ来たが、外は夕焼け、気を取り直して南側斜面の階段を降り、夕焼けに染まったシルエットを見せる富士山を薄暗くなるまで眺めた。
日没後、夕食に持ってきたレトルトの山羊汁とパックのご飯をコッヘルに入れて、汲んでおいた沢水で茹でる。お湯が沸くまでの間、ストーブの薪を組み替えて再度点火に挑戦。今度は上手く火が回り火力も安定してくる。山羊汁も温まった。暗い中、ストーブの火の様子を見ながらご飯を入れて食べた。旨い。その後は一杯やってから寝袋に入る。室温はストーブのおかげで6℃まで上がっていた。
夜中はマットから落ちているところや寝袋から出ている顔が寒くて2時間おきぐらいに目が覚め、気が付くと朝6時。寝坊だ。計画では出発の時間だった。
仕方ないので出発を1時間遅らせることにし、昨日富士山を眺めた階段へ降りて朝焼けに染まった富士山を眺める。小屋に戻って荷物を片付け出発した。
なお、避難小屋のトイレは紙で一杯になっており、使用できなくなるのも時間の問題といった感じ。通常のごみを持ち帰る習慣は根付いている様だが、トイレに関してはまだまだ浸透していない上、抵抗が大きいのかもしれない。
大滝峠へ向かう道は非常にわかりやすく、木立の中、右手に富士山を眺めながら誰にも踏まれていない霜柱を踏んでいくのが心地いい。計画通りの時間で大滝峠に着いた。そのまま続く下り道の先を鹿の群れが駆け下りて行った。時計を見ると9時57分の午前中の最終バスに乗るにはもう少し急がなければ厳しい。休憩もそこそこに、真っすぐ下っていく踏み跡を早いペースで降り始める。
20分程進んだところでコンパスを見ると、ほとんど南に進んでいることに気が付いた。次の一軒家避難小屋方向へ行くのであれば平均して南東に向かっていなければおかしい。後方には畦ヶ丸の山頂が見える。どうやら道を間違えたようだ。
慌てて反転して来た道を戻ったつもりだったが、一気に谷底へ向かう感じの見知らぬ尾根だった。谷底には沢の流れが見えた。(福井沢)少し戻って次の尾根を下ると、同じように谷底へ向かう尾根だ。次は少し大きく戻って次の尾根筋を行くと、ようやく見覚えのある場所に出ることができた。焦って、安易な手段を取ってしまった。ヒヤリハットだ。
結局、1時間以上のロスをして大滝峠に戻ることができた。本当の登山道は草の踏み跡が地味な感じだった。迷い込んだのは山林管理道のようだ。
一軒家避難小屋への道は花崗岩が風化した砂利のかなりザレた道で、枯葉が積もったりして踏み跡もわかりにくい。東海自然歩道の黄色い標識を見て道迷いしていないことを確信しながら進む。そうして到着した一軒家避難小屋は、窓も小さくかなり室内は暗かった。
次の大滝橋へ向かう道も崩落個所が多く、はっきりした踏み跡もない道が続く。ミツマタのつぼみが目立つ沢沿いの道を、何回も沢を渡ったりしながら林道への分岐に到着、大滝橋までもうすぐだ。
大滝橋には計画より1時間以上遅れて到着、次のバスは14時47分の谷峨駅止まりだ。待っていてもしょうがないので、谷峨駅までの14kmを歩くことにした。途中の中川温泉にある、町営「ぶなの湯」に寄ったが定休日だついてない。途中の三保の家近くのソバ屋で昼食を食べ、谷峨駅には14時半に到着、ほとんど待たずに到着した御殿場線に乗り帰宅の途についた。
西丹沢自然教室から大滝橋に至る畦ヶ丸のルートは、ガイド等にも多く紹介されている上、東海自然歩道でもあることから標識等はよく整備されているが、表尾根の様なメジャーなコースと違って通る人が圧倒的に少ないことから登山道と判断し難く、一見、山林管理道の様な場所も多い。
そして、地質が脆く、路肩が崩壊しているところも所々あって、滑落して怪我をしたら上がって来るのは難しそうな場所も多かった。
今回は、寝坊→焦って誤判断→プチ道迷いと事故に繋がりかねない出来事に見舞われたが、全体的に充実感に満ちた秘境散策ができたと思う。畦ヶ丸周辺はあまり人気のないエリアだが、地図を見ても秘境感にあふれた魅力的なルートが数多くあり、これからもこうしたルートを旅してみたい。
フォトギャラリー:29枚
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
登山靴 | バックパック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
タオル | 帽子 | グローブ | 着替え | 地図 | コンパス |
ノート・筆記用具 | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ | 健康保険証 |
ホイッスル | 医療品 | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | テーピングテープ |
軽アイゼン | トレッキングポール | ストーブ | 燃料 | ライター | カップ |
クッカー | カトラリー | ||||
【その他】
装備重量:約15kg 食料:9日昼食@カレー&レトルトご飯、9日夕食@レトルトご飯&山羊汁、10日朝食@パン&魚肉ソーセージ&コーヒー 非常食:カロリーメイト×2、魚肉ソーセージ×4 水:2L(プラティパス)、0.5L(ナルゲン・移動中空、途中の沢で水を汲みレトルト湯煎及び湯たんぽ用として使用) その他:シュラフはモンベルのアルパインダウンハガー800 #3をSOL Escape Bivvyに入れて使用したが、寒くて約2時間おきに目が覚めてしまって安眠できず、寝坊につながった。気温は朝の時点で小屋の外が-7℃、室温が-3℃とシュラフのコンフォート温度5℃、リミット温度0℃を越えていた。 その他:ハクキンカイロ |
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