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梨木大神から首無し地蔵を経由して愛宕山へ

愛宕山( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (うめぞー さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

電車
その他: JR嵯峨嵐山線で嵯峨嵐山駅で下車、徒歩で釈迦堂前バス停まで移動、清滝行きのバスに乗り終点の清滝で下車、徒歩にて登山口まで移動。

この登山記録の行程

JR嵯峨嵐山駅着(8:07)・・・徒歩で釈迦堂前バス停着(8:20)・・・京都バス(嵐山・清滝行き)(8:37)・・・清滝バス停(9:04)・・・梨木大神(10:30)・・・首なし地蔵(11:30)・・・愛宕山山頂(12:30)・・・清滝バス停(14:50)

コース

総距離
約13.8km
累積標高差
上り約1,437m
下り約1,437m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

今回は愛宕山の特集です。
それというのも愛宕山への登山者は年々増えてきて今では招かねざる方々も来ています。
私のブログの方で注意喚起や実際の遭難者の捜索などをしていますが未だに後を立ちません。
それというのも従来は山頂にある愛宕神社への参拝道であった表参道なら消防団の方も捜索しやすいのですがこの頃は書籍などでバリエーションルートと題してディープな道を紹介しているので感化された高齢者や山に慣れていない俗に言うリタイヤ組(定年退職後に趣味として登山を始めた初心者の方)が必要な装備や地図を持たずに入山されるので増加の一途をたどっています。
今更やめましょうといっても聞く耳持たない方が多いのでそれなら正しいルートを知ってもらうほうが少しでも遭難を防げるという思いから今回のルートを紹介します。
ただし、このルートはかなりハードなのと危険なエリアがあるため出来るだけ単独はやめていただきたいと思います。
単独で行って良いのは熟練者及び慎重な方だけです。(地図など必ず持っていくような方)
それではコース案内です。
まずは清滝バス停まで各自で時間を調べてお越し下さい。
バス停に着いたら帰るときのバスの時刻を調べておきましょう。
また、ここには遭難者の情報が張られているので他人事とは思わず遭難する可能性を十分に考えてルートをチョイスしてください。
出来れば事前にルートを最低でも家族には説明してください。
この山、山頂までのルートは多岐にわたるためルートが分からないと搜索の初動がかなり遅れます。
バス停のすぐ横(茶屋の前の道)から急な下り坂になっています。
ここを下れば渡猿橋という赤い橋につきます。
橋を渡って集落を抜けると鳥居があります。
ここが愛宕山表参道です、出来ればここからの往復が一番リスクが少ないのでここから登山していただきたいというのが正直な感想です。
鳥居の前は三叉路になっていますが一番右の道が京都トレイルなので右へ進みます。
しばらくは京都トレイルの道標に従い、アスファルトの道を延々と歩きます。
約1kmほど進むと京都トレイルは下の道へ(高尾へ行く道)登山道はそのままアスファルトの道へと分岐します。
ここから少し行くと左側にお助け水が湧いているのですが冬季は配管が破裂するので外してあります。(水場は月輪寺までありませんので水は用意願います。)
表参道の方のお助け水は年中湧いているので大丈夫です。
ここからしばらく進むと道が左上と真っ直ぐに分岐します。
左上は大杉谷方面となり、ここも遭難が多い場所です。
細かい枝道が多くひぐらしの滝というマニアックな滝(地図にもガイドブックにも載っていない滝なので基本行って欲しくないです。)があるため好奇心からか中高年がここで年間何人か遭難(死亡事故もあります。)しています。
まっすぐの道を進むと月輪寺への登山口と左側には空也の滝方面への入口があります。
空也の滝は危なくないので見学に行かれるといいでしょう。
ただし、冬季は凍結するので軽アイゼンもしくはスパイクは必須です。
月輪寺が立てた小屋を左に見ながら更にまっすぐ進みます。
直ぐに左へ曲がりながら進むのですがここから先は私有地のため、一切の道標はありません。(山岳会の道標やプレートすらありません。)
少し進むと目の前にゲートがあります。(車止めのおおきな門型です)
門の左右から通り抜けられますがここからは完全に自己責任です。
何があったとしても文句は言えません。(今は無いようですが昔は猟のため誤射での事故があったそうです。)
もちろんですが獣も普通に出てくる道です。
私もこの日、シカを見ました。
今回は結構写真をアップしておいたので見ていただければ分かりますが道はかなり荒れています。
倒木は当たり前で50~100m間隔で結構な量倒れています。
ここからは登山道はあってないようなものになります。
倒木を避けながら進むのですが倒木の理由もよく考えて周囲に気を配りましょう。
地形的に山肌が脆いのと沢沿いに生えている木々が倒れているので言い換えればいつ倒れてきてもおかしくない状態です。
特に大雨や大雪が降った翌日は絶対に入らないでください。(台風の翌日もやめましょう。)
途中の山道も大幅に崩れた箇所がありますので沢を渡渉して迂回する方が安全な場合もあります。
しばらく進むとコンクリートの道がありますがここももろくなっているので山側を通過しましょう。
コンクリートの道を上がりきると梨木大神様が祀られています。
正規ルートは梨木大神様の前の道を右側へ進みます。
梨木大神様の左から上に上がる道は途中までは林道ですがそこから先は一般の方が行くような道ではないのでやめておいてください。(遭難しても気づかれません。)
また、ここまでで疲れたのなら必ず引き返してください。
ここから先は急登だけではなく道も細くなり足を滑らすと危ない箇所がたくさんあります。
最初は倒木と戦いながら進んでいくといきなり急坂が始まります。
ここからは足元が不安定な道が続き、スズメバチの巣もあります。
ここを越えると右側に伐採用の小屋が見えてきますが沢をまたいでいるので行くことはできません。
ここから更に急登になるのでゆっくり進んでください。(特に冬季は凍っています。)
しばらく進むと道は少し緩やかになりますがここからは道というより獣道の様相となるので道を見失わないように進んでください。
崩れた道を登りきった先は林道になっており左手すぐに首なし地蔵さまが祀られています。
首なし地蔵さまを左に進めば愛宕山方面です。
まっすぐに進めば龍の小屋経由で竜ヶ岳に行くことができますがめちゃめちゃ急登です。
距離は短いのですがほぼ直登なのでこの季節は向いていません。
愛宕山方面に進むとまっすぐと上に上がる道とに分かれますが上への道を進んでください。
この分岐が唯一くらいでここからはほぼ一本道でしばらく進めます。
ただし結構登っていくのでゆっくり取り組んでください。
前半は全然危なげない道が続くのですが最後の方はいきなり道が人一人通れるかくらいに変わり、登る方角から言うと左側は崖になっています。
この季節は雪や凍結のせいでかなり滑りやすく足を滑らせて滑落すると大怪我もしくは最悪死に至るような場所もあります。
慎重に抜けると分岐に出ます。(三叉路ですが左へ進みます。)
上に上がる道は名も無きピーク(796m)で右は林道ですが来た道を戻ることになります。
左へ進みしばらく行くと地蔵の辻と呼ばれる分岐に出ます。
ここまでくれば本線となるため道標もあります。
道標に従い、右上へ進みます。(道標から見て)
左下は竜ヶ岳や地蔵山へ行くことができますがこの季節は十分な装備がないと危険です。
ここで竜ヶ岳に向かう道に一人の登山者が見受けられたので慌てて追いかけます。
冒頭でも言いましたがバリエーションルートと称してロクな装備も持たずさ迷い込む高齢者が多いからですが追いついた方は壮年の立派な登山者でした。
装備もしっかりお持ちだったのでお気をつけてと言葉を交わして見送ります。
元来た道を戻り愛宕山を目指します。
愛宕山で参詣したついでに懇意の神官さんとお話するとまた新たな遭難者情報が・・・
聞けばルートを明確に家族に伝えていないからどこに入ったかもわからないとのこと。
手がかりがあれば帰り道で探すと言いましたがその手がかりすらないとのことなのでみなさんもせめてご自身が歩かれる予定は家族に説明してください。
念のため、表を見回って帰ると神官さんに告げて今年はまだ頂いていなかったので「火迺要慎」(ひのようじん)の御札をいただき、帰路は表山道から下山します。
この道は何が安心かというと100m毎に消防団が作成された番号標(41/40)があるので万が一、足をくじいたとかアクシデントがあっても番号を言えばそこまで救助していただけること、登山者や参詣者が多いので何かあっても安心できること。
休憩小屋が3箇所(三合目・五合目・水尾の別れ)にあること。
ただし、特に夏場は熱中症になりやすいので注意してください。
道もほとんどが急なため、普段運動や登山をしていないと翌日は確実に筋肉痛になるほどです。
また、この季節凍結のため水尾の別れから山頂までは軽アイゼンかスパイクは必須です。
時間も普通に2~3時間(片道)かかるので休憩をよく取る方や足の弱い方は朝早くから行動してください。
この日も三合目を越えて少しした場所あたりで登っておられる方に出会いましたが午後2時を回っていたので少し無謀と感じました。
愛宕山は夏でも午後4時を越えると三合目から下は樹林帯のためかなり暗くなります。
ましてやこの季節は最低でも午後3時には清滝のバス停に到着するくらいのプランで挑んでください。
現実に親子3人がこの季節遭難しています。
(暗くなったので一晩親子で抱き合って過ごしたそうですがなんとか無事でした。)
最後になりますが今回紹介したルートは出来るだけ行かないでください。
どうしてもチャレンジしたい場合は春になってから(雪がなくなってから)出来るだけ下りでチャレンジするとかなり難度が下がります。
関西では愛宕山を親しみを込めてあえて(あたごさん)と呼びます。
本当はあたごやまですが神社があり、参拝する高齢者はおそらくみなさんに「ようおのぼり」もしくは「ようおまいり」と声をかけてくださるでしょう。
でも遭難がこれだけ増えてくると表参道も制限が付くか(許可制)登山禁止になる恐れもあります。
どうかみなさんも簡単な山だと思わず慎重にトライしてください。
私は嵐山で温泉に入ってから帰路につきました。


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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 バックパック
スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ 予備電池 タオル
帽子 グローブ サングラス 着替え 地図 コンパス
ノート・筆記用具 登山計画書(控え) ナイフ 修理用具 ツエルト 健康保険証
ホイッスル 医療品 ロールペーパー 携帯トイレ 非常食 行動食
GPS機器 アウターウェア オーバーパンツ バラクラバ オーバーグローブ 雪山用登山靴
アイゼン ピッケル ショベル プローブ ビーコン ゴーグル

みんなのコメント

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  • 興味深く拝見させていただきました。大変失礼ですが写真中伊吹山とされているのは蓬莱山(比良)の誤りではないでしょうか?

  • 位置関係からして蓬莱山ですね、ご指摘ありがとうございます

登った山

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