• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

北岳テント泊登山

北岳( 南アルプス)

パーティ: 1人 (もた さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

快晴(二日間とも)

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 芦安駐車場(第1)へ駐車。バス・乗り合いタクシー乗り場近くの第2、第3駐車場は到着した朝4時半頃にはほぼ満車に見えました。
芦安駐車場~広河原間のバスは運賃1130円、乗り合いタクシーは1200円です(2018/8時点。マイカー規制協力金込み)

この登山記録の行程

8月3日
0430 芦安駐車場(第1)到着
0500 バス乗車
0620 広河原バス・タクシー発着場
0635 広河原山荘、白根御池小屋コースへ
0830 白根御池小屋
0925 二俣分岐、北岳肩の小屋方面へ
1130 小太郎山分岐、北岳方の小屋方面へ
1215 北岳肩の小屋

8月4日
0330 起床
0355 北岳肩の小屋を出発
0430 北岳山頂
0500 ご来光
0520 下山開始
0545 北岳肩の小屋、テント撤収
0630 北岳肩の小屋出発
0650 小太郎山分岐、二俣・白根御池方面へ
0700 二俣・白根御池分岐、二俣方面へ
0800 二俣分岐、大樺沢ルートで広河原へ
1015 広河原へ下山
1025 広河原バス・乗り合いタクシー発着場
1040 乗り合いタクシー乗車
1120 芦安駐車場

コース

総距離
約12.7km
累積標高差
上り約1,999m
下り約1,998m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

初めてのテント泊で北岳へ行ってきました。
※GPSが肩の小屋で位置情報を変に検知しており、尾根の東へ降りていることになっていますが、そんなことはしていませんのでご承知おきを。実際の累積標高差は1950mくらいでしょう。

朝4時半くらいに駐車場にチェックイン。第二、第三駐車場は満車で、少し離れた第一駐車場へ停めました。舗装はきれいで、入り口に段差があったりすることはありません。が、少し駐車スペースがせまいです。大きな荷物は車のリアハッチかトランク入れておいた方が良いと思います。

準備をしてバス乗り場へ。チケット売り場で乗車券を購入し、乗車待ちの列へ並ぶと、人数調整で単独だった自分が先のバスに乗れることに。広河原までは約1時間ちょっと。

到着後すぐに登山を開始。しょっぱなから吊り橋が登場。。それを渡りきると広河原山荘に着きます。自販機があるので、水の最終調達はここで。白根御池コースなら途中の小屋で水場があるので給水ができますが、大樺沢ルートを選択する場合は肩の小屋まで水場がありません。標高が高い山とは言っても道中暑いことは他と同じなので、水の量に不安があるときは買っておいた方が良いかも。最悪、二俣分岐から白根御池小屋に行って給水もできますが、片道30分くらいかかるので時間の余裕がないと無理です。

今回は給水の利便性を考えて白根御池ルートを選択しました。白根御池小屋に出るまでは比較的急な狭い尾根上をジグザグに登っていく感じになります。ずっと樹林帯で日蔭、かつ大樺沢から吹き上げてくる涼風のおかげで暑さは感じませんでした。しかし、初のテン泊装備(あとで測ってみたら、水や食料満載時で15kgくらいでしたが・・・そんなでもなかったですね)を背負っての山行だったのであまりペースが上がらず。ばてて動けなくなるのは避けないといけないので、ゆっくり休み休み登っていきました。

白根御池小屋では水場(無料)、トイレ(チップ制)があり、とても助かりました。ここで少し長めの休憩をとり、二俣分岐へ向けて出発。小太郎山分岐へ急斜面を直接向かう草スベリルートもあるのですが、この時期(8月)はかなり草が繁茂しており、風がなくて暑いルートという情報を得ていたので回避しました。

白根御池小屋から二俣分岐まではほとんど標高差がありません。樹木や草が繁茂する斜面をトラバースする感じで歩いていきます。道中に数カ所崩壊した斜面に橋を架けた場所があります。頑丈に作られているので不安はありませんでした。

二俣分岐に着くと休憩している人が多くいました。バイオトイレもありました。このバイオトイレのおかげで沢の水質が大きく改善されたとか。休憩スポットではあるのですが日蔭がありません。白根御池側からなら、二俣に出る直前(バイオトイレが目視できる辺り)の木陰で一本立てるのが良いと思います。

二俣分岐で休憩していると逆に日光で体力消耗しそうだったので、休憩は無し。そのまま右俣コースを登っていきました。このルートは所どころ木陰があり、休憩スポットを提供してくれますが大半は日向(東側斜面)です。さすがに朝方でも8月の日光は暑いwwすでに標高2200mを超えているので高山病にならぬようにゆっくり登っていきました。

ほかの登山者と談笑もしつつ、じわじわと標高を稼いでいきます。小太郎山分岐に出る前、少し地形図上でも急になる箇所があります。本当はジグザグの道を登っていくはずの箇所なのですが、かなり急な斜面(しかも結構踏み跡もある)を登っていくハメに。わかりにくい分岐があり、まんまとはまってしまいました。。こういう時にGPSで確認しないといけないのに。。

小太郎山分岐へ到着すると、稜線上に出ます。ここまで来ると気持ちのいい風が吹き抜けてくるので打って変わって爽やかな稜線歩きとなります。一部、鎖場・・・というほど険しいところではないのですが岩場があります。難易度はそれほど高くなく、高度感もほとんどありません。浮石はおおいので落石には注意です。

小太郎山分岐から40分ほどで北岳肩の小屋に着きます。12時過ぎの到着でしたが私はここでその日の行動は終了。テント泊装備重量のおかげで足の疲労が結構たまっていたので、お昼ご飯だけ食べて、テントを張り昼寝。・・・をしようと思ったら、頭がずきずきとし始めました。六時頃に寝るまで頭痛がひどくなったり弱くなったりを繰り返し、時々吐き気も。なるべく水を飲むようにしつつテントでうずくまっていたら、翌朝起きるころにはすっかり治っていました。今考えると、水分不足によって高山病を発症し、水を飲みながらおとなしくしていたことで治ったのかな?と。夕方にブロッケン現象だ!と周囲で騒ぐ声があり、見に行ってみたのですが頭痛でフラフラだったのですぐにテントに戻ってしまいました。今思うともったいなかったなーと(当時はそれどころじゃなかったのですが・・・

翌朝は朝3時半くらいに起床。もぞもぞと前日準備していた雨蓋サブザック(オスプレーのイーサーAGは雨蓋が分離してサブザックになる仕様)に水を詰め込み、防寒着と風よけのレインウェアを着て3時55分頃山頂へ出発。白山や富士山のように山頂でご来光を見るという人が少ないのが印象的でした。前にも後ろにも見える範囲に人がいないという状態で、ヘッドライト明かりを頼りに岩場を慎重に歩き、途中一か所ある偽ピークをパスして山頂へ。強い西風が吹き付ける中、ご来光を待ちました。

東側の雲は少なく、抜群のご来光を期待できました。うっすら明るくなっていく雲海の中で浮かび上がる富士山、南側を見れば間ノ岳や農鳥岳。今まで見てきた中でも抜群の雄大さでした。ちなみに日本アルプスのなかで今回登った北岳が初めてなので、北や中央の山はまだ知らないです・・・。

ご来光を待っていると太陽の右側になんか白い筋が??と思って、最初はロケットの打ち上げかと勘違いしてましたw東から飛んでくる飛行機でした。。考えてみたら南アルプスの東側にロケット打ち上げ施設はないですよね。。

そうして徐々に明るくなっていく真っ赤な日の丸にものすごく感動しました。あ、日本の国旗って。ご来光に言葉は要らないです。

完全に火が昇り、山頂から影北岳みえないかな?と思ってしばらく待っていましたが、なかなか見える気配がなく体も冷えそうだったので引き上げることに。

来た道を戻っていくと、小屋で山頂を見た後に登頂される方々と何度かすれ違いました。たしかに、明るくなってから歩いたほうが安全ですし、肩の小屋からも十分にご来光は見れるので。で、小屋に戻る途中でちょっと雲への映り込みが微妙ではあったものの影北岳が見えたのでパシャリ。西側の雲海がもっと低く平らだったらきれいに映っていたかもですね。

小屋に着いて、テントを撤収。来た道を戻っていきます。小太郎山分岐からは登りの際に誤って通った急斜面に入らないように用心しつつ、正規ルートで二俣分岐へ。下り時は看板をしっかり確認すれば、急斜面に出ることはありません。というか、あの土の急斜面を下れる自信はありません・・・。

普段ならどうってことない道ですが、重装備を背負っての下りは想像以上に足にこたえました。普段よりはるかに遅いペースで、なるべく足に負荷のかからないように二俣まで降り、大樺沢ルートへ。

二俣分岐から高度を200mを下げたところで、これ以上脚を無理させられないと思いストックを取り出し、四足歩行形態へ。使うつもりで持ってきたわけではないのですが、けがをしたときに備えてという保険装備が役に立ちました。

大樺沢ルートは登り時のメジャールートなので道中のすれ違いが非常に多いです。「土曜日の朝の下り」だったのでなおさらだったかも。なかなかペースが上げられないながらも、足を休める機会が多かったのは良かったのか悪かったのか・・・。

大樺沢ルートを下っていくとはじめは日向もそこそこ多かったり、比較的急な斜面に作った狭い道を歩いていくなど疲れた体には少しきつい感じでしたが、後半になると沢が流れる脇の緩い斜面の樹林帯歩きになるため暑さは少しマシになります。風は少なかったのと湿気が多かったことで蒸し暑さは若干ありました。

その後はなんとか広河原までゴールし、吊り橋を踏破し、乗り合いタクシーで芦安まで無事帰還しました。

続きを読む

フォトギャラリー:70枚

芦安駐車場
ここはメインスペースとなるところで、バス・乗り合いタクシーの発着場が隣接。自分が第一駐車場はもう少し山奥側にありますが、すこし狭かったです。幅の広い車はドア開閉が少し窮屈。

行きはバスに乗りました。マイカー規制協力金含め、運賃は1130円でした。

広河原へ到着。北岳へ登山する場合はここから歩き、北沢峠へ行く場合はさらにバスを乗り継ぎます。

登山開始。

すぐに吊り橋が。まぁ・・・怖くないですね(強がり

すぐに広河原山荘に着きます。ここで登山届を書きます。自販機もあるので、携行する水の量にもしも不安を感じたらここで最終調達も可能。大樺沢ルートを行く場合、肩の小屋まで水場がないのでくれぐれもご注意を。白根御池小屋ルートなら小屋で道中の給水も可能です。

登山開始直後の道の具合。
基本的にずっとなだらかな斜面で、標高が上がってくると少し険しめの岩場や急斜面が出てくる程度の険しさでした。

ノリウツギ?

まだ咲く前のオヤマボクチでしょうか

ミヤマシャジン?

ヤマホタルブクロ

大樺沢ルートと白根御池ルートの分岐

白根御池小屋までは樹林帯で日蔭もあり、大樺沢側から吹き上げてくる風が心地よかったです。

クガイソウ

シモツケソウかな

白根御池小屋

マルバダケブキ?

センジガンビ

二俣分岐。バイオトイレがあり、休憩スポットなのですが日蔭がないです。長居はせず先を急ぎました。

タカネナデシコ。
ところどころに群生していました。
かわいいですねー。

小太郎山分岐
ここに出る直前に自分と、自分の前後数名は急斜面を直登していましたが単にわかりにくい分岐を見逃していた感じです。
本当は急斜面を蛇行していくルートがあるので、おかしな急登に差し掛かったら注意して引き返し、周りを見渡してください。

分岐。下るときは間違えはしないですが・・・。

小太郎尾根に出るとかなりなだらかな稜線歩きになります。ただし一か所だけ、鎖の張られている岩場があります。岩場に慣れていれば全く苦にならない程度ですが油断しないよう。

この黒い花なんだろう

北岳肩の小屋
テント場のある小屋では最高高度らしいですね。標高3000m

ここでお昼。思えば、まともな飯はこれしか食べてないです。。これ以外に口にした食料は一本満足6本、ミニようかん2本+入山前に食べた菓子パン2個だけ。。。よく持ったな・・・(ほかに尾西のご飯をあと2袋、補給ジェルを2本を持っていきましたが余しました)

稜線の東側で幕営。
朝方は西からの強い風になりそうだったので、東側の岩陰で。
12時過ぎの到着時には点々とテントがあるだけで、場所は比較的選びたい放題でした。

高山病からも回復して翌日はご来光を見るために山頂へ。テント他、登頂に不要な装備はテン場に残し、ザックの雨蓋がザックになる仕様だったのでカメラや財布、貴重品と水を持って山頂へ。冷たい風が吹き付けていたので行動中もレインウェアを着てちょうどいい感じでした。

三角点

白山の御前峰とはまるで違い、人も少ないご来光町の山頂でした。

間ノ岳、農鳥岳方面。
間ノ岳には行きたいと思っていました。しかし、今回は北岳山頂アタック前に回復はしたとはいえ高山病に悩まされたこと、重装備で想定外に足に疲労が蓄積していたことから北岳山頂で引き返すことにしました。

富士山も見えます。近い!

ご来光
日の丸が赤々と見えるのはご来光登山三回目で初めてでした。

ロケット!?かと思ったら飛行機でした(笑

ご来光!

お地蔵さん

守られるように岩に取り囲まれていた。シロバナタカネビランジ?

帰り道。来るときは暗かったのでよくわからなかったですが、意外と高度感ありますね。でも平気です平気・・・。

振り返ると日に照らされる間ノ岳が。かっこいいです。いつかまた、今度は登らせてください。。

北岳山頂を振り返る。

影北岳。

肩の小屋方面を見下ろす。

チシマギキョウ?

北岳バットレス・・・は尾根に取り付くとよくわからんですねwwアングル的に。
下から見る方が迫力あると思います。

しっかし、こんな壁を登る人がいるんですよね・・・

北岳肩の小屋を後に。

南アルプスの女王、仙丈ケ岳
こちらもたおやかで大きい。。

甲斐駒ヶ岳
こちらはとんがっててかっこいいお山。

上から見たときの小太郎尾根の鎖場

二俣への下りはこんな感じ

ハクサンフウロ

キタダケトリカブトですかね?

イブキトラノオ・・・にしては赤っぽい?

二俣分岐。
水が残り少ないならば白根御池ルートにした方がいいかもしれません。
下りとはいえ暑かったです。。

大樺沢ルートを降りていくと、ところどころ端がかかっていました。崩落や落石による迂回路もあり。

丸太の橋もありました。結構滑りやすいので注意。

標高が下るにつれて、支流の流れを集めて沢の流量がだんだん増えてきます。

広河原へ無事帰着。南アルプスの天然水でのどを潤す。

吊り橋・・・

帰りは乗り合いタクシーで(マイカー規制協力金含めて運賃1200円)

すべての写真を見る

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スタッフバック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ
帽子 グローブ サングラス 着替え 地図 コンパス
腕時計 カメラ ツエルト 健康保険証 熊鈴・ベアスプレー ロールペーパー
非常食 行動食 軽アイゼン トレッキングポール GPS機器 ストーブ
燃料 クッカー

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登った山

北岳

北岳

3,193m

関連する山岳最新情報

よく似たコース

北岳 山梨県

甲斐の国を代表する名峰。南アルプスの盟主

最適日数
1泊2日
コースタイプ
周回
歩行時間
11時間
難易度
★★★
コース定数
41
北岳 山梨県

北岳・間ノ岳を往復 前夜泊1泊2日

最適日数
1泊2日
コースタイプ
往復
歩行時間
17時間10分
難易度
★★★
コース定数
64
北岳 山梨県

白峰三山を一挙に縦走するロングコース

最適日数
2泊3日
コースタイプ
縦走
歩行時間
19時間5分
難易度
★★★
コース定数
69
登山計画を立てる