行程・コース
天候
曇り
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
北勢町新町を目指す。北勢町新町配水場が目印。駐車場は墓地脇の空き地。20台程度駐車可。特に案内板はないためものすごく分かりづらい。また、春先のシーズンには、墓地の駐車場をこんなに占有してよいのかというくらい混むため7時前には到着していることをお勧めする。トイレは無し。
この登山記録の行程
孫太尾根登山口(07:17)・・・丸山(08:15)・・・草木山(08:57)・・・多志田山(09:23)・・・藤原岳(09:59)・・・藤原山荘(10:14)・・・散策・・・藤原山荘(昼食~10:56)・・・藤原岳(11:09)・・・多志田山(11:42)・・・草木山(12:06)・・・丸山(12:40)・・・孫太尾根登山口(13:28)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
雪山への想いも残しつつ、春の頼りに誘われて、春の妖精(Spring ephemeral)を探しに藤原岳にやってきた。毎年、福寿草を見ないことには春は始まらない。ただ、今回は指向を変えて孫太尾根から丸山、草木山、多志田山を経てのアプローチとする。ちなみに多志田山~藤原岳間は藤原岳から竜ヶ岳へと向かう鈴鹿セブンの縦走路にもなっている。孫太尾根からのルートは、藤原岳の表道や裏道からするとあまり知られてはいないが、実はこの時期、福寿草に加えて、セツブンソウやミスミソウ等花がとても豊富で目を楽しませてくれるとてもよいルートだ。また、部分的に急登が多いため登山入門者にはちときついが尾根を登って振りかえった時に見える伊勢湾の雄大な景色は素晴らしく、いつもとは違った角度で藤原岳の山容を捉えながら山頂めがけて登っていくダイナミックさは超お勧めだ。
車を停めて、墓地の道をそのまま真っ直ぐに進む。
綺麗に整った杉林を抜けていく。細く真っ直ぐに伸びた木が並んだ様子は芸術的だ。
散歩気分だったのもつかの間、神武社殿跡の碑付近からいきなり急な登山道が始まる。いやいや、これはなかなか。いつもの藪漕ぎと変わらない直登ぶりだ。
斜度に合わせてエンジンもフル回転にしたいところだが、今日はあくまでも花を愛でるのがミッション。いろんな花を見落とさないように地面にも目をやりながら登っていく。ちなみに、今日のミッションは3つ。1つは福寿草。2つ目はセツブンソウ。3つ目はミスミソウ。そして、あわよくばセリバオウレンとかも探したい。
しばらく進むと尾根に出た。白っぽい岩がゴロゴロしていて、この周辺特有のカルストの風景だ。左手には竜ヶ岳方面が見える。ここから先はしばらく魚の背びれの上を歩いているような感覚で尾根を登っていく。
岩だらけの道かと思えば白い花をつけ始めたアセビ等が並ぶ緑のトンネルが続いたり、とかくステキな道が多い。それだけでテンションが上がる。
高度を上げて最初のピークに到着。丸山だ。
女性が2名、カメラを持って一生懸命地面の方を撮っている。これは期待できるぞと行ってみると、あちこちにセツブンソウが咲いていた。小さく可憐なその花は、白い花弁に紫色の雄しべを持つ。それが、一層透き通るような花弁の白さを浮き立たせる。誤って踏まないように、そっと近寄って花を観察するように写真を撮る。
見頃は少し過ぎてしまったのかも知れないが、丸山には辺り一面のセツブンソウが咲いていた。
ここから草木山までは縦走っぽく比較的水平移動が多くなる。丸山ほどではないが所々で、セツブンソウを見かける。その中で、ちょっと違う花があると立ち止まり、しゃがんで覗き込んでみると、ピンク色のミスミソウがあった。その横には白いミスミソウも。。。今年は会えないと思っていただけに嬉しい出会いだ。更には、線香花火をイメージするような小さな白い花もその近くに。セリバオウレンだ。福寿草は、もう少し高度を上げれば確実に出会えるだろう。あわよくばと思っていた花まで出会え、ほぼミッションクリアーとはなんて幸先の良い感じだ。
草木山に到着。ありそうでない名前の山だ。眺望はあまりないが、かといって特別、草木に特徴があるわけでもない。一体どうしてこの名前が付いたのだろうか。ここからは、一旦、コルまで降りて竜ヶ岳への分岐点となる多志田山を目指す。コルから多志田山へはなかなかの急登。自覚はなかったが、先週の六甲全山縦走の疲れが残っているのか、いつもより足取りが重い気がした。
多志田山まで来ると、藤原岳ももう目前。ただし、山頂手前が反り返っている。急登、急登と書いてきたが、間違いなくこのコースで一番の急登に違いない。
右下の方を眺めると、藤原岳の中腹から麓にかけて掘削現場が見えた。花の百名山と呼ばれるほどの自然豊かな山なのに、今も重機が走り回って削りまくっているかと思うと、人間を代表して藤原岳に謝りたくなる。
一気に登っていく。この辺から福寿草がチラホラと確認できるようになってきた。天気が悪いためか、まだ花を閉じているものが多い。春になると他にも黄色の花が多くみられるようになるが、福寿草の黄色は格別だと思う。太陽の光を集めたかのような温かみと力強さを感じる。見たものを幸せにする。まさしく、福寿草の名前の通りだ。
春の始まりと、今年の再開に嬉しくて写真を撮ろうとするが、山頂に近づくにつれて足元がジュクジュクと斜面は雪解けで最悪のコンディション。気を許したら一瞬で全身泥だらけになりそう。ゆっくりとカメラを構えている暇もなかった。左側に抜けると岩場のルートを使ってエスケープすることもできるが、福寿草が圧倒的に多いのは、現在登っている登山道。帰りは岩場のコースを通るとして、登りは福寿草最優先に滑らないよう気をつけながらジュクジュク、ツルツルと登っていく。
登りきると、藤原岳の広い草原が見えた。一部、雪がついている。遠くには山小屋・藤原山荘が見えた。振り返ると、これまで登ってきた尾根がそのままルートとして、一筆書きのように麓までつながっているのが見える。心地よい達成感だ。
山頂に回り、記念撮影をしたのち、藤原山荘まで降りてみる。
前日降ったと思われる新雪が登山道を覆っていたので、それを踏みながらぬかるみを避けるように降りる。いつもなら、ここもとんでもなく凄いことになっているが、汚れなくてラッキーだった。少し周辺を散策したのち、藤原山荘山小屋に入って昼食とする。ドアを開けたら、お昼には少し早いと思っていたのに、既に所狭しと登山者でいっぱいだった。一番端のテーブルに腰をかけお昼ご飯とする。
たっぷり、時間をとって休憩したのち、折り返す。このまま表道を降って電車で戻ることも考えたが、よく考えたら肝心の財布は車の中だった。^_^
降りは先ほど書いた通り泥道を避けて岩がゴツゴツしたルートを使う。ちょうど、霊仙山の西南尾根に似ている。同じ山でもルートを変えるだけで、まるで別な山に登っている気分になる。
朝には気が付かなかったが、昼に向かい太陽を浴びて開いたのか、ヒロハノアマナがあちこちに咲いていた。絶滅危惧種だと言うのに、さすが花の百名山だ。上乗せのミッション達成。沢山の春の妖精に出会えて、とても充実した1日だった。
みんなのコメント