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すべてが凍る強風の天狗岳

東天狗岳、西天狗岳、中山、高見石( 八ヶ岳)

パーティ: 4人 (Yamakaeru さん 、ほか3名)

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビに渋の湯「渋御殿湯」をセット。渋御殿湯手前100m(右側)ほどの所に有料駐車場あり。約40台。日帰り:1,000円、山で宿泊:2,000円。宿泊者は無料。トイレあり。ただし、冬季は雪かき等の関係で朝6時以前はロープが張られていては入れないため注意。受付は渋御殿湯。マップコード(218 714 827*50)。携帯ほdocomo、auは少なくともダメだった。

この登山記録の行程

渋の湯・渋御殿湯(07:09)・・・八方台分岐・・・唐沢鉱泉分岐・・・黒百合平・黒百合ヒュッテ(08:48)・・・東天狗岳(10:09)・・・西天狗岳(10:31)・・・中山峠・・・見晴らし台(11:45)(昼食~12:01)・・・にゅう分岐・・・中山・・・中山展望台(12:27)・・・高見石・高見石小屋(13:07)(休憩~13:22)・・・賽の河原・賽の河原地蔵(13:51)・・・渋の湯・渋御殿湯(14:40)

コース

総距離
約12.2km
累積標高差
上り約1,072m
下り約1,071m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

仲間と合流して夜の高速を飛ばす。
登山口となる渋の湯に着いたのは6時半ごろ。6時から受付開始と聞いていたので程よい時間だ。車の外に出ると空気が痛いほどに冷たかった。つい先日までは冬とは思えない穏やかな気温が続いていたが、この週末は大型の寒気到来で久しぶりに東北や北陸に雪をもたらしている。
今回は仲間と一泊がけの雪山遠征。この渋の湯を起点に1日目は天狗岳。2日目は蓼科山を歩く。
渋の湯(渋御殿湯)は以前も使ったことがあるが、まさしく秘湯と言われるだけあって趣のある温泉なので楽しみだ。。。
楽しみだ。。。と思っていたのに、受付開始早々、いきなりおばちゃんの洗礼を浴びる。
「中のトイレは使えますか?」と聞いたら、「外の駐車場のトイレ。書いてあるでしょ。中はだめだよ。」と、きっつい一言。宿泊者ではないと勘違いされたのか?それにしてもそんな尖った言い方をしなくても良いのに。ただ、振り返ってみると終始そんな感じだったのできっとそれがデフォルトのようだ。ツンデレならぬ、ツンツン。笑。
以前、天狗岳に来た時は、宿の下にある駐車場に停めたが、24時間フリーだったような記憶があるが、今はロープが張られていて、受付者(車)が来るたびに、おばちゃんが走っていってロープを外しているようだった。それは機嫌も悪くなるというもの。料金箱でも設置しておけばいいのに。
さて、装備を整えて、いざ出発。登山ポストに届を出してから橋を渡る。
前回は西天狗から登ったが、今回はまずは黒百合平を目指す。
それにしても雪が少ない。
太陽が完全に顔を出したようで、木漏れ日が差し込んできた。光が雪の結晶に反射してキラキラしている。
早めにアイゼンを着用して先へと進む。履くほどではなかったが、今年はとかく雪山が遠のいているので、早く雪の感触を感じたくて仕方がない。
キュッキュッとアイゼンの雪を噛む音が心地よい。
斜面が緩くなってくると、黒百合平も近い。木々の間から青い空が見えている。きっと遠くまで見渡せるだろう。山頂からの絶景が楽しみだ。
前方に屋根の一部が見えてきた。黒百合ヒュッテ。名物のラーメンを食べたことがあるが、特に冬は冷え切った身体を心底温めてくれて最高に美味かった。
ヒュッテの前では、5張りほどのテントが設営されていた。羨ましい。羨ましいが、ヒュッテ入口の温度計を見るとマイナス7度だったので、さぞ夜は極寒だったに違いない。
ヒュッテから樹林帯を抜けて東天狗へと進む。
天気とくらすでは、晴れの予報ながら、ちょうど今の時間帯はCとなっていた。つまり相当、風が強いと予想される。
それでも、樹林帯の中ではまだ楽観していたが、抜けた瞬間にCが現実となって、冷たく刺すような風が襲ってくる。慌てて目出し帽をかぶり身構えるが、防寒が全く効かない。天気とくらすでは山頂付近でマイナス16度を予想していた。さきほどの黒百合ヒュッテ付近の予測と実際の温度計がほぼ合っていたので、多分、山頂付近の数値も正確だろう。ただでさえ寒い上に、この強風で体感温度は軽くマイナス20度を超えている。
グローブも防寒対策をしてきたのに、指先がちぎれるように痛い。それよりもヤバいのが鼻。触るとカチカチに凍っているのがわかる。天狗岳なんて登りやすい山と、正直舐めていたが、今は厳冬期。2,500メートルを越えれば、簡単な山なんて一つもないと言うことだ。厳冬期用のグローブを持ってこなかったことを激しく後悔した。
ガレ場の急登を登っていく。雪があるからまだ歩きやすいが、ガレている上に結構な斜度があるので落石には注意が必要な場所だ。
東天狗の山頂に到着。標高2,640m。
立ってはいられないほどの強風の洗礼を浴びるが、目の前には息をのむような絶景が待っている。サメの歯のようにギザギザした稜線。一番鋭く尖っているのが、八ヶ岳の最高峰、標高2,899mの赤岳。カッコ良すぎて痺れる。
カメラを出すが、極寒が瞬時にカメラの機能を奪い去る。それでも数枚は撮れたか。
天狗岳は東と西に分かれる双耳峰からなる。一度降って、もう一つの西天狗へと登る。標高2,646m。西は尖った東に比べて対極的で丸みを帯びた優しい山容をしている。有難いことに、西天狗岳の山頂は比較的、風が穏やかだった。
南アルプスの仙丈ヶ岳が綺麗に見えていた。
ちょうど山頂に着いた時に、3人組の登山者にシャッターをお願いされた。女性が一人混じったグループで一見して仲の良さが分かる。年齢は自分たちよりも少し上か。気持ちの良い感じの方々だったので、快諾して角度を変えながら3枚写真を撮影。聞くと3年ぶりに集まったメンバーとのこと。気心の知れた山仲間が久しぶりに集う。素敵な話だ。
再び東天狗岳方面へと戻る。ただし、強風を避けるために山頂手前で巻きながら最短で東天狗岳を降りる。森へ逃げ込んで暫くしてようやく指先の感覚が戻ってきたが、逆にしびれが残ってジンジンする。
中山峠まで戻り、そこから高見石を目指して歩く。アップダウンは少なく、こちらを歩く人は少ないようで静かな森の中を楽しみながら雪を踏みしめ進んでいく。静まり返った森。雪に囲まれた世界は美しい。
中山を抜けて中山展望台へ。小高くなっていて眼下に風呂敷を広げたようにどこまでも続く大きな森が見えた。遠くにはひと際、白くなった蓼科山も見えた。
中山展望台を過ぎると、降りのコースとなる。緩やかな下りだと思っていたら、途中から急こう配にかわる。しかも、どこかの登山口についてしまうんじゃないかと思うくらいの勢いでどんどん降る。地図で確認はしていたものの、高見石小屋が見えた時には正直、ホッとした。高見石は高見石小屋の脇から50m程登ったところにある。森の中に小さな岩山が顔を出しているような感じ。眺望がよく、広い森が見渡せる。下の方には真っ白に凍った白駒池が見えた。完全に凍っているようで、池の表面にはいくつものトレースがついていた。
軽く休憩をした後、渋の湯方面に向けて再び降っていく。
八ヶ岳と言えば苔むした森が素敵な場所。今は雪景色になっているが、きっとこの辺も苔が似合う森だろう。そんな素敵な森の道を抜けていくと、突然、見晴らしの良い場所に出た。大きな岩がゴロゴロしていて、名前を聞かなくてもすぐに場所が分かる。賽の河原だ。
想像していた以上に広い空間で、伯耆大山の賽の河原を思い出す。積雪があるのでなんとか歩けるが、雪がないと足が岩に挟まってしまいそうだ。
登山道脇にちょっと太めのお地蔵さんが佇んでいた。誰かが編んであげたのか、可愛らしい青色の帽子をかぶっている。賽の河原地蔵だ。
賽の河原からは沢沿いに森の中を降るコースとなる。全体的に緩やかで周辺の地形から見ても、渋の湯は近いと勝手に思っていたが、これが実に長かった。あまりの長さにオートパイロットで歩く。そろそろか?と思ったタイミングで、風の中にかすかな硫黄の臭いを感じとった。今度こそ、ゴールも近いはず。そうなるともう後は温泉まっしぐら。そのまま温泉に飛び込みたいくらいだ。
渋御殿湯に帰着。チェックインを済ませて部屋に入る。4人一部屋で予約していたが、8人は泊まれそうな大きな部屋だった。中央にこたつもあって有難い。
温泉は2つあり、一つは石鹸がない源泉のお風呂。もう一つは石鹸が置いてあるお風呂。日帰りとして入る場合は1,000円/一人だ。確か以前来た時は石鹸がない方に入った記憶がある。
浴衣を持って、外よりも寒いんじゃないかと思うような長い廊下を通って石鹸有の方の温泉に飛び込む。冷え切った身体には最初熱すぎると思ったが、慣れたらむしろもう少し熱いぐらいでも良いと思った。
温泉で温まった後は、楽しみの夕食。温泉宿なんだからもう少し豪華でもいいんじゃないかと思ったが、まあ価格相当か。ごはんを2杯お代わりして満腹でした。ごちそうさま。
そうなるとあとは部屋に戻っての大?宴会。ただ、登山後のお酒は酔いが早く、あっという間の撃沈でした。
それにしても鼻が痛い。どうも軽い凍傷になった模様。。。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 勇者になれなかったです(涙)

  • いや、素晴らしい働きでした。

  • 今まで経験したことがない寒さ…それだけに下山後の温泉と宴会最高でした(^。^)

  • 一番寒かったのは、宿の部屋から温泉までの長い廊下でしたが。。。
    とは冗談ですが。ようやく凍傷気味だった鼻に触れるようにまで復活してきました。
    この暖冬で花粉が舞っているので鼻がかめないと死にそうです。

登った山

天狗岳

天狗岳

2,646m

高見石

高見石

2,225m

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