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春の花縦走路 藤原岳孫太尾根

丸山、草木山、多志田山、藤原岳( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 4人 (Yamakaeru さん 、ほか3名)

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 北勢町新町を目指す。北勢町新町配水場が目印。駐車場は墓地脇の空き地。20台程度駐車可。特に案内板はないためものすごく分かりづらい。また、春先のシーズンには、墓地の駐車場をこんなに占有してよいのかというくらい混むため7時前には到着していることをお勧めする。トイレは無し。

この登山記録の行程

孫太尾根登山口(07:07)・・・丸山(08:04)・・・草木山(08:43)・・・多志田山(09:15)・・・藤原岳(09:57)・・・藤原山荘(10:00)・・・天狗岩(10:29)・・・藤原山荘(11:49)・・・藤原岳(11:52)・・・多志田山(12:33)・・・草木山(12:55)・・・丸山(13:24)・・・孫太尾根登山口(14:06)

コース

総距離
約13.4km
累積標高差
上り約1,443m
下り約1,442m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

今日は3月1日。「冬山はじめました」の看板を立ち上げる前に、ついに「春山はじめました」のシーズンに突入してしまった。
雪山に行こうか悩んだが、どうしてもこの季節、会いたい花がある。春の妖精(Spring Ephemeral)を代表する福寿草。鮮やかな黄色い花には幸せとエネルギーが溢れている。
そうなると目的は一つ。花の百名山、藤原岳。愛してやまない鈴鹿山系の中でも特に好きな山で、毎年必ず一回以上は足を運んでいる。メジャーな山だけあって常に登山者で溢れている。
通常は表登山道(大貝戸道)の登山口を使うが、個人的にお気に入りは孫太尾根のコース。距離がそこそこ、急騰もそこそこと初心者には多少厳しいが、花の種類は圧倒的に多いのでおすすめだ。山頂を極めずに途中の花を散策して帰る人もいるようだ。
7時前に墓地横の駐車場に到着。決して遅くはないが、既にところ狭しと、車が停まっていた。墓地にこんなに停めて大丈夫なのかといつも心配になる。昔はマイナーコースだったが、SNSの影響が大きく今や遠方の方にも知られるようになってきている。
林を抜けて尾根にとりつく。昨年には何もなかったと思うが、入り口の登山道が綺麗に整地されていて、丸太の階段が作られていた。地元の方々だろうか。素敵な山なので、安心して歩けるコースが増えることは嬉しいことだ。
尾根沿いに登っていくと、粘土質の土の中にゴロッとした大きく白っぽい岩が目立つようになる。藤原岳によく見られる特徴で石灰岩があちこちに点在している。カツレン(石灰岩の柱)と呼ぶとか。
そこまでくるとかなり眺望も開けてくる。振り向くと、朝日に反射して輝く伊勢湾が見えた。孫太尾根の素敵なところは眺望を楽しみながら登れること。また、山頂に向かって挑戦的にガシガシ登っていけるところだ。これぞ登山って感じがする。
石灰岩のゴツゴツした岩山を登り切ると最初のピーク、丸山に到着する。小さなケルンが出迎えてくれる。
ここが、ミスミソウや節分草の自生ポイントとなる。どれどれと覗き込むと、早速、小さな節分草を見つけた。白いドレスに紫が映える。朝露をつけた小さな花びらはまだ目覚めたばかりなのか、恥ずかしそうに下を向いていた。目が慣れてくると、あちこちに節分草が咲いているのに気づく。特別に保護している所以外で、これだけの群生地は珍しいと思う。ミスミソウは残念ながら葉っぱをかろうじて見つけただけだった。こちらはタイミングが合わなかったか。
草木山を抜け多志田山へ。目の前にはラスボスの如く藤原岳の山頂が大きく聳えている。「早く来い!」とまるで挑発的に待ち構えているかのようだ。
歩いていると珍しいやつが顔を出していた。ツチグリ。タコの八ちゃんみたいなやつで、子供の頃、よく遊んだものだ。頭を摘むとボワッと胞子が拡散する。
さて、いよいよ藤原岳山頂への最後の斜面にとりつく。ここが一番の強敵で且つ福寿草の群生地となる。コースが分かれていて斜面に向かって真っ正面に挑むコースと右側に逃げて岩稜地帯から登るコースがある。福寿草は真っ正面に多く自生しているが、ここはとにかくツルツルとよく滑る。雪解け後は歩けたもんじゃない。自信がない人は岩稜の方をお勧めする。数は少ないものの福寿草はちゃんとあるので大丈夫だ。
斜面のあちこちで福寿草を見つけるが、時期が早いのか蕾のものが多い。小さく花びらを開けているのがあったので写真に収める。きっと帰ってくる頃には太陽に向かって花びらを広げていることだろう。それを楽しみにひとまず山頂を目指す。
孫太尾根から登ると眺望が最高と書いたが、もう一つおすすめのポイントがある。それは登りきった瞬間に眼に飛び込んでくる広大なカルスト台地。眼下に広がるスケール感は半端ない。ここは日本か?と思うような不思議な風景だ。もちろん、表登山道コースから登ってもこの風景にはたどり着くが、一気に目に飛び込んでくるドラマティックな演出はこちらが上手だ。
山頂に立って御池岳方面を眺める。さすが鈴鹿山系で一番高いだけあって頂にはまだ雪を残している。伊吹方面の奥にも一際白い山塊が見える。白山と能郷白山か。あまりにもはっきりと近くに見えたので、最初、違う山かとさえ思ってしまった。
時間があるので、藤原小屋まで降りて、天狗岩まで目指す。天気が安定していて、風を遮れば、むしろ暖かいくらい。小屋から天狗岩までは登山というより天空の散歩コースのようで最高だ。山頂と登山口の往復で満足する方も多いが、ここも藤原岳の魅力の一つ。折角、登ってきたのであれば是非足を延ばして欲しい。
丘を越え、森を抜けて、岩稜地帯にたどり着いたら天狗岩。見晴らしがよく先ほど立っていた藤原岳の山頂が見える。実は、標高という意味では、天狗岩のほうが藤原岳の山頂よりも高い場所にある。
御池方面に歩けるだけ歩こうかという話もあったが、お腹が空いたということで小屋に戻ってお昼とする。
帰りはピストンで同じコースを辿る。予想通り下りの斜面では太陽を浴びで福寿草もしっかり花開いていた。福寿草はひまわりのように太陽を追いかけ、パラポラアンテナのように花の向きを変える性質を持っている。力強い黄色でエネルギーを沢山もらった。
丸山の手前で、節分草に混じって一輪、ヒロハノアマナを見つけた。同じ白い花びらなので見落としそうになったが、例えるならこちらの花弁はスタイリッシュなスカートか。
その他、少し早めのセリバオウレンも見つけた。結局、ミスミソウには逢えなかったものの、今年も沢山の花に出会えた藤原岳だった。
今年も素敵な風景と花を追い求めて、低い山から高い山まで、山に存分に駆け巡りたいものだ。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 花を見つけた瞬間、心が喜ぶのが分かりますね✿

  • 春だねー。雪も恋しいけど。
    春も心躍ります。

登った山

藤原岳

藤原岳

1,140m

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藤原岳 三重県 滋賀県

花とカレンフェルトの名山を縦走するロングコース

最適日数
日帰り
コースタイプ
縦走
歩行時間
6時間25分
難易度
★★★
コース定数
27
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