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近所の里山や谷戸の面影を訪ね歩く

高蔵寺 三輪の森 寺家ふるさとの森 寺家ふるさと村( 関東)

パーティ: 1人 (すてぱん さん )

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行程・コース

天候

登山口へのアクセス

その他
その他: 徒歩

この登山記録の行程

妙福寺・・・寺家ふるさと村・・・椙山神社

コース

総距離
約10.1km
累積標高差
上り約295m
下り約294m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

近所の里山、谷戸を訪ねて散歩。

昨年以来、自宅のリフォーム、二度の引越し、足の怪我、さらにはコロナ禍に伴う外出自粛要請など、もう満足な登山を半年余りもしていない。仕事も週に4日は在宅勤務だが、週末の晴れともなれば、外に出たくなる。買い物も憚られる中、山に行けるわけもなく、せめての気晴らしに近所を散歩。朝飯前なので、行き交う人もほとんどなく、たまに会う人も似たような出立で、言葉を交わすことがなくとも「ああ、あなたも同じようなことを考えたのですね」と思える。

普段なら、わざわざ出かけることもなかったであろう近所を、里山や谷戸の面影を探して歩いて見た。意外な歴史の堆積を発見したり、美しさや懐かしさを感じる。ご近所もなかなかの物じゃあないかと思えてくる。萌え出る新緑や草木に、コロナウィルス云々という人間さまの事情とは関係なく、今年も春が訪れたのだなとも思う。

けれども薄暗い曲がりくねった里山の道から、整然と区画されたやけに明るい新興住宅地に唐突に出たりすると、近年の新興住宅地が里山を削り、谷を埋めて作られ、連続的な歴史や農村の文化を塗りつぶし、何の脈絡もない風景を持ち込んだのだなという思いが不意に迫り上がってきた。瀟洒な住宅地や小綺麗な街路樹や庭の花々も、何だか急に薄っぺらいもののように感じられてしまう。考えてみれば、自宅の庭に植えている花や木も、この風土とは関係なく持ち込んできたものばかりだ。先ほど感じた「ご近所」への誇りのようなものも、なあんだ自分はそれを無遠慮に塗りつぶした側じゃあないかと思い至る。自分の立場の危うさ、居心地悪さを感じざるを得なかった。

とはいえ、歴史や文化は必ずしも連続的なものではない。古ければ良い、連続的ならば良いというものでもなかろう。これが今の自分のありようなのだと、腹を括るしかないのかな。

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フォトギャラリー:35枚

よく写っていないが、丹沢も綺麗に見えていた。いつまた登れるだろうか・・・

鶴見川沿いに降る。左右に削り残された丘の一つが、先日訪ねた高蔵寺

高蔵寺鶴川別院。元は正善寺だったものを明治時代に合併したものだとか

心惹かれる脇道発見。妙福寺に寄り道

ここも意外なほど(私が知らなかっただけだけど)立派なお寺

江戸時代の後期の鐘楼門などが残る。画面右手の祖師堂は桃山時代の遺構で、江戸時代の初期に池上本門寺から移築されたものと伝わる。

妙福寺を過ぎたあたりから、いよいよ緑が濃くなってくる。

たった今掘り出してきたという筍

鶯があちらこちらで盛んに鳴いている

舗装路を折れて「三輪の森」に分け入る

ちょっとした山道のようになり、ワクワクする

玉田谷戸横穴墓群

屋根型の天井構造を持つ全国的にも珍しいものなのだそうだ。

暗くて特徴的な梁や垂木などを模したという浮き彫りは目視できなかったが、写真が掲示してあった

縦横に踏み跡が伸びているが、どう行ってもどこかしらには出られそう

雑木の里山を抜けると、「寺家ふるさと村」の谷戸が見えてくる

コロナ騒動が治ったら、訪ねて見たい料亭

谷戸の脇にはこんもりした岡があるのだが、その中腹にお社やお寺が開かれている。ここでも鳥居が見えている。

この辺りは熊野神社や杉山(椙山)神社が多いが、ここは熊野神社

暦の上では立夏の「蛙始鳴(かわずはじめてなく)はもう少し先だが、谷戸ではカエルが盛んに鳴いている。田圃で聞くカエルの声というのも随分耳にしていなかった気がする。

町田市と横浜市の境で、北側に「三輪の森」、南側に「寺家ふるさとの森」が広がっている。

三輪の森ビジターセンター。コロナ騒動でトイレのみ利用可

椙山(すぎやま)神社。この辺りに杉山神社は多いが、ここは椙山と表記する珍しい例。

別の日に尋ねた、近所のお寺の様子。

奈良県桜井市の長谷寺に連なる高蔵寺。石楠花の花で有名なのだそうだ。町田市三輪の地名は、奈良の三輪山にこの辺りの丘の姿が似ているからだとも、そこから人々が移り住んだことに由来するとも言われる。

高蔵寺の石楠花

こちらは熊野神社。この辺りは熊野神社も複数存在する。

御神木のアカガシ

里山に何の脈絡もなく欧風の新興住宅地が広がる。何を塗りつぶして、何を作ったのか。善悪・好悪は別にして、これが近代史だ。私もそこに連なっている。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • すてぱんさん、こんばんは。

    この時期、家から歩いて里山や谷戸を巡ることができるのは素敵なことですね。

    最近、自宅待機の無聊を慰めようと、久し振りに「オオカミの護符」のDVDを見直したところでしたので、新興住宅地の景色が薄っぺらく見えてしまうというのも頷けます。
    舞台の宮前区土橋はご近所ですよね。そいえば、DVDにもタケノコが出てきましたよ。

  • ガバオ さん、コメントありがとうございます。

    バーチャルハイク、楽しく拝見しております。コメント差し上げたつもりだったのですが、どうやらうまくアップロードできなかったようで、失礼いたしました。秩父編にあった畠山重忠の墓には私も興味津々です。

    「狼の護符」にはDVDがあるのですね。本の中に紹介されていた記録映画でしょうか。何でもAmazonで売っているようなつもりになっていて、存在を知りませんでした。機会があったら、是非見たいと思います。

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