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東京西部の郊外にある我が家の周囲からは、丹沢や富士山が見えている。そこから北側に見える山並みは、位置関係からすれば奥多摩や秩父の山のはずである。けれども、これまで山座同定をきちんとやったことがなかった。
丹沢山塊と、奥多摩と思しき山並みの間に、以前から気になる「白い山」があった。隣家の屋根と屋根の間から遠く、わずかにのぞいているだけだし、よく晴れた日にしか見えない。その度にどの山だろう気になっていたのだが、いつもそれっきりだった。実は、南アルプスが見えているのではないか?という淡い思いはあった。それも我が家からである。山好きの端くれとしては、ワクワクする想像だったのである。
20年ぶりに我が家に戻り、いよいよ謎の「白い山」の正体が気になってきた。その上、外出自粛で登山はお預け。ちょうど良い機会ではないか。けれどもすでに5月の連休も終わりというタイミングで、果たして遠方の「白い山」が見えるだろうか?前夜の雷雨が上がり綺麗に晴れ上がった日、ダメ元で眺めてみたらあっさり見えている。
まずは、私のドタ感を整理してみる。第一に、「白い山」であること。秋が深まる前から、そして5月の連休を過ぎても、よく晴れた日には「白い山」が見えている。手前の丹沢や奥多摩などの山は黒く見えているのだから、冠雪している「白い山」の標高は明らかに2000mを大きく超えている筈だ。
第二は方位。「白い山」が見えるのは、我が家からほぼ真西である。地図を広げてみると、標高2000mを大きく超え、なおかつ我が家の真西にある山は・・・南アルプスの白根三山!おそらくは、間ノ岳と農鳥岳。けれども、この胸躍る答えは、ちょっと山好きには都合が良すぎて、人様になかなか言い出せなかった。(実は、以前投稿した散歩の記録には「南アルプスが見えている」と書き込んでいるのだが)
それに自宅から山が見えたところで、「だからどうしたの?」というのが、普通の人の反応だろう。けれどもヤマケイオンラインをご覧になるような方なら分かってくださるでしょ、この興奮。やはり分かっていただけないかしら・・・?
ともあれ、今回はDAN杉本氏が開発したiPhoneのアプリ「スーパー地形」を使ってみた。非常に機能が豊富で、正直使いこなせていない。この素晴らしいアプリの「見通し判定機能」を使って、謎の白い山の正体に迫ってみたのだが、果たしてその結果は・・・・?
ちなみに「見通し判定機能」を使って調べてみると、我が家からは箱根、丹沢、富士山はもとより、この他にも金峰山、大菩薩嶺、雲取山、大岳山、高尾山、陣場山、草戸山、武甲山、三ツ峠山、さらには日光男体山、房総半島の伊予ヶ岳や富山なども見えるという判定になった。家が立ち並ぶ住宅地のこと、地形的に見えるはずでも、実際に見えるかどうかは別の話だが、どうやら我が家は想像を遥かに超える大展望台らしいと分かって、嬉しく思った次第。ああ、リフォームの際にチラリと妄想した、屋根の上の展望台、やっぱり真面目に考えるべきだったかな・・。
(追記)
パノラマ展望図の表示方法を、写真で説明してみましたので、参考にしてみてください。あなたの家からも、憧れのあの山が見えているかもしれませんよ。それから、地図を動かして十字をお好みの場所に合わせれば、その場所からのパノラマも同様にみることができます。例えば、槍ヶ岳山頂からのパノラマとか、お手の物です。DAN杉本さん、素晴らしいアプリをありがとう!
フォトギャラリー:9枚
自宅から見えている「白い山」の正体がついに判明!?
秋が深まる前から、そして5月の連休を過ぎても、よく晴れた日には白い山が見えている。丹沢や奥多摩などの山が黒く見えているのだから、標高も相当高い筈だ。
方位などからすると、どうやら南アルプスの間ノ岳と農鳥岳なのだが・・・
DAN杉本氏が開発したiPhoneのアプリ「スーパー地形」を使って検証してみる。
「見通し判定機能」を使ってみると、見事、間ノ岳も農鳥岳も「見えます」という判定結果に。
東京西部の郊外の我が家から一直線に、相模川(上流域では桂川)が中央線沿いに関東山地を穿った細い「窓」を抜け、笹子峠を越え、甲府盆地を過ぎたその先に間ノ岳がある!
こちらは「パノラマ展望図」機能で作成した、理屈の上で見えるはずのパノラマ
南アルプスが見えているあたりを拡大したもの
こちらは自宅近くからのぞむ丹沢山塊。ちょうど蛭ヶ岳の向こう側に、頭だけ富士山が見える。
パノラマ展望図の表示方法を示してみます。
アプリを起動したら、今いる場所の周辺地図が表示されますから、あとは、写真に示した手順でやってみてください。
地図中央の十字の点から見えるパノラマが表示されますから、今自分のいるところに合わせるには、右上の丸十字のアイコンをタップ。
次に、画面下の「ツール」をタップ。
すると、メニューが出ますから、「パノラマ展望図作成」を選んでタップ