登山記録詳細
無雪期登山
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水かけ祭り開催中! お馬を連れて秋田駒
秋田駒ヶ岳(東北)
この登山記録の行程
中生保内登山口0548……0656御坪分岐0656……0801水沢分岐0801……0815五百羅漢0815……0851男岳0858……0920阿弥陀池0924……0937男女岳0952……1002阿弥陀池避難小屋1008……1022横岳1024……1050大焼砂分岐1050……1106第二展望台1106……1130横長根1130……1150県境標柱1151……1203御坪分岐1203……1243中生保内登山口
中生保内登山口から秋田駒ヶ岳を周回してきました。
前日の藤里駒ヶ岳から夜の内に登山口に移動しましたが、夜半から明け方まで結構な雨。山行開始の5時半には上がりましたが、この雨をもって主に笹軍団が水かけ祭りを催行してくれました。
いやもうなんか、連中はしゃぎおって!
おもてなしにも程がありましたよ。
中生保内登山口は旧三合目とのことですが、前夜からの雨もあってか駐車場には終日自分の車一台でした。
北桧木内川上流に沿ってまずは稜線の分岐を目指します。
秋田駒は今や八合目から登るのが主流の様ですが、だとしますと尚更こちらには人は回ってこないかも知れません。
それもあってか、踏跡はしっかりしているのですが、登山道の上を容赦なく笹や雑草、灌木が覆い隠していました。
最初の内は秋田杉ほかがそびえ立つ良い道だったのですが、すぐに草を踏み分けながら道を探す様な登山道になってきました。
斜面としての難易度は高くありませんが、笹の葉などの蓄えられた雨水をかき分けて行きますので、とにかくズボンをびしょ濡れにされました。
トラバースする様な道も、山側から笹が手を伸ばしています。
でもそれを嫌がると、谷側の路肩は雨のせいか弱くなっており危険でした。
と言うことで笹に歯向かいながら歩かなくてはならず、ズボン改め全身がびしょびしょになるにも、そう時間は要しませんでした。
ですが途中で織り交ぜられる渓流に癒されながら、何とか分岐まで到着。
ここに登る頃には眼下に田沢湖も広がり、青空も顔を出し始めました。
登山靴の中も結構な水分。登山靴自体は頑張って水を弾いていたと思いますが、ズボンからタイツ、靴下を経由して染み込んでいったのでしょうね。
後の祭りではありましたが、下半身だけでも雨具履いていった方が良かったかも知れません。まあ、それはそれでやぶ漕ぎでかぎ裂きなんかを作ってしまったかも知れませんけどね。
御坪分岐からは時計回りに男岳を目指しました。
金十郎長根という名前だそうですが、こちらも道がはっきりしている部分と草木に覆い隠されて探して歩く部分が混在していました。
水沢分岐を越える頃には森林限界も超えてましたが、相変わらず足元への水分補給は継続中で、見え隠れするお日さまに本気で乾かして!と祈りましたよ。
とにかく風がなかったのが幸いでした。
もし少しでも吹いていたら、別の心配が必要になったでしょうね。
それでも露岩が出始める事には晴れました。
文字の読めない標柱を越えていよいよ五百羅漢でしたが、さすがに道はカルデラ内側に巻いていました。
岩本体に挑んでも良かったかなと思いましたが、現地での自分の判断は
・今日はガチャ物は最低限しか持ってきていない。
・雨上がり。
・自分も靴は泥だらけ、手袋も水浸し。
ということもあって、おとなしく眺めるに留めることにしました。
でも間近から見上げた岩は、なかなかの迫力でした。
稜線歩きも高度が上がってくると、見える風景が変わってきます。
角度が変わると見えなかった池も見えてきます。
最終的には「お鉢巡り」の様に一周した訳ですが、この御坪分岐から男岳の稜線が一番わくわくしながら進んだ箇所でした。
草木の刈り込みをもう少しお願いしたいかなとは思いましたが、今回のルートではこの部分間違いなく一番の部分でした。
男岳への登りはいかにもな火山の山肌でした。
ロープも何本か用意され、ザレている箇所も超えて登って行きます。
9時前に山頂に到着。青空に何種類もの雲が漂う良い天気になりました。
お日さまパワーも素晴らしく、概ね上半身は乾きました。
働いてるぞ瑞牆山荘Tシャツ!
ここで水分補給と行動食を少しもぐもぐし、阿弥陀池を目指して下山開始すると、本日初めて他の登山客の方とお会いしました。
何でも群馬・栃木・福島・宮城と、車で移動しながら二週間山を渡り登っているとのこと。
自分なぞ、運転もあって二日連続でくたくたです。
天気の悪い日もあったでしょうに、凄いバイタリティだと思いました。
阿弥陀池から先はメジャーコースなのか、平日とは言えそこそこ他にも登山客を見かけました。
男女岳を往復し秋田駒最高峰を踏み、避難小屋を探索した後、横岳に登ります。
大砂焼を越えて横長根に入り、少しずつ高度を下げて行きます。
横岳から横長根の整備は、主に岩手県側の仕事なのでしょうか。こちらは整備が行き届いていました。
国見温泉から入るルートも多いみたいですから、人気度と整備度が比例しているのかも知れませんね。
ぐるっと回って御坪分岐に戻ってきましたが、さあ神経を使う中生保内への下山開始です。
とは言え登りで一度は通った道です。お日さまパワーに草の葉の雨水も軒並み乾いており、また登りに顔面で100は下らない数のクモの巣を先んじて破壊して進んだこともあり、思ったよりは楽に歩けました。
でも登りはクモの巣にも、本当に難儀しました。
彼ら・彼女らからすると、雨上がりのお天気が見込まれる朝に折角せっせと巣を張ったのに、得体の知れないおっさんが片っ端から壊して行くんですから、迷惑だったのは彼らの方が数倍上ですね。本当に申し訳なかったです。
でも20m~30m進む毎にクモの巣が顔に張り付いて、その度にタオルで顔を拭いて進むのも大変だったんだよ。
知ったことかって?
残念なことに、降りでもいくつか顔面で破壊してしまいました。
上りおっさんに壊されたと思ったら、下りおっさんにも破壊されたクモもいたことでしょう。
本当にごめんね……。
12時半過ぎに無事下山。
気温もかなり上がってきており、空には入道雲が育っていました。
今回は秋田駒のクラシックルートと現在のメジャールートを混合した形で歩いた感がありましたが、終わってみると道がどうの、雨露がこうのなんて話は微々たるものでした。
帰宅して写真を整理してみると、本当に男岳・女岳・男女岳・小岳と言った山の写真が大半なんです。
普段ならもう少し道の状況を記録として撮影してくるのですが、どれだけ自分が広がった秋田駒の山容に舞い上がっていたか分かります。
登山客からすれば登り堪えが今ひとつの山かも知れませんが、ランドスケープは圧巻でした。
むしろハイカーや家族連れが「お山とはこういうものなのだ!」と基準点にしてしまわないか、心配になる程でした。
願わくば、中生保内からのコースも素晴らしかったので、刈り込みをお願いしたいです。
無論、折からの豪雨・高温で草木が一気に育ってしまったのだとは思いますが。
ともあれ、素晴らしいお山でした。
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二日目の秋田駒も、出発前の予報では曇り時々雨でしたので、小雨でも歩ければいいかな、程度で計画していました。
ところが望外の好天に恵まれましたので足取りも軽く(実際は塹壕足寸前の、歩く度にじゅぼじゅぼ音を立てる足回りでしたが)、予定より早く下山できました。
となれば、行ってみるしかあるまい乳頭温泉!です。
一時期盛岡に住んでいたこともありますので、行こうと思えば行けたはずなんです。
ところが当時はまだ「日帰り温泉」という文化がなく、指折りの秘湯とは言え、宿泊代までかけて浸かりに行くまでの熱意は持てませんでした。
貧乏な若者でしたしね。
ところが今や日帰り入浴文化が全盛。ありがたい話です。
今回は黒湯温泉に行ってみました。
内湯はまたもや貸し切り状態。温度もやや高めで、熱い風呂好きな自分にはうれしかったです。
因みに混浴の露天風呂にも行ってみましたが、自分の他におじさんがひとりいるだけでした。
ごめんねおじさん。
でもそんなに期待もしてなかったでしょ?
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今回の山歩きはここで終了となりました。
実は三日目も企画していて、しかも三か所候補を挙げてあったのですが、登山口に入って天気図とにらめっこするに、どうにも午前の天気が良くなさそうに思えました。
天気予報でも秋田は午前中雨。
でもお山は午前中に終えて、その後は帰路につかないといけません。
21時過ぎまで車の中で考えましたが、とりあえず第一候補の秋田のお山は諦めました。
その足で第2候補の山形のお山の登山口に向かいましたが、こちらも道中ずっと雨。
第3候補に至っては、太平洋側に属するためか、大雨予報でしたので初めから無理でした。
どこも「午後から雨」ならまだ良かったのですが、帰りの運転時間も考えますと後ろ倒しは厳しかったです。
山形市まで走らせたところで、三日目の計画の中止を決め、そのまま帰路につきました。
途中2回の仮眠を挟み、12日の10時過ぎに帰宅しました。
そのまま各候補の降雨状況を調べてみましたが、結論からすると3か所ともほとんど降雨はなかった模様です。
ありゃ。
無論行けば行けたかも知れませんが、それでも帰って来たことは正解だったと思いました。
いやもう運転疲れました。
嫌いじゃないですが、家を出発してから帰宅まで60時間の旅中、30時間は運転しっぱなしでしたから、ここにもう7時間山行を加えていたらもっとへろへろになっていたことでしょう。
3候補は、いずれもまた縁があったらですね。
計画は残しておくからね!
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でも、思った以上に天気に恵まれた良い山旅でした。
酒やおいしいものとは無縁な山行ばかりですが、
昭和の若者みたいな、チカラ技みたいな旅が好きなんです。
登山も基本、チカラ技ですしね。
ここまで遠方はアレですが、また渡り歩きは企画したいですね。
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(追記)
中生保内登山口が旧三合目と言うのは、林道がそこまで伸びたからとのことでした。
また女岳の噴火で当初の参道(中生保内コース)が変更になったとの情報もありましたが、白滝へ行けない理由もそこにあるのでしょうか?
中生保内登山口への標識は、むしろ「白滝こっち」という案内が多かった気がするのですが、中生保内コース内に白滝へ行ける分岐は見当たらなかったと思います。
昔は行けたのでしょうか??
それとも「白滝」とは北桧木内川上流の総称だったりするのでしょうか??
少し調べてみます。
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(追記2)
中生保内から金十郎長根コースは、どうやら昔から「やぶ漕ぎ」「ずぶ濡れ」必須のコースみたいでした。
確かに今回は前夜までの降雨もありましたが、他の方の記録を読んでも、皆さん一様に朝露でずぶ濡れになっていました。
と言う事で、このルートを早朝から歩くときは、初めから丈夫な雨具着用が望ましいかも知れません。
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(追記3)
中生保内登山口にはひと晩お世話になりましたのでゴミ拾いをしたのですが、
一番多かったのがプルタブでした。30個は拾いました。
これは平成元年には廃止されていると思いますので、その頃からのものでしょう。
また、その頃にはここも賑わっていたのでしょう。
でも次いで多かったのが錠剤のガラ。高血圧の薬や尿酸値の薬など、自分も知った薬のガラが本当に多かったです。
これが同じ30年ちょっと前から残っているとも思えず、また中高年御用達の薬であることから、割と近年、ここで飲んで捨ててってないか?疑惑がひしひしと。
うっかり落としそうなゴミほど、意識して持ち帰りたいものです。
- この山行での装備
-
長袖シャツ、Tシャツ・アンダーウェア、パンツ、靴下、雨具・レインウェア、登山靴・トレッキングシューズ、ザック、防水スタッフバック、スパッツ、ゲイター、水筒・テルモス、ヘッドライト(+予備電池)、タオル、防寒着、グローブ、手袋、軍手、着替え、地図(地形図・ルート図)、コンパス、メモ帳・筆記用具、腕時計、カメラ、登山計画書(控え)、ナイフ、修理用具、ツエルト、健康保険証、ホイッスル、ファーストエイド・医療品、虫除け・防虫薬品類、ロールペーパー、非常食、行動食、テーピングテープ、トレッキングポール、マット(個人用)、燃料、ライター、カップ、コッヘル、カトラリー・武器、ローソク・ランタン |
【その他】 予備ヘッドライト、モバイルバッテリー、アマチュア無線機、風力計、カラビナ、スリング、シットハーネス、ATC、クイックドロー、細引き
※熊ベルの他、車で干していた帽子も忘れました……。 |
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