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森林鉄道廃線跡から鐘ケ龍森へ(ヤマケイ「日本の山」)

鐘ケ龍森(馬路村と北川村界)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れ時々曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 北川村長山の国道493号の西谷橋南袂から県道206号に折れる。
落合橋西袂で東の村道に折れる。295m独標点のやや北方で村道は西谷林道に変わる。
林道本線と支線との分岐は、支線の方、宗ノ上川沿いの西谷11林道を行く。その終点広場に駐車。

この登山記録の行程

西谷11林道終点(50分ほど)上段の廃線跡(10分)西谷林道本線(12分)林道終点(14分)稜線のコル(38分)山頂(26分)コル(17分)林道終点(12分)上段の廃線跡(29分)西谷11林道終点

コース

総距離
約5.4km
累積標高差
上り約621m
下り約621m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

[私見]
鐘ケ龍森(1125.5m)は、ヤマケイ「日本の山」の高知県の山の内、最もマイナーな全山植林山である。近年は東と南に林道が造成され、地形図を見る限りでは短時間で登頂できるように思われるかも知れないが、両方の林道共、麓近くにゲートがあるため、森林管理署が許可しない限り、登山口まで車で行くことはできない。
そこで当方が二日間かけて徹底的に山腹を調べ、林道歩きが最も少ない、森林鉄道廃線跡からのルートを見出した。前半、踏み跡は不明瞭だが、尾根が明確なので、最低限の読図を行えば登頂できる。

[山の概要]
安芸山地(徳島県側での呼称は海部山系)に属する国有林の植林山で、標高が高い箇所は笹やスズタケが密生しているが、天然の檜の大木や白骨樹もいくつか見られる。
山頂からの展望はないものの、空が開けているため明るい。
山の西方と南方には戦時末期から昭和半ば過ぎ頃まで、それぞれインクラインを擁する魚梁瀬森林鉄道の支線が運行されており、林業が盛んだった。
登山路は「日本山嶽志」には北川村の久江ノ上からのものが記述されているが、昭和後期の三角点の再測量時は、馬路村側の721m独標点下から尾根を辿るルートが取られた。
近年は山の東と南に林道が延伸されたが、両方共、麓近くにゲートがあるため、前述の廃線跡から尾根を辿るルート等が登り易くなっている。

[コース]
西谷11林道終点広場手前の橋の東袂から、道はないが宗ノ上川沿いの樹林の中に入ると、すぐ東の斜面がガレ場になる。このガレ場を適当に上がれば作業道のような横道に出るが、これは昭和18年から40年まで運行されていた魚梁瀬森林鉄道西谷線の廃線跡である。西谷線の起点は、国道493号と県道206号との分岐点であり、西谷川沿いや宗ノ上川沿いの所々に廃線跡が残っており、コンクリートの陸橋や木造橋、素掘り隧道(四国最大級)等がそのまま佇んでいる。

廃線跡を北に進むと、ほどなくして藪っぽい中低木帯に出るが、枝々の下をくぐってそこを抜け出すと、沢から溢れた水によって廃線跡は水没している。と、言っても雨後でない限り、短靴でも通行可。よく見ると枕木が水没しているのが分かる。
その先は宗ノ上川の支流の沢が流れているが、この手前辺りから廃線跡はインクラインによって上段の廃線跡へと上がっていた。
そこでまず沢を渡渉する。枯れた大木上、東側の斜面の岩場を注視して戴きたい。岩盤に錆び付いた円い鉄製の看板が貼り付けられている。ここが西谷山国有林9林班と12林班との境界道の上り口である。但し、踏み跡は微かにしか残っていない。それでも深い藪はないので、地形さえ把握すれば容易く登ることができる。

そのルートは最初、境界尾根のやや南下を走り、やがて沢沿いを遡る。その内、道跡は横道に出るが、ルートとその横道との合流点付近は不明瞭だったかも知れない。合流点を見出せなくても、地形を見ればそこから上は急傾斜になっているため、南西へトラバースせざるを得ない。南西へ進むとすぐ明瞭な道になる。
横道は林班境界尾根に乗るので、その尾根を上がる。
上部で藪っぽくなれば、急勾配だが、東の植林伐採跡沿いを登れば良い。この伐採跡は、まるで木材運搬の架線を設置するために伐採したように、細長く延々と続いている。

伐採跡は伐採倒木群の箇所で終わるが、その西側を探ると境界尾根に向かう踏み跡がある。そこからは森林管理署が付けたピンクのマーキングテープが先導してくれる。
尾根上を辿って行くと、インクラインで高度を上げた上段の廃線跡に出る。そこからも廃線跡を横断して尾根を登るが、時間があれば廃線跡を東から南へと歩いてみると良い。橋台や枕木が一部残っているほか、南方から西に張り出した尾根の箇所には、インクラインの制御装置である制動機や、宙吊りになったレールも残っている。

廃線跡から上の境界尾根は、西谷林道本線が近づくと踏み跡が不明瞭になり、大きな石だらけのガレ場になる。このガレ場の上が林道である。
林道の西寄りにある863.8m三角点を過ぎるとほどなく林道終点で、そこから植林帯に向けて踏み跡が続いている。この踏み跡は1017mピーク北のコルへ上がっている。その辺りの稜線の幅は狭く、東西両方の谷に切れ落ちていることもあり、風の通り道になっている。この稜線上は国有林と民有林との境界であるため、境界道が整備されている(登山者のためではない)。
国有林側は植林、民有林側は雑木になっている箇所が多いが、上部に行けば笹が出てくる。

山頂東のピークには「境四〇九号」の古いタイプの境界目出し標石が傾いて立っている。ここから山頂までは境界ではないので、道の整備はあまりされていないが、笹の藪化は辛うじて免れている。
一旦下って、再び登った植林帯の天辺が山頂である。展望はないが、空一面開けており、気持ちがいい。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア 登山靴
バックパック 水筒・テルモス ヘッドランプ 帽子 グローブ 着替え
地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ ナイフ

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登った山

鐘ヶ龍森

鐘ヶ龍森

1,126m

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