• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

仁淀の岳人未踏千m級峰・袴の腰

袴の腰・三方山(仁淀川町)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 仁淀川町橘の国道33号から南に別枝大橋へ折れ、橋の南袂の東方のY字路を南東へ上がる。以後の分岐では太田方面の道路標識に従う。集落を過ぎた道路の終点が登山口だが、そこは私有地と公有地との境界が判然としない。故に引き返してカーブ手前の路肩に駐車した。

この登山記録の行程

駐車場所10:45・・・取水地の渡渉地点10:57・・・標高720mの林道三叉路11:15・・・862m独標点直下の尾根に乗った地点で休止11:40~11:57・・・袴の腰山頂で休止12:40~12:48・・・1084m峰13:01・・・三方山で休止13:33~13:58・・・標高720mの林道三叉路15:16・・・往路、最初に林道へ出た地点15:09・・・駐車場所15:43

コース

総距離
約7.9km
累積標高差
上り約793m
下り約797m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

[富士山型秘峰から三方山へ]
「袴腰山」や「袴腰岳」という山名は北日本に比較的多く見られるが、その山容は皆、台形で、富士山型よりは幾分、山頂下の斜面の傾斜がきつくなっている。つまり、富士山型山容よりは縦長の山容。
四国にもこの山名の山はあるが、高知県仁淀川町旧仁淀村の標高1020mの「袴の腰」は登山者間では全く知られておらず、ネット検索でもヒットしない。が、地元では有名で、麓のどの集落から見ても台形の山容をしていると言われている。

一方、尾根続きの三方山(1146.8m)は、南の林道から登れば(三角点再測量コース)、超短時間で登頂できてしまうが、一部の登山者間では西方の1084m峰を「三方西峰」と名付け、三方山間を往復しているようである。
袴の腰はほぼ全山植林山だが、1084m峰から三方山までは岩尾根で、所々シャクナゲが群生している。
山頂からの展望は袴の腰がごく一部なのに対し、三方山は南側に大きく開けている。

未確認だが、太田集落を過ぎて最初の右ヘアピンカーブから南に分岐する林道が、稜線まで延びている林道ではないかと思われる。但し、入口に通行禁止バーが設置されていることから、途中で土砂崩れや路面陥没を起こしている可能性がある。方向転換ができないこともあり得るので、車での通行はしない方が良い。
尚、該当の地形図「柳井川」は、平成3年以降、更新発行されてないので、林道や太田集落から先の道路は記載されていない。

[コース]
町道は太田集落を過ぎて樹林の中に入ると、杉檜の落ち葉が路面を覆うようになり、終点には貯水槽と「中田」という表札がかかった造林作業小屋のような建物がある。貯水槽の側は駐車していいかも知れないが、中田氏の私有地である可能性もあるため、車を方向転換してカーブ北の路肩に駐車した。

建物の西側から北の植林帯に歩道が延びているが、これが登山道である。
道は沢を鉄製橋で渡ると三叉路になる。本道は直進の道で、これが地形図に記載されている破線であろうと思われるが、そこは左折して支道を上がる。
谷の左岸を遡行する道はやがて、取水地側で対岸に渡り、尾根を南に横断する。元々の登山道は、渡渉後、南西へ上がっていたが、分岐らしい箇所は見当たらなかったため、南方に林道が造成されて以降、廃れたのだろう。

林道はくねくねとカーブと分岐を繰り返しながら上がって行き、尾根の形も不明瞭のため、現在地の把握も容易ではないが、適当に林道と歩道を選び、上がって行く。林道沿いを登山道が並行して走っている箇所もある。
やがて再び林道から歩道に上がり、南西に進んで行くと林道の三差路東側に出た。ここは標高720m、二重山稜南のコルである。ここからコル南の稜線に上がっても良かったのだが、ここでも林道造成後、登山道が廃れている可能性があるため、稜線の東方を並行する林道を進んだ。
ほどなくしての三差路は直進。が、こちらの林道は支道だったようで、何分か進むと途切れてしまった。そこでそこから急勾配の支尾根を上がった。
上部は特に急登で、這い上がるように登ったが、また南北に走る林道に出た。ここは当然南に進む。

ほどなく、林道が稜線に接したので稜線に上がり、それ以降、尾根上を進む。この時は分からなかったが、帰路、ここは862m独標点東直下だったことが分かった。
尾根道には所々松もあり、杉檜の落ち葉に混じって松の落ち葉も見られる。
862m南のコル周辺は広くなっており、尾根を若干西に逸れた模様で、東に斜面を上がって再度尾根に乗る。
尾根に乗ると数分も経ずして864.6mの四等三角点が東側の植林帯に現れた。地形図には尾根の真ん中に記載されているが、実際はやや東寄りの植林の木の下に隠れるように佇んでいる。そのため、危うく通り過ぎるところだったが、ここで高度計を修正する。

標高990mの尾根の分岐地点は、明確に尾根が分岐しているものと思っていたが、西に延びる支尾根は見た目には気付かなかった。尾根道が緩やかな左カーブを描くだけである。
そのため、呆気なく袴の腰山頂に到る。山頂部は何十メートルにも亘って延びる痩せ尾根のため、明確な山頂部を比定しづらい。そしてコース中、最も藪化している。と言っても藪漕ぎするほどの密生度ではないが。
南寄りの尾根が特に痩せている箇所から、三方山の北に派生する尾根越しに遠方の山並みを望むことができる。
山上の南端は切れ落ちたようになっており、前方に急峻な1084m峰が立ちはだかっているので、読図が苦手な者もここにくれば現在地を同定できるはずである。

一応、踏み跡は付いているものの、急勾配の地面が凍結しているため、滑り易い。軽アイゼンを用意していた方がいいだろう。
1084m峰東方のコル手前は、稜線に踏み跡がなかったため、一旦、北東に下った後、南にトラバースしたが、この判断は誤りだった。帰路、非常に薄いが、稜線に踏み跡があることが分かったのである。そのため、往路は何分か余分な時間を費やしてしまった。
稜線は岩尾根でシャクナゲもあるため、初夏には麗美なピンクを拝めるだろう。
三方山山頂は点の記に記されていたように、三角点の北側に祠がある。山頂からの展望はないが、南の展望岩からは視界一杯に鳥形山が広がっている。
鳥形山は県最大の石灰鉱山だが、昭和40年代半ばまでは、高岡郡屈指の名峰として名高く、標高は今より百数十メートル以上高く、1459.4mだった。山名の名付け親は安徳帝である。現在の地形図を見ても、採石されているとは言え、白鳥が羽ばたいているような形状の山容をしていることが分かる。

復路は864.6m三角点から忠実に尾根を下ってコルに出た後、尾根の東下に踏み跡が付いていたので辿ると、往路の林道が接した地点のやや南に合流した。そして862mピークの北のピークの北側からは、林道を串刺しするように尾根を辿り、720mのコルの林道三叉路からは、元来た道を下って行った。
尚、720mのコルの林道三叉路付近のコース図は、往路について、作図を失敗してしまった。本当は修正したいが、部分修正がややこしいため、そのままにしている。

余談だが、拙著の二冊の無名峰登山ガイドブックは、このような岳人未踏の山を含め、収録山の過半数が、地形図に山名表記のない山である。収録山一覧は→http://ameblo.jp/kochi-romp/entry-10996062731.html

続きを読む

フォトギャラリー:20枚

すべての写真を見る

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア
登山靴 バックパック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ 帽子
グローブ 地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ
ナイフ

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登山計画を立てる