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絶対分からない登山口・葛原山

葛原山(いの町)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 旧本川村葛原の国道194号・本川トンネル南口の三差路に、稲叢山方向を示す大きな道路標識が建っているが、その南に県土木事務所本川補修班基地の建物がある。その国道を挟んだ南西の広場に駐車する。「火の用心」と書かれた住友林業の横長の看板がある所。

この登山記録の行程

取水管理道入口11:36・・・正規の登山道12:27・・・稜線の三差路12:58~13:00・・・山頂で休止13:15~14:09・・・稜線の三差路14:17・・・往路の登山道合流地点14:40・・・取水管理道入口15:15

コース

総距離
約3.0km
累積標高差
上り約429m
下り約429m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

葛原(かずらわら)山(1013m)は吉野川を堰き止めた大橋ダム湖の西方にそそり立つ山で、藩政期は御留山として藩が管理していた。当時の樹種は桧、モミ、栂、五葉松が主だったが、現在は殆どが杉・桧の植林帯になっている。
今回の山行では国有林は通らないが、稜線から北側には所々自然林が残る。
山頂からの展望は悪いが、すぐ東の稜線からは東から南東方向に展望が開け、眼下には大橋貯水池(ダム湖)、南東方向には峨々たる山容の稲叢山(1506.2m)を始め、去年の師走に紹介した戸中山から栃ケトロ山にかけての稜線も遠望することができる。

このマイナー山を登ろうとするピークハンターらは、旧本川村時代の三角点再測量コース(現在の点の記のコースは未確認)である、名の谷林道終点(一般車通行禁止)付近から尾根を登るルートを取っているものと思われるが、そのルートは藪漕ぎを要する模様。が、この山には非常に登り易い、藪のないコースが存在する。当方は十数年前(ガイド書製作時期)、地元民から「生コン工場(本川トンネル南口三叉路)付近に共同アンテナ(稜線にあるものと思われる)巡視路の登山口がある」との情報を得ていたが、その周辺には吉野川支流の取水地管理道しか見当たらなかった。それもそのはずで、今回の復路の下山時、初めて分かったことだが、そのコースの登山口は生コン工場の敷地内にあったのである。但し、山自体は生コン会社の所有ではないため、敷地内通行は許される(念のため登山時には事務所に連絡を)。

[コース]
取水管理道入口には住友林業の看板がかかっているので、取水地周辺の山林の地権者若しくは管理者はその企業なのだろう。
沢沿いを進むと滝状の流れがあり、その横に設置された木製の梯子は朽ちて崩れている。が、梯子の横を上がれるようになっている。上がった箇所の奥には取水地である無名の滝が懸かっており、そこで管理道は途絶える。そこで北側の斜面を這い上がり、尾根に出ることにした。植林帯の下草が若干藪っぽい所はあるものの、藪漕ぎをすることはない。
尾根も若干藪っぽいものの、うっすらと踏み跡もある。が、上るに連れ、尾根の幅が広くなり、踏み跡も判然としなくなる。
それでも北側の尾根との合流地点から上はまた尾根の形が明確になる。
進路の先が崖になった岩の浅い切通し状の箇所に来ると、その南側の幅の狭い岩尾根上を歩く。

そこからほどなくして、尾根を北から南に横断して回り込むきれいな登山道に出た。これが以前、地域民が言っていた共同アンテナ巡視路だろう。ただ、道沿いは植林のため、住友林業関係者が歩く方の頻度が圧倒的に多いだろう。
巡視路は尾根の下方の山肌を伝い、地形図で岩マークがある谷まで進み、そこから斜面をトラバース気味に上がって行く。
北東にトラバースして行って植林帯を一旦抜け出るとガレ場に出るが、その進路のまま岩石群を乗り越すと再び踏み跡が現れ、植林帯に再突入する。

道が緩やかな上りで北西方向へ一直線に進むようになると、稜線は近い。
稜線に出た地点は三叉路になっていた。共同アンテナは山頂とは逆方向の稜線上にあるものと思われる。
山頂方向の稜線南直下には巨岩がある。往路は巨岩上の尾根を歩いたが、復路、巨岩下に踏み跡があることが分かった。その踏み跡を歩いた方が楽である。
一応、チェーンアイゼンをザックに入れていたが、雪はパウダースノーだから、アイゼンは不要。

山頂のすぐ手前に展望が開けた地がある。南東奥に見える稲叢山はどの方角見ても峨々たる岩山の山容をしている。余談だが稲叢山は岩崎元郎氏が選定した「新・日本百名山」に入れられている。彼が来高(「高知県に来る」意)時の講演で、「新・日本百名山」はあまり知られていない山を広く知って貰うために選定した旨を語ったから、私が岩崎氏に「稲叢山のような目をつぶっても登れるメジャー山は、県下の登山愛好家は全員知っているから、本当にマイナーで且つ、展望等が優れた山を紹介した方が意義深く、登山界への貢献度も高いのではないか」と意見した。岩崎氏の答えは「全国的には知られていないから」というものだった。しかしこれはナンセンスである。というのは、稲叢山は全国に流通しているヤマケイの分県登山ガイドに掲載されているから、全国の登山愛好家が稲叢山のことを知るのは容易である。容易で安易な登山普及活動やガイドブック出版は、「100%営利目的」と受け取られても仕方ないだろう。

葛原山山頂は細長い尾根上にあり、特に三角点周囲が広くなっている訳でもなく、山頂の風情はあまりないが、高木がなく、空が開けていたため、開放感があり、それなりの高度感も感じられる。
自治体が合併後に三角点の再測量が行われた模様で、レジェンド、MH2氏その他の登頂記念板は皆、撤去されている。
復路は共同アンテナ巡視路を下山するが、往路の合流地点から先は踏み跡が狭く、薄くなっている部分が多くなる。
植林の斜面を、ジグザグを繰り返しながら下りて行き、ガレた谷を渡った先、積雪のせいかも知れないが、踏み跡が不明瞭になっている。そこは谷の左岸を下るようになっていたと思う。以後、しばらく下った後、谷を右岸に渡り直し、下方で再び左岸に戻る。

右手に無名の滝が現れると、踏み跡は割れ目のある巨岩下方を急角度で下る。この滝も取水地になっているようである。
そこからは本川トンネル上を越え、生コン工場敷地上方の水槽前に来る。が、そこは崖状になっており、見たこともないような超急勾配の鉄板の階段が下りている。手摺がもしなければ足がすくむような、垂直に近い傾斜である。
階段を下り終えると擁壁上に出て、そこからは手摺のない簡易な足場を垂直に下りる。
ここに登山口があるためか、敷地外へ出る箇所に門やゲートはない。

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装備・携行品

シャツ アンダーウェア ダウン・化繊綿ウェア ロングパンツ 靴下 登山靴
バックパック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ 帽子 グローブ
地図 コンパス ノート・筆記用具 腕時計 カメラ ナイフ
アウターウェア オーバーパンツ アイゼン

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