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超狭い山頂・沢を遡行する道なき新倉山

新倉山(仁淀川町と久万高原町界)( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 国道33号で高知県から愛媛県に入り、最初に左手に現れる橋・休場橋を渡る。渡った所の三差路は左折。
秋葉トンネルを抜けて再び高知県に入り直し、サガノ橋からは岩屋川沿いを遡る。
大引割橋の少々手前のY字路で、右の狭い道路に入る。
集落を過ぎた先の右ヘアピンカーブの三差路で「生芋」の道標を見て、そちらに左折。
廃村・生芋(せいそう)最奥の民家(廃屋)上の車両待避所に駐車。

この登山記録の行程

駐車場所12:05・・・小屋の上の林道12:37・・・沢で休止13:22~13:34・・・稜線14:05・・・山頂で休止14:10~14:41・・・稜線から下る踏み跡を探す14:46~14:57・・・一番上の林道15:06・・・高度計高度885m地点の林道三叉路15:29・・・小屋上の分岐15:36・・・大規模林道15:44・・・駐車場所15:56

コース

総距離
約2.9km
累積標高差
上り約476m
下り約476m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

四国カルストの東端、天狗高原(天狗ノ森1484.9m)から北に派生する県境尾根は正木の森(図根点高度1374.7m)から北東に向きを変えるが、その先の猪伏越のすぐ北東にあるのが新倉山(しんくらやま・1096.8m)である。全山植林で、上方はスズタケが藪化しており、恐らく稜線(正木の森と1120m峰とのコル辺りか)まで林道が延びているものと思われる。但し、林道は途中、崩壊箇所がある模様。

猪伏越の峠道がもし残っていたなら、生芋集落(廃村)から1時間半弱ほどで登頂できるのだが、林道ができたせいで峠道は大半が廃道化している。それでも道がかつてあった谷を遡行し、上方でスズタケの藪漕ぎをすることで稜線に出ることができる。
山頂は三人も座ればいっぱいになるほど狭いが、鳥形山から三方山方面を望むことができる。
尚、愛媛県側は国有林なので、もしかすると踏み跡的作業歩道があるかも知れない。

[コース]
地形図に記載されている猪伏越登山口は生芋集落を過ぎた奥の方だが、生芋集落最奥の民家の先から植林帯に上がる小径があったため、これを上った。その民家の少し先の道路路面が深くえぐれていたせいもある。
この小径を上がれば、地形図に描かれている、猪伏越峠道に連結する横道にすぐ出るはずだと思ったが、植林帯に上がると道はなかった。が、国土調査の杭らしきものが植林帯の中に続いていたので、これを辿るとほどなく横道に出た。

トラバース気味に緩やかに上がる道はやがて不明瞭になり、藪化する。上を見ると明るくなっていたため、林道が走っているものと思い、適当に斜面を這い上がると、それは旧地形図(平成11年発行)にある林道が延長されたものではなく、その下方を通る新設された大規模林道だった。近年発行された新しい地形図には載っているだろう。
大規模林道に出た箇所の向かいは格子タイプの擁壁になっていたため、少し南西に下り、傾斜が緩い斜面から藪をかき分けて山中に入ると、すぐ植林帯の中を走る道の続きに出た。
西下に沢が現れると沢沿いの道に合流するが、ここからは藪っぽくなる。その藪っぽい区間を抜けると作業車道に出る。斜め向かいには作業小屋がある。ここを左折するとすぐまた林道に出た。これが旧地形図に記載の林道が延長されたものだろう。

向かいには沢があるが二手に分かれている。左の沢が上り易そうに思ったので、登って行くと左手に顕著な尾根が現れた。これは1120m峰へ続く尾根なので、この沢沿いルートは猪伏越峠道跡ではない。そこで岩石がごろごろする斜面をトラバースして北側の沢に出た。
峠道の痕跡はないが、比較的登り易い。
やがて進路方向の植林が途絶え、カヤが藪化している箇所に出た。上方を仰ぐとまた明るい平坦地が見えたため、林道だろうと思ってカヤの斜面を這い上がると、そこは舌状郭のような削平地になっていた。南の沢を見下ろすと右岸に峠道跡らしきものが見えたが、藪化しているようだったので、そのまま更に上の削平地へと上がった。そこは広場になっており、すぐ林道に出た。

林道がさきほどの沢の上流に到ると、また適当に沢沿いを上がって行った。これを複数回繰り返し、林道をショートカットする形で上がって行くが、沢沿いが藪っぽいと感じた場合は林道を迂回した。
林道沿いに四角い石組がある沢で、もう林道とは分かれる。最初は登り易かったが、徐々に傾斜がきつくなってきたため、南側の尾根に一旦乗った後、また傾斜が緩くなると沢に下りて遡行した。
しかしとうとう直登が困難なほど、勾配が急になる。地形図の破線は南側の斜面を通っているが、そちらの傾斜も急。そこで北側のスズタケの藪の斜面に這い上がり、そのまま稜線まで藪漕ぎして行った。

稜線には森林管理署の境界目出し標が立ち並んでいるが、スズタケの刈り込みは殆ど行われておらず、若干の藪漕ぎを要す箇所がある。森林管理署がつけたピンクのテープはあるが、三角点測量員のナイロンテープは見当たらない。
前方に三角形の小ピークが見えた。稜線との高度差は数メートルほどだったが、何とここが山頂だった。小ピークと言うより、尾根の一突起に過ぎない。山頂も岩山以外の通常の山では殆ど例を見ないほど狭い。それでも北方の展望は比較的優れている。しかしあと5年も経てば、眺望は悪くなるだろう。

ネットで見る限りでは、この山に登頂しているのは「レジェンド」MH2氏のみだが、彼の登頂記念板はなかった。近年、三角点が再測量されたとも思えないので、もしかするとMH2氏はやっと、自己顕示欲による記念板設置が稚拙な行為であることに気付いたのかも知れない。尤もかつて私も記念板を設置していた時期はある。しかしそれは自己顕示欲ではなく、拙著読者のためである。時期は無名峰登山ガイドブック製作のための踏査登山を行っていた’99~‘03年。拙著に収録している山は過半数が地形図に山名未表記の山故、登山技術が未熟な者にとっては、山頂に山名板があった方が良いだろうと思ったのである。また、道を誤り易い分岐や分かりにくい登山口にも手製指導板を掲げるようにしていた。

帰路は、往路に於いて藪っぽかった箇所は林道を迂回して下山した。

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装備・携行品

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登山靴 バックパック スパッツ・ゲイター 水筒・テルモス ヘッドランプ 帽子
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ナイフ 行動食

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