行程・コース
天候
晴れ(馬の背は暴風)
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
那須高原6時半 ライザスキー場8:45
この登山記録の行程
蔵王ライザワールドゲレンデトップ(10:00)・・・お田神避難小屋(10:25)・・・刈田岳(11:25 休憩30分)・・・熊野岳避難小屋(12:50 休憩15分)・・・蔵王山(熊野岳)(13:20 休憩20分)・・・お田神避難小屋(15:15)・・・ゲレンデトップ(15:45)・・・ライザスキー場(16:10)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
3月5日(啓蟄)に東京では春一番が吹き、最高気温が18℃近くなり、桜の開花も3/23頃と予測されて寒かった冬の終わりを告げている。この週末は夜に北日本を前線が通過した後は蔵王にも好天が見込まれるとの予報が出た。来週には雪国にも雨が予測されており、樹氷が見られる最後のチャンスとなると感じたので蔵王の樹氷原に向かうことにした。ルートはライザスキー場から刈田岳および熊野岳へのピストンを選択。
夜のうちに出発し、那須高原で仮眠をとりライザスキー場へは9時前に到着。全国的に気温が上がるとのことだったが、ライザスキー場は少し寒かった。スキー場から見上げる蔵王の稜線には少し雲が残っていたので、のんびり朝食をとり、身支度を整えスキー場のリフトを2本乗り(1回券2枚で1000円)、ワカンをつけて10時ごろ登山スタート。出発時には高い雲が上空を流れていたがガスもなく予報通りの好展望が期待できた。ゲレンデトップから早速樹氷があり、樹氷原の中を登って行く。全国的に暖かい空気が入った日もあったので、樹氷は溶け落ちているかもと思ったが、ゲレンデトップから上は健在で、スノモンを眺めながらの登山ができた。夏は観光道路のエコーラインが通る道で雪のない時期に歩こうとは思えないルートだが、冬は広大な樹氷原の中を巡るルートで、別天地感が半端ない。山形、宮城県境にある観光リフトの支柱も大きなスノモンになっていて、周囲の樹氷とともに独特の景観となっていた。馬の背の稜線に登り上げると前線の通過直後ということもあり風は強かった。強風を凌ぎつつ刈田岳へ登り上げると神社の鳥居や社も大きな雪の塊になっており冬の蔵王の独特の景観も楽しめた。刈田岳山頂からは蔵王の御釜や不忘山に続く稜線や烏帽子、遠刈田からの北側のルートも望めそれぞれに樹氷の森も視認できた。
刈田岳からは馬の背の稜線を熊野岳へ向かう。稜線を吹き抜ける西からの風は体をもっていかれるほどの暴風で飛んでくる雪片が頬をたたき痛い位で、トレースは一瞬で消えるが、目印となく杭があるので、杭に沿って熊野岳へ向かう。途中にある避難小屋は掘り起こされていたが、中に吹き込んだ雪が凍り扉は開かなかった。避難小屋から熊野岳山頂はすぐで、山頂の神社は何だかわからない雪の塊と化していた。山頂からは地蔵山方面も望め月山方面もうっすら見えたが風が強すぎて地図が出せず同定はあきらめた。神社の風陰で行動食をとり、御釜のふちの馬の背の稜線を刈田岳方面に引き返すが、風がさらに強くなり、踏ん張るのが大変な位だった。稜線を外れ観光リフト脇まで降りてくると多少凌げるようになり、樹氷原を下っていく。登ってきた時より天気は良くなり、樹氷原を愛でながらの下山は至福の時間だった。樹氷原の先にはうっすらと朝日や吾妻の稜線も望め、午後の日差しに照らされる樹氷はきれいだった。ゲレンデトップ直下まで樹氷は残っていたが、中腹からは溶け始めていて、ゲレンデの雪もぐずぐずになってきており、春の訪れが近いことを感じさせた。
自分にとって日本を代表する冬の山岳景観は蔵王の樹氷でずっと訪れたいと思っていたが、蔵王の樹氷シーズンはほとんど晴れることがないので、なかなか行けなかった。ここ数年の暖冬傾向で蔵王の樹氷のシーズンは短くなっていたが、今年の冬は一味違ったので今年こそはと思っていた。来週には雨が降るとのことで一気に崩壊が進むと思うが、シーズンの最後でようやく念願が叶った。東北の山は季節ごとに異なる姿を見せてくれる色気のある山が多いと感じるが蔵王も例外ではなく、馬の背の稜線や御釜は秋に訪れたことがあるものの、夏のコマクサ、秋の紅葉もコースを変えてまた訪れてみたいと感じた。
下山後は源七露天の湯に入ろうと蔵王の温泉に向かったが源泉の配湯が止まり休業中で、大露天風呂も11月以降積雪で休業だったため、山形うわの温泉天神乃湯で入浴。かみのやま温泉でも探したが数軒は潰れておりコロナ禍の影響を感じさせた。テレビのニュースでは仙台七夕は今年は例年通り開催予定とのこと。昨年、一昨年と青森ねぶた、秋田竿灯、盛岡さんさ、山形花笠と東北を代表する夏祭りはすべて中止となっているので、今年こそは開催できるといいと思う。