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道なき藪山に最適ルート発見・天火荒

天火荒(点名:天賓阿礼)[土佐町]( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れのち曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: いの町の国道194号を北上し、旧吾北村清水上分の「程野入口」バス停付近のY字路で標識を見て、「グリーンパークほどの」方向に右折。
パーク内森林生態学習館手前のY字路は左折し、林道程野黒丸線を土佐町界の峠まで上り、峠を越えた左手路肩に駐車。二台分の駐車スペースがあるが、満車時は少し下った所にスペースあり。

この登山記録の行程

登山口10:40・・・横道分岐11:01・・・19番鉄塔で休止11:44~11:53・・・18番鉄塔で休止12:09~12:27・・・遡行する沢入口から17番鉄塔を往復12:35~12:48・・・沢の二又12:59・・・山頂で休止13:18~14:12・・・沢の源流部への下り口14:20・・・鉄塔巡視路14:32・・・18番鉄塔下14:40・・・19番鉄塔で休止14:52~15:09・・・横道分岐15:40・・・登山口15:55

コース

総距離
約6.1km
累積標高差
上り約543m
下り約543m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

[全てのルートを踏査して最適ルートを判断]
道のない藪山の無名峰を紹介する場合、藪漕ぎや道迷いの可能性が最も低いルートをガイドする必要がある。そのため、無名峰・天火荒(てんぴあれ・点名:天賓阿礼・1389.3m)については、6ルートを踏査した結果、最も登り易いルートを解説する。
この山は稜線から北側と東部が国有林で、稜線周辺は本来、植林の下草であるスズタケが藪化している。とは言え、山頂やコースの鉄塔巡視路沿いには大木もあり、中盤の横道沿いには所々巨岩がそそり立ち、各沢の渡渉地の下は絶壁となり、流れは滝状になっており、夏場には涼を求めることができる。

今回紹介するコースは、南側から標高1270m前後まで送電鉄塔巡視路を登るが、巡視路からの眺望が優れているのは添付写真でも分かるように、北の稲村ダムから登るコースで、振り返れば天空のダムの背後に稲叢山から西門山の切り立った稜線が一望できる。その際の登山口は、ダム堰堤の南東の道路終点付近だったように記憶している。
尚、この登山記録は一日でも早く公開しなければ、と思っていた。それは国土地理院が三角点設置時に適当な当て字でつけた点名「天賓阿礼」または「天賓阿礼山」を山名と信じ込み、「珍しい山名の山がある」等とネットで紹介する無名峰ピークハンターらがいるからである。
因みに前述の有名峰・西門山(にしかどや)の点名の当て字は「東加駄屋」。

[コース]
峠からは天火荒方向と逆の成川ウネ方向、双方の尾根に向けて登山道が上がっている。
尾根に上がった地点の木の根元には、笑みを浮かべた小さな地蔵が祭られているが、これは峠が車道化された際、東側から移設されたものと思われる。
尾根道沿いのスズタケはきれいに刈りはらわれているが、これはこの町界尾根の一部が国有林の境界になっており、且つ、上部で林業業者・中江産業が造林作業を行っているからだろう。

標高千数十メートル付近でY字路となる。双方の道ともスズタケが刈り払われているが、今回は右側のトラバースの横道を選んだ。それはそちらの道に青いナイロンテープが付けられていたからである。半透明のナイロンテープはよく、三角点測量員が使用する。当方が以前、ルートを探して登った’02年春以降に三角点の再測量がなされている可能性があるのである。

‘02年にも双方の道を登ったと思うが、町界尾根は国有林境界が途切れてからしばらくしてスズタケが密林化し、後者の道は山頂から南東に伸びる国有林境界尾根を登るために辿ったのだが、その尾根も途中で藪化していた。今回はもし青色のテープが測量員のつけたものではなかったとしても、その後者の境界尾根から、最高所にある鉄塔尾根までの区間で、登れそうなルートを見つけようと思ったのである。

‘02年に歩いた時の横道の記憶は既にないが、左手頭上には見上げるほどの巨岩や岩盤が次々と現れ、渡渉する沢はその大半が、南側が断崖となっており、水は滝となって落下していた。もしかすると前回、鉄塔巡視路を上った時は、峠からではなく、峠の北東の鉄塔巡視路入口から登ったのかも知れない。
この横道は20番鉄塔まで続いているものと思っていたが、途中のT字路でナイロンテープは横道と分かれて北に折れすぐ林道に出る。そこを右折してしばらく歩くと、20番鉄塔の上に到り、左手に鉄塔巡視路が分岐していた。
が、ここから先も何度も林道を横断したり、少し林道を歩いてからまた巡視路に上がる箇所がある。前者の場合は問題ないが、後者時は前述の青色ナイロンテープが先導してくれる。

19番鉄塔は木の間越しではあるものの、南方に開けており、休止ポイントとしては適している。側に山桜の木があったかも知れない。
19番鉄塔から北西に伸びる尾根が国有林境界尾根なのだが、最初の内は藪の密林。鉄塔巡視路はその尾根の北直下を西に進む。
巡視路が最も尾根に接近した箇所では、尾根に向けて踏み跡があり、上がると尾根上にはあまり藪はない。しかし’02年時は途中から藪化したので、巡視路に戻って他のルートを探す。その境界尾根上方西側の造林地が、「レジェンド」MH2氏が自身のホームページで「伐採跡」と記していた箇所だろう。

尾根の幅が広がってくると巡視路は山肌を伝って北へと向きを変える。
18番鉄塔から伸びる尾根は登れないものかと思っていたが、やはりこの尾根もスズタケの密林で藪漕ぎは困難の模様。
18番鉄塔を過ぎた所で、いきなりナイロンテープが途絶えた。まさか、このテープは三角点測量員が付けたものとは違うのか。だとしたら、町界尾根を今回も辿った方が良かったのか。しかし今から引き返すのは精神的に辛い。
兎に角、今回も最高所の17番鉄塔に登ってみることにした。そこから山頂までの尾根を測量員が刈りはらっている可能性もある。

そんな淡い期待を抱いて17番鉄塔に登ってみたが、やはり’02年時同様、スズタケの密林状態。しかし驚くことにこの猛烈な藪を漕いでMH2氏は登頂している。登山口(恐らく今回のコースと同じ)から4時間もかかったという。私にしてみれば、そんな長時間を要す藪漕ぎのルートは諦め、後日、登り易いルートを探せばいいではないか、と思うが、そんな発想を持ち合わせていない無名峰ピークハンターもいるのだろう。

他に’02年時は、山頂から北西に派生する尾根の西の谷沿いにかつてあった登山道跡も踏査してみたが、やはりスズタケの藪で通行困難。先週は1384m峰から北の尾根も探ってみたが、同様だった。
山頂周囲の全ての尾根が登行困難なら、残る手段は一つ。谷を遡行するしかない。そこで17番鉄塔が建つ尾根の南からその尾根の付け根へと切れ込む谷を遡行することにした。等高線がそんなにきつくないし、崖マークもないから登り易いと思った。もし上部で藪化したとしても、谷の入口自体の標高が高いから、1300数十メートル位まで登れる可能性が高い。そこから先、例え藪化していたとしても、山頂は指呼の距離だから、藪漕ぎの時間も短時間で済むとふんだのである。

この読みは的中していた。谷の傾斜は緩く、危険な岩場や藪も皆無。快調に遡行できる。
沢の入口から7分ほどで二又になるが、左手の沢が本流。
上方に尾根が迫るとさすがに傾斜はきつくなるが、その区間もごく僅か。簡単に尾根上に出ることができた。
尾根上はスズタケの藪だが、漕げないほどの密生度ではない。ほどなく17番鉄塔へと続く尾根に合流した。同様の藪だが、ふと西側を見ると空間が見えたのでそちらに出てみると、刈り分け跡があった。それに元々、尾根の西沿いはスズタケが生えてない区間が僅かにある。
その区間が終わり、再び藪化しようとした先に三角点があった。三角点周囲と、その西の大木が複数立つ区間だけは藪がなく、くつろげる空間がある。展望はないが空は開けているので明るい。

三角点側の国土調査の杭には’02年の記載がある。当方がルートを探った同年春以降に再測量されたのだろう。
紅白の測量ポールは朽ちて倒れていたが、MH2氏の登頂時は立っていたという。しかし氏の登頂記念板は見当たらない。キティ山岳会の「天賓阿礼」表記の記念板を割った「三角点を登ろう会」交流者が、引き抜いて放り捨てたのだろう。
2014年5月3日登頂のローマ字表記の記念板は、板の材質自体がもろいため、既に朽ちつつある。彼は戸中山から縦走してきた記事を自身のブログに記していたピークハンターだろうか。室戸市の笠木山にも記念板を立てていたような気がする。
笠木山の登山記録はヤマレコに投稿済だが、当方は帰路、藪が皆無のルートを見つけ、下山した。

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