• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

日本千山 634/1357

鷲ヶ巣山( 東北)

パーティ: 1人 (1357 さん )

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

縄文の里(20:30/6:05)登山口(6:10)避難小屋(7:35)前ノ岳(8:00)P1,004()鷲ヶ巣山(10:35~11:05)前ノ岳(13:10)縄文の里(14:30)

コース

総距離
約10.8km
累積標高差
上り約1,639m
下り約1,639m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

 起きると体が非常に重い。朝日連峰の2日間に続いて昨日の猛暑の中の祝瓶山登山で疲労困憊したのが原因なのは明白で、今日も快晴で暑さが酷いのは間違いないので「止めて帰るべきかも知れない」と思うが、「標高差1,200mくらいは大した事でもないし、祝瓶山からわざわざ西の方遠くまで走って来たのだから、おめおめと帰るのは惜しい」と、苦闘に挑む決心をする。
  杉林の下を行き、沢を横断してジグザグに尾根へ上がる。小1時間歩いて休憩すると靴を這い上がる蛭に気付く。スパッツを外して見ると、厚い靴下の上から食付いて血が滲んでいる。全部で10匹に近く、その多さと素早い行動に驚く。
 偶然見付けた避難小屋の中に入って水を飲み、荒い息を整える。登山口から前ノ岳山頂までの標高差は600mも無いのに、2ピッチで登れないのはショックだ。高度計が無いので正確な高さは判らないが、避難小屋の位置は標高700m付近だと思われる。
 750m付近の肩までは急な登りで、山頂へは両側から草木が迫った傾斜の緩い道が続いている。笹や木が茂って足元が見えないので歩く人が居ないのかと思うとそうではなく、道は確りしている。登山口のノートに、11日(土曜日)と12日に登山者名が書かれていたことを思い出す。
 山頂からP1,004mと鷲ヶ巣山の姿を初めて見る。2つ共に立派なピークで、3つのピークを繋ぐ尾根は鞍部まで大きく切れ込んで黒々と威圧的な姿で聳えており、苦しい登りを強いられそうだ。最初のピークの前ノ岳へ登るのに既に青息吐息なので、「こりゃー大変だ」と恐れをなして眺める。とは言え、登りがあるのが登山たる所以で、ここで止めて帰る訳にはゆかない。雑木林の間を150m下ってP774mの瘤を越え40m下ってP1,004mへの登りに掛かると、「止めて帰ろう」と弱気の虫が何回も囁き掛ける。疲れが酷く、通常は60分歩いて10分休むのだが、半分の30分も歩くと休まずには居られない。
 気力と半ば惰性で950mの祠に登り着き、P1,004mから再び150m高度を下げる。尾根の南斜面の笹の間に通じる道は傾いた部分や小さい上下があって疲れた体には苛立たしく思える。目の前の鷲ヶ巣山を見上げながら、「1,000mの段までと頂上までの100mの標高差2回を頑張れば山頂に立つことが出来る」と考えるものの、積極的な気持ちは湧いて来ない。
 水はたっぷりあるものの、体が暑く登る足に力が入らない。「止めよう。熱中症で死ぬ」と思う一方、「引き返して如何なるの? もう一度来る積り?」と、心の中で綱引きを繰返す。数回の休憩を取り、その度に気力を奮い立たせて登り始め、何とか持ち堪えて山頂に達する。祠の先に最高点の岩が在り、その先に三角点標石を見出す。岩の上に体を横たえて伸び、たっぷり水を飲み、取って置きのジュースを空けてナトリウム分を補給する。千切れ雲の陰に入ると生き返るようで、微風にエネルギーが湧き出るような気がする。
 30分間休み、下山に要する時間を思いながら祠に別れを告げる。膝の筋肉に踏ん張る力が無く、時間を掛けてヨタヨタと下る様は、とても意思のある歩き方とは思えない。「1つ目のピークだ」と辛抱してP1,004mへ登り返し、2つ目の小さい瘤に掛かると右の谷から微風が吹いて元気付ける。
前ノ岳への最後の登りに掛かり、「せめて、このピッチくらいは完遂したい」と、途中で休憩すること無く山頂まで登る。「あー、まだ頑張れる力が残っているんだ」と自分でも意外に思うが、山頂を通過して小屋を目指すと、「まだか? まだか?」と待ち焦がれるほどに遠く感じる。小屋で一息入れ、「登山口まで標高差550mだから、今日は2時間コースだな」と覚悟し、「尾根の右折点まで下れば残りの標高差は200mになる。沢に下れば詰めたい水にも有りつける」と元気付けて腰を上げる。
 力の無い足取りで、「時間はあるし、無理して体調を崩す必要は無い。それだけの元気も無い」と歩く。200m程下って休み、尾根の右折点目指してジリジリと焦がれて下り、やっと右斜面に入る。沢に出合って冷たい水で喉を潤し、顔を洗い頭に水を掛けて冷やし、元気を取り戻す。立ち上がる前に「蛭が嫌だなあ」と靴を点検すると、数匹の蛭を見付ける。腰の近くまで上っているのが居り、「何とも凄い早業だ」と恐れをなす。

 A部長の実家は福島県の国見ICの近くだと言う。盆休みに朝日連峰に登る計画を話すと、「ちょうど帰省しているから、美味い水を飲みにぜひ立寄って下さい」と誘われていたのだが、縄文の里へ戻って、やっと目途が立ちその気になる。ズボンが濡れるほど汗を掻いているので風呂に入ってさっぱりしたいところだが、「ぐったり、バッタンキュー」になる恐れが大きいので入浴を避け、クーラーで冷やしながら走ることにする。
 ICまで迎えに来てもらい、長男の子供3家族が孫連れで集まって賑やかな家に上がり込み、夕食をご馳走になり、ちょうど良い運転休憩となる。自慢の水は、裏の神社から湧き出るのを15戸で簡易水道化して使っているそうだ。
 お土産に、水を初めとして販売用の桃1箱を貰う。卓上のキュウリの酢揉みを「小さい頃、故郷で毎日のように食べていた。さっぱりして大好きです。成熟した胡瓜は青臭くなくて美味しいですよね」と言ったものだから、大量のキュウリと冬瓜まで戴くことになる。

続きを読む

フォトギャラリー:3枚

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登った山

鷲ヶ巣山

鷲ヶ巣山

1,093m

よく似たコース

鷲ヶ巣山 新潟県

朝日・飯豊連邦の雄大な眺望を楽しむ

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
8時間15分
難易度
★★
コース定数
39
登山計画を立てる