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日本千山 669/1357

豊似岳( 北海道)

パーティ: 1人 (1357 さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

ゲート(185m/6:05)登山口(335m/7:00)稜線(9:30)豊似岳(11:20オキシマップ(13:20)牧場(14:10)ゲート(14:55)

コース

総距離
約15.5km
累積標高差
上り約1,169m
下り約1,170m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

町営牧場の砂利道に車を乗入れて数百m走ると、断固としたゲートが在って進入できない。雪が無いのでスキーを持つのを諦めて砂利道を歩く。牧舎を過ぎて右へ曲がり緩く上がって行くと、全面雪に覆われた登山口に着く。
 入林ノートを見ると、直近の入山者は2月14日に楽古岳までの縦走目的で入った東京のパーティーで、トレースは期待出来ないと悟る。針葉樹林の道へ入ると一歩毎にクラストを踏み抜いてスキーが欲しくなる。数百m行くと、道は左手の尾根へ向かって上がる。新雪の下はクラストしているのだが、体重に耐えるのは10に1つで、一歩毎に踏み抜いて足が捗らない。「この調子じゃ、山頂は覚束ない。14時まで登っても駄目なら引返そう」と言い聞かせて、ゆっくりと足を前へ出して登る。
 尾根の上に出ると雪が締り、踏み抜くことが少なくなる。西側斜面の方が風に吹き飛ばされて雪も少なく、旧雪が締って潜り難い。落葉樹林は明るくて見通しが良く、赤布に導かれて安心して歩くことが出来る。もっとも、切り開きは明瞭だし、尾根の背を登れば良いのでルートの心配は無用だが。傾斜は程好く、「スキーを持ってくればずっと楽だった」と後悔しながら我慢の登りを続けると、岳樺の背丈が次第に小さくなって混んでくる。
 稜線直下の数百mは積雪も多く、膝までのラッセルを強いられてエネルギーの消耗が激しい。登山口から稜線までの標高差は670mで、「3~4時間は掛かるだろう。12時までには着きたいなあ」と胸算用していたのだが、思ったより捗って2時間半で上がることが出来た。山頂までの標高差は100mを残すのみで、「鞍部へ下って登り返しても200mだ。ほぼ、山頂を手中にした」と生き返り、P1,088mへ続く雪庇を擁した尾根を見て「日高の山だ」と感激しながらどっかと腰を下ろして大休止する。
 尾根の岳樺の間を縫うようにして歩く。這松が現れないのが幸いだ。西側の急斜面は季節風に叩かれて靴が食い込まないほど硬いのに対し、たっぷり積った風下側の雪は太股まで潜って悩ましい。「スリップすると問題だ」と左手にストックを、右手にアイスバイルを持つが、岳樺を掴んで支点にするのでバイルを使う場面が無い。
 山頂と見紛ったP1,088mへは1時間を要する。目指す豊似岳へは緩く下った鞍部の先に軽い登りが残るのみで、いっそう確実になった山頂を眺め遣って「しめしめ」と喜ぶ。最後に素晴らしいプレゼントが待っていた。P1,088mから山頂までの9割は草地で足跡が付かないほど固い雪稜となっており、「素晴らしい!」と喜びの声を上げながら気分好く歩く。
 豊似山頂に腰を下ろして眺めると、オキシマップへ一周した方が距離が短いように見える。新たにラッセルしなければならない上に、オキシマップ山頂への最後の150mの登りは急に見えて苦戦しそうだが、「せっかくのチャンスだから」とピークを1つ欲張ることにする。
 頂稜をP1,093mへ進むと這松が現われて踏み抜き、梃子摺る。這松の尾根はP969mまで続き、下りといえども骨が折れる。鞍部まで下ってエゾシカに挨拶し、150mの登りにじっと耐えてオキシマップ山頂に立つと、雪が降り始める。
 岳樺が混んだ山頂を通過し、牧場を見下ろして下山目標地点を決める。裸地の尾根の背は雪が少なく、歩き易そうな岳樺林の中を直進すると再び荒地に出る。高度を下げると針葉樹林に入り、足を捕られるほどに雪が深くなる。
 林道に出合い、誘惑を振り切って直進すると上部牧場に出る。雪はほとんど無く、鹿の糞などで地肌が黒ずんで汚く、あまり歩きたくない所だ。下部牧場の左端を下って農道に出て一安心する。
 橋を渡って往路に戻り、「今日も終日1人だった」と、水浸しの砂利道をとぼとぼと歩いて戻る。

 峠を越えて広尾方へ下り、襟裳岬へ足を伸ばす。海岸沿いの気持ちの好い道を南下すると東海岸には民家が在って岬の先端まで続いており、歌に謂う何も無い所とは様子が違う。先端の岩を白波が洗い、北方には褐色の草原の上に豊似岳が白く聳える。
 帰途、アポイ岳の夕景を写真に収める。静内温泉まで走り、温泉に浸って行動9時間の雪山で疲れた体を休め、19時頃、3年振りの静内キャンプ場の雪の上にテントを張って安らかな夜を迎える。

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装備・携行品

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登った山

豊似岳

豊似岳

1,104m

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