行程・コース
天候
曇後晴
登山口へのアクセス
マイカー
この登山記録の行程
公園(4:40)城山(5:15)赤松山(5:25)八咫柄山(6:15)宝珠山(6:25)大蛇山(7:45)野須張(8:25~45)菱ヶ岳(9:40)五頭山(11:45~12:00)松平山(13:40)山葵山(14:35)尾根取付(270m/15:20)林道(15:40)森の家(16:10)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
五頭山を狙う。最高峰の菱ヶ岳に登らないのは画龍点睛を欠くので、尾根末端の城山から登ってピークを稼ぎ、菱ヶ岳を踏んで五頭山へ縦走しようと計画する。余力があれば2番目に高い松平山をも踏もうという腹だ。
登山口を偵察に行くと宝珠山から下山してきた女3人組と出会い、赤松荘に立寄って登山道の様子を聞く。赤松山公園にはキャンプ場が在り、テントサイトを使わないで草地に張るのは無料だと教えられ、「渡りに舟だ」とテントを張る。
明るくなってから出発する。公園の中の散策道をゆっくり歩いて体を温め、標高200mで尾根の上に出て緩い確りした登山道を行く。城山から赤松山、虚空蔵山(△440.5)、丸山小富士と越えて八咫(やた)柄山まで登ると宝珠山は目と鼻の先で、登山者の安全を祈る地蔵の前で一本立てる。
標高400mから上はガスに包まれて視界も無く肌寒いが、上空が暗くないので「天気は持ちそうだから、何とか菱ヶ岳までは行きたい」と先へ進む。宝珠山から先へ足を伸ばす人は少ないようで、両側から笹や潅木が迫る箇所が現れるが、定期的に刈払いがなされている様子が窺われる。
P641を越えると徐々に雪が現れる。今回、迂闊な事に磁石を持参するのを忘れたので、登山道が雪の下に隠れると道を見失う心配が大きく、常に現在位置を確認しながら慎重に歩かざるを得ない。幸い、雪の上には旧い足跡(1人、1週前のものか?)が残っているので参考になる。3ピッチで野須張に着き、「今日は長丁場を歩くのだから」と20分の長めの休みを取る。この頃には次第に雲底が上がってP924が時々姿を現し、菱ヶ岳も山頂近くまで垣間見える。
尾根に連続して雪が残るようになり、6~7割方雪の上を歩く。下りでは雪のクッションとグリセードを取り混ぜ、「膝の負担が減って長距離の縦走には有難い」と喜ぶ。昨日の革靴から布靴に代えたのも、疲労と膝へのショックの軽減を考えての事で、靴の中に水が浸みて濡れるのは覚悟の上だ。P924は西の見晴と呼ばれ、ここから初めて菱ヶ岳の山頂を望む。
菱ヶ岳への最後の100mの登りは雪の斜面で、底の磨り減った布靴は爪先に体重を掛けないと滑り易く、知らず知らずのうちにリハビリ山行の慎重な歩きから離脱することになる。山頂で2人と出会い、時折射す暖かい陽射しの下で一息入れる。五頭山までの稜線の全貌を観察してから、いよいよ目指すピークへと足を進める。
雪の上には賑やかに足跡が続いており、途中で2人と擦れ違う。五頭山が近付くと笹の峰の上に人影が蠢き、「5峰の1つに登るか」とP890から左に折れて一ノ峰を踏むと、十数人が賑やかに休憩している。「独活をどうぞ」と食事中の人が勧めてくれ、今年の初物をご馳走になる。
想定時間通りに歩いてきて余力もあるので、松平山を回ることにして三角点まで行って腰を下ろす。1人の真新しい足跡を追って歩く。出だしのP880では左へ逸れて引き返し、P862では右へ90度折れて上手く進む。断続的となった雪と夏道を拾い繋げて行くと、中間点で男性1人と擦れ違う。松平山は五頭山に比べると大分影が薄いようだ。松平山手前にはピークが幾つも続いているが、P904とP920は西側斜面を巻いており、数箇所で雪の斜面をトラバースする。
土が露出した松平山頂で一休みして、最後の仕上げに掛かる。雪解け最中の歩き難い道を下って行くと次第に緑が増え、山葵山から眺める五頭山は稜線の黒味掛かった色に対し麓は鮮やかな新緑に包まれている。雪の世界と春真っ只中の山里を一望すると自然の偉大な力に新鮮な驚きを禁じ得ない。
左岸へ渡って車道へ上がり、「電話を借りてタクシーを呼ぼう」と自然の家まで下って行くと閉っており、しばらく下った森の家に案内を請う。「タクシーは水原から来るから、料金が大変ですよ。少し待ってくれれば送りますよ」と言われる。「行きずりの人に対して、何と言う親切だろう」と戸惑うものの、「地獄に仏だ」と厚かましくも好意に甘え、10kmの車道歩きから解放される。
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