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日本千山 963/1357

光兎山から頭巾山( 上信越)

パーティ: 1人 (1357 さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

千刈(17:00/5:15)P458(6:20)奥山(7:05)雷峰(8:05)光兎山(9:05~35)鞍部(9:50)頭巾山(11:40~55)鞍部(12:50)光兎山(13:45~14:15)千刈(16:20)

コース

総距離
約16.2km
累積標高差
上り約2,004m
下り約2,004m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 関越トンネルを抜けると雨が降っている。土樽PAに入って車を停めて山肌の雪の量を調べると、地肌が出ている所もあって期待よりは少なそうだ。「ここまで来たら、行って見るしか無い。雪が少なくて薮が出ていれば、頭巾山を止めて光兎山から引き返せば良い」と腹を決める。
 湯沢周辺の平地は一面の銀世界だが、新潟市へ近付くと雪が消えて田圃の代搔きが始まっている。荒川胎内ICで降り、コンビニで夕食を入手して安堵しながら千刈登山口へ車を走らせる。藤沢川は濁流となって雪融けが進んでいる事を教えるが、集落から登山口へ上がる林道は雪の下で、「これなら、望みが叶いそうだ」と早朝の出発を期して寝る。

 雨は止み、雲が取れて星が輝いている。気温は2℃で、期待程には冷え込んでいない。眠り足りない頭でコンロに点火し、寝袋に入って横になりながらお湯を沸かし、朝食を取る。
 林道の足跡を追って杉林へ入り、中段で見失うものの尾根の上に出て夏道と出合い、北尾根を辿る。高度を上げると全面雪に覆われて数㎝しか潜らなくなり、緩勾配の尾根を順調に歩く。杉林が終って赤松と落葉樹の林になる頃、鋭角三角形の光兎山とP805が姿を現す。5時間で往復した記録をネットで見て「簡単な山だ」と思っていたが、「距離があってかなり時間が掛かりそうだ」と懸念する。
 P458で一本立てて先へ進むと夏道にはイワウチワが咲いて喜ばせるが、奥山(虚空蔵峰の名板あり)までは意外と長い。山頂の一対の1mにも満たない石灯籠の一方が倒れているのは、3月11日の東日本大地震の所為だろう。
 P630を越えて登り返した標高621mの小ピークには観音峰の名があり、雪庇の残骸の雪がへばり付いたP805(雷峰)へ続く細尾根が見える。雪面と所々に出ている夏道を繋げて雷峰へ登ると、いっそう雪の増えた尾根がP830へ続き、その後に光兎山が聳えている。山頂への道は雪が少なく、大半は夏道を歩くようだ。
 P830から雪稜を下り、夏道と雪の急斜面にステップを刻んで最後の100mを登って光兎山頂に立つ。標高差が800mだからと簡単に考えていたが、小さい登り下りが多くて意外と時間を食っている。頭巾山が同じ高さに見え、雪に覆われた落葉樹の緩い尾根が山頂まで白く続いている。「鞍部までの下りはどんな様子だろうか」と覗き込んでも全貌が窺えないが、雪面が続いているようで、「登り返しが雪だったら、藪漕ぎに梃子摺ること無いだろうから何とかなりそうだ」と前向きになる。
「片道1.5時間と考えたいが、光兎山まで思ったより時間が掛かっているから2時間として往復4時間、遅くても14時には光兎山頂へ戻れるだろう。下りに3時間掛かって、下山は17時を過ぎそうだ。行動が12時間を超えて相当疲れるだろうが、18時までは明るいから、疲れた足でゆっくり下っても問題ない」と計算し、頭巾山まで行くことにする。
 ワカンとテルモス、小物類をデポしてパン2個と水、アイゼン、カメラをザックに詰めて身軽になり、山頂で30分の大休止を取り、体力を回復する。鞍部への320mの下りは急で、小ピーク850mを右から巻いて雪稜を750mまで下ると下部の急斜面の雪が崩落して1m以上の雪壁となって先へ進めない。登り返して段差を見付け、ブッシュから雪面に戻って一直線に鞍部を目指す。
 登り返しの時に利用することを考えて小幅で歩き、登り返しの時に使えるように、ステップを崩さないようにゆっくり下る。
 鞍部からP800まで登ると急斜面は一段落し、小ピークを幾つか越えて頭巾山の南尾根へ上がると頂稜の東面側には段差5mを超える雪庇の残骸の雪壁が連なり、光兎山から眺めたたおやかな山容からは想像出来ないような眺めが展開して見応えがある。 頭巾山頂に立ち、大量に雪を付けた朝日連峰などの眺めを楽しみながらパンを食べて一息入れ、15分で山頂を後にする。
 午後の一番雪崩易い時間帯に光兎山への急斜面を登るのが気になり、最低鞍部へ向かって下降しながら往路のトレースを目で追い斜面の様子を注意深く観察するが、新しく崩壊した箇所は見付からず、「時間待ちをしなくても良さそうだ」と考える。
 鞍部へ下りて一息入れ(12:50)、「迅速に、確実に登らなければ」とアイゼンを着けて斜面に取付く。途中、対岸の斜面から底雪崩のズズーッという音が幾度となく聞こえるが、何事も無く光兎山頂に登り返し、水にありついて食事をし、足首の破れた皮膚の手当をしながら大休止する(13:45~14:15)。
 アイゼンやワカンをザックに詰めて下山に移る。緩んだ雪面に太腿まで潜ったりしながら雷峰を越えると、新しい足跡が現れる。幾許か元気付けられながら途中で一本立てて下ると、登山口近くで長靴姿の地元の年配者に追付く。
 距離4㎞歩くのと比高300mを登るのに各々1時間を要するとして計算すると、頭巾山往復のコースタイムは11時間5分になる。今回、思ったより時間が掛かった気がするが、光兎山頂での2回の休憩分1時間を差し引く(1時間毎の10分の休憩は無視)と行動時間は10時間5分で(全休憩時間を差引くと9時間)、慎重目の計算値と言えよう。

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装備・携行品

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登った山

光兎山

光兎山

966m

よく似たコース

光兎山 新潟県

伊能忠敬が測量、測点した山

最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
5時間55分
難易度
★★
コース定数
26
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