行程・コース
天候
小雨
登山口へのアクセス
電車
この登山記録の行程
笠置駅(15:20)笠置山(16:15~45)笠置(17:20)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
木津駅から2つ目の笠置駅まで行くのに1時間半も掛ってしまう。関西本線が加茂駅で運転系統を違えているために木津駅から乗換無しで笠置へ行くことが出来ず、一旦加茂まで行って亀山行の単線ジーゼルカーに乗らなければならない。木津駅で乗継時間の短い加茂行を見逃して次の便に乗ったのが発端だ。
笠置駅に降りるとタイミング悪く雨が降り出して路面が濡れている。駅頭には元弘の変の攻防戦の実物大模型があり、その先の道路壁沿いには笠置山寺の絵巻を復元して描いてあり、小雨の中で興味深く読み、眺める。橋を渡って登山口の方へ歩いてくと山姿の夫婦が下りて来る。「ロスが無ければ、今頃は山頂に登ってたのに!」と悔やんでも如何ともし難い。コンクリート舗装が終ると厚い落葉に覆われた登山道が続き、「下山時に足元が暗いと危ない」と思案しながら傘を差して登っていく。
山門から境内へ入る。通常は拝観料¥300を払うようだが、シーズンオフか時間が遅いためか定かではないが、『ただいま拝観料不要』の表示が出ている。しかし、収受所の前を通り過ぎると「拝観料を申し受けます」と音声が放送され足が止まる。山頂を一周する800mの遊歩道に入って歴史を感じさせる落着いた佇まいの建物や磨崖仏の岩を見て回る。後醍醐天皇の在所を覗いて山頂の岩の上に立つと、谷を隔てた三角点峰を見ることが出来る。今からでは足を伸ばす時間が足りず、少し残念だ。紅葉公園からは、北北東に在る霧氷に覆われて白い鷲峰山を垣間見る。
加茂からは奈良経由の大阪行電車が出ており、通勤時間帯に掛かって連絡が良い。奈良駅で万葉まほろば線(桜井線)に乗換えて2つ目の帯解(おびとけ)で下車する。中間駅の名は京終(きょうばて)で、古都の個性的な名前が興味深い。
線路沿いに南下し、右折して車の多い道を危険に感じながら歩き、30分以上を費やして目指すビジネスホテルに辿り着く。訳ありの¥2,980/泊の料金だが、時折、壁を共有するサウナ室からポンという音が響くくらいで、程良いベッドの固さが快眠をもたらしてくれる。
元弘の変の陰の主役とも言うべき楠木正成ほど戦前の日本人にとって有名な歴史上の人物はいなかった。大日本帝国臣民が模範としなければならない日本一の大忠臣「大楠公」として歴史教育で徹底的に叩き込まれたからだが、彼の天才的な神算奇謀の戦い振りに加えて、清廉潔白な人格を持ち心術爽やかな人物だったことが人気の秘密だと思われる。
戦後は神功皇后などとともに歴史の教科書から真っ先に抹殺されることになったが、濁世を正す為に弱きを助け、敗死を覚悟で従容として戦場へ赴いて行った楠木正成は、やはり日本史上屈指の傑物と言えよう。<醍醐天皇に関連して、とある意見>






