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胎内くぐりもある奇岩怪石修験山・大滝山

大滝山( 中国・四国)

パーティ: 1人 (マローズ さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 高知市方面から国道33号を西進し、「レストラン高知」を過ぎて最初の左折道に入る。変形の分岐に突き当たると、一旦西に折れ、すぐ角に大木と地蔵のある、南東に折れる道路に入る。その先の右手のコンクリート舗装された広場である護国寺の駐車場に駐車。

この登山記録の行程

護国寺駐車場11:18・・・鎮護国家碑のある峠12:00・・・観音岩12:08~12:31・・・修行コースを探して付近を周回・・・再度鎮護国家碑のある峠13:05~13:12・・・不動の風穴往復・・・大滝山(石鎚山遥拝所)13:49・・・247.1m三角点13:58~14:19・・・段奈路の滝の天辺往復・・・段奈路の滝の滝壺往復・・・復路(廃道化した滝壺への道の起点の分岐跡)15:10~15:23・・・護国寺駐車場15:50頃
※タイムは正確ではない。小休止やルート探し時間も含まれている。

コース

総距離
約4.0km
累積標高差
上り約322m
下り約322m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

日高村の大滝山(240m)は役小角も修行した修験の山で、中腹と山頂の下方に修行コースがあり、奇岩怪石や巨岩沿いに石仏が祭られている。その中には折り重なった岩をくぐる修行場「胎内くぐり」もあり、両コース共、東西の起点が通常の登山コースと交わっているため、周回できるのだが、各分岐に道標が設置されていないため、詳細なコース図(配布用のものはない)がないと最適なコースを辿れないことがある。だから当方も本来予定していたコースを辿ることができず、部分的に往復する等した。
尚、247.1m三角点を山頂であるかのように説明する登山者が多いが、本来の山頂は石鎚神社等、複数の祠が岩の上に祭られている標高240mの石鎚山遥拝所の箇所である。

この山の主要登山コースは3コース、皆、登山口は北麓にある。その中で住職が修行登山ガイドや猿田洞のケイビングガイドを行っている護国寺の駐車場を基点とする周回コースを選んだ。駐車場は寺の東方の私道沿いにあるが、そこも寺自体も案内板がない。根元に地蔵がある一本の大木を入った所が駐車場。その向かいの民家のM氏は大滝山を整備している一人なので、分からないことは訊くといいが、縮尺が5000分の1位の森林基本図のような地図を見ながらでないと分り難いことと思う。当方は同縮尺のコース図を観光協会でコピーして貰ったが、一般配布はしていない。

駐車場からは一旦村道に戻り、西方の三差路を南に折れる。護国寺を過ぎるとほどなく、道路は自然の歩道に変わるが、すぐ三差路が現れる。本道は直進道だが、西に上がる道は石鎚神社の参道で、社殿(小屋)を過ぎると本道に合流する。
道は尾根の東下を通り、標高120mの鞍部で一旦尾根に乗る。周囲は植林帯。
尾根の傾斜がきつくなる直前辺りに三差路があったと思う。左に折れる道の木にはマーキングテープ、直進道の木には手製の「山頂→」と書かれた木製簡易プレートが設置されている。左の道が修行コースではないかと最初は思ったが、手持ちのコース図の等高線標高と、高度計の高度が一致しない。少し迷った後、山頂への道を選んでしまったが、これが誤りだった。地元では「大滝山自然公園構想」も持っているのに、なぜこんな重要な分岐に道標を設置しないのか。

道は尾根を逸れて上っていくが、傾斜はややきつい。標高も低く、当日の最高気温も30度ほどだったが、意外にも比較的涼しい。麓を流れる日下川のせいか。
高度計高度が170mを超えると流石に道を間違ったことに気づいたが、引き返すのは体力的にきついので、そのまま登り、頭上の送電線を抜けた先で四差路の峠に出る。ここには流石に道標が設置されている。角には昭和初期に建立された鎮護国家碑や石仏がある。役小角がこの山に登り、鎮護国家の祈祷をした故事から、この碑が建立された。
ここまで来ると前述の修行コースを全コース辿ることはできないが、せめて同コースにある「不動の風穴」だけでも往復しようと、北に進む。

すぐ北には送電鉄塔の建つ広場と石仏があり、大嶽山公園の看板が建っているが、このどこが公園なのかと訝しく思いつつ、更に下ると観音岩があった。ここからは北方に大きく展望が開けている。この展望空間が「公園」なのか。観音岩周辺からは、東から土岐山、烏森、陣ヶ森、清宝山、山姥平と、ぐるり見渡すことができる。遠く石鎚山系の山々も遠望できる。
休止後、西側に踏み跡が続いていたので、これが修行コースではないかと辿ってみたが、すぐ踏み跡がなくなり、そこから岩を登って樹林帯に入ると、前述の峠の手前に戻ってしまった。そこで今度は観音岩の東側の道を下ってみると、ほどなく踏み跡が消えた。ここ以外にルートはないはず、と、付近を観察すると、西側の岩沿いの地面に古びたロープが見えた。このロープを掴みながら下りる急勾配の踏み跡こそ、修行コースであった。

ロープにはコケが生えており、あまり利用者がいないことを物語っている。やがて踏み跡もない崖のような箇所を下りると、やや平坦になるものの、北側が切れ落ちている箇所が現れ、またロープを掴みながら進む。左手は垂直の岩盤が続き、所々また石仏が設置されている。
朽ちて地面に放置された「四国ナショナルトラスト」の看板の所まで来ると、その背後に不動の風穴が開口していた。思っていたより小さく、上から落下した石が入口の下半分を塞いでいる。風穴という割には冷気を感じないが、入口に来ると冷風がそよいでいた。奥を見ると竪穴のように感じたので引き返したが、伝説ではこの穴は猿田洞に繋がっているという。

再び峠に引き返すと、山頂への道を上る。この道沿いにも石仏が安置されているが、途中の広場には、昔、修験の護摩修行が行われていた石積みの護摩壇も残っている。
そこから数分弱で視界を覆う岩盤が現れるが、そこは三差路になっていた。左に折れる道は山頂下方の修行道に違いない。その踏み跡を進むと、次々に看板が設置された岩や大石が現れる。
やがて踏み跡の上方に文字が消えて地面に倒れた看板が現れ、その背後には折り重なった岩が洞穴風になっている。ここは「胎内くぐり」だろう。中に入ると、出口側は一段高くなっており、岩の割れ目に道が続いていた。この割れ目の岩は「背割り岩」だろう。但し、その割れ目は狭いため、ザックやカメラケースを身体につけたままでは通れず、且つ、一段高い箇所も上がりにくい。そこでザックとカメラケースを置き、出口側へ回った。それでも背割り岩は服を擦りながら通るほど(メタボ気味だから)。出口から入口を見下ろすと引き返し、またザックを背負ってコースを進む。

「世界の何だコレ!?ミステリー」でチョコレートプラネットが取材した土佐山の石と同名の「ゴトゴト岩」もあったが、押してもビクとも、ゴトともしない。尤も、土佐山の石も動かすにはコツがいるが。
他にも洞門風の岩が複数あるが、「山婆の洞穴」は中に一定の空間があり、かつてはそこに石像があり、「鏡岩」に映ったと言う。その鏡岩はいずこぞ。
進路上に一際大きな岩が現れるとここで右に進路が変わり、傾斜のある道になる。ここは段奈路(タンナロ)の滝(五郎の滝)へと続くコースの分岐になるので、覚えておきたい。
やがて右手に最後の怪石「金太郎の力石」が現れる。岩の割れ目の上に何百キロかの大石が乗っかっている。

ほどなく稜線の三差路に出て、北西に進むとすぐ大滝山山頂。ここには昔、役小角を祭った仏堂があった。広場の両側の岩上には石造祠が祀られているが、小さな鳥居のある方が石鎚神社。石鎚山遥拝所だけあり、確かに石鎚山の上部が山並みの上に突き出ている。観音岩ほどではないが、ここも北方の展望が開けている。
ここから三角点まではコースサイン・テープが案内してくれる。ここの四等三角点は、標石の天辺に銘盤を埋め込んだ新しいタイプのもの。残念ながら展望はないが、ここまで足を延ばすハイカーは少ないので、ゆっくり休止できる。

復路は前述の滝へのコース分岐まで戻り、直進して下る。その付近に蔵王岩があったと思う。
三差路に出ると、地面に段奈路の滝の道標が倒れている。その道標の道は、元々段奈路の水田に向かう道だった。それ故、途中で左に折れないといけないのだが、その分岐から滝の天辺までは、細く白い紐が案内してくれる。が、天辺に来たとて、滝を見下ろすことはできない。そこで廃道化した滝壺へ向かう道との分岐跡へ向かう。
そこは前述の倒れている道標の三差路から北西に20mほど行った所で、路面に岩が露出している箇所の手前。そこから適当に植林帯に下り、東に斜めに下って行く。運よく廃道後の獣道に出られたらいいが、往路は他の獣道と見分けがつかないと思う。当方も自分の勘を頼りに下って行った。
竹藪に来ると滝壺は近いので、耳を澄まして水の音を聞きながら進むと到着する。が、滝壺はないに等しく、滝も岩盤を伝ってちょろちょろと流れる位。土砂降りの雨後や長雨時でないと迫力のある流れは期待できない。駐車場向かいのM氏は落差が100m位の旨、語っていたが、実際は20mあるかどうか位。

帰路は岩沿いを伝って行けば、廃道化したルートが浮かび上がってくる。岩沿いの傾斜がきつくなると右へ向きを変えるが、道跡は竹藪で一部通行困難。が、迂回して竹藪区間を抜けて植林帯に出ると、人間の片足分位の獣道としてルートは辛うじて存続している。
登山道に戻ると後は下るのみ。このコースは下方でY字路がいくつもあるので、「上り」には利用しない方が良い。
辺りが開けると民家沿いを通るが、この付近の道は地図では確認し辛い。その民家の下方から北西に下れば完全な回遊コースになるが、ルートが判然としなかったため、直進し、東西に走る道路へ出たと思う。が、この辺りの記憶は曖昧。その道路を西に下って行けば、駐車場手前の大木と地蔵の分岐に出る。
この山はツツジの時期に登るといいと思うが、各所の道標や看板は再整備されない限り、朽ちて行くのみだから、早く登ることに越したことはない。

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