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無道二千m峰18/126/768

二児山( 南アルプス)

パーティ: 1人 (1357 さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

林道(7:10)出合(7:20)二俣(1,075m/8:50)二俣(1,590m/10:05)奥ノ二俣(1,995m/11:35)二児山(12:40~13:20)舟形沢(1,420m/14:40)林道(16:50)

コース

総距離
約5.9km
累積標高差
上り約1,184m
下り約1,182m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 仙丈ヶ岳と大仙丈ヶ岳に源を発する三峰川は仙塩尾根の西側を南下して塩見新道登山口で90度向きを変えて西行し、再度大曲で90度右折して北向きへと逆行する。南アルプス北西部とも言うべきこの山域には、二千mを超える山が思い掛けず豊富に存在している。今年の夏にこの付近の山頂を極める計画を立て、手始めに最も下流方に位置する二児山を目指す。
 ガラ空きの国道 256号線を飛ばして三峰川沿いに南下し、分杭峠への道と分かれて市野瀬から左へ入る。林道を大きく左へ曲がって塩沢を渡り、砂利道に変わると間も無く船形沢が正面に姿を現わす。
 沢登り支度をして出合いの直ぐ上流の急斜面から三峰川に降りる。頭上にモッコの渡しが架かっているが、これは使えず股下までの渡渉を行なう。船形沢の水量は(地図を眺めて予想していたより)多く、出合の上には朽ち果てた吊橋が残骸を曝して、対岸には古い仕事道が明瞭に残っている。
 直ぐ上流の高い堰堤を左岸から巻いて川原に降り、心止み難く竿を出す。「今日は登頂が主目的だ」と言い聞かせながら足早に釣り上がると7寸と8寸の岩魚が掛かる。水溜まりに入れて石で囲い、帰途に回収する算段をする。二俣の下で竿を仕舞って「遡行に専念しよう」と思う頃には、既に1時間以上が経過している。
 最初の二俣(4:5)を左に入って右から小沢を合わせる(1,340m)と2段6mの滝が現われる。3m、5m、4mのナメ、二俣(1,420m)、ナメ5m、ナメ状2段10m、3m、5m、二俣(1,540m)と滝が続くが、面白いのはあまり無い。
 次の二俣(3:1)の直ぐ上には2段12mの滝が落下しており左を巻く。2段10mのナメ滝を越えると二俣(1,750m、1:3、左)で、4mの小滝を3つ越え、二俣(1,895m、2:3)、二俣(1,940m)と進むと奥の二俣となる。この少し上で水が涸れ、大休止して靴を履き替える。
 水の涸れた沢を倒木が好き勝手に塞ぎ、シラビソの小木が沢筋をも侵食して登行の邪魔をする。黒い樹林の向こうに白い空が覗かれる様になり、「頂上近し」と期待して登ると緩い尾根の背に出る。成木の間に小木が五月蝿く生えた尾根を獣道を拾って北上すると、思った程の苦労も無く伐採されて明るい草の原の山頂に出る。
 急斜面の上に数坪の平坦地が乗っかっているかの様な特徴的な二児山頂で大休止する。二児の対のもう一方はガスの中深く姿を見せない。好天だが、仙塩尾根も薄霞の向こうに青く霞んで、沢や尾根の地形を偵察すべくも無い。
 下山は、当初の予定通り頂上から二俣まで続いている北東尾根を採る。獣道らしき物が尾根の背に続いており、これを辿って薮漕ぎからは逃れる。 1,800m付近が緩く広い尾根になっており、北寄りに分岐している尾根に入り込むと途中で右俣に落ち込んで終って岩場や滝の下降を強いられる恐れがあるので、方向に注意しながら慎重に高度を下げる。尾根の傾斜が幾分か増して、落葉や枯木に埋もれた明らかに作業道の残骸と思われるものが現われ、再び足が捗る。
 急斜面となり、気が付くと対岸の林が間近に迫って沢音が近い。沢底まではもう100m前後と思われ、目標の二俣ではなく左俣の方へ寄り過ぎた事を知る(1,750m付近で派生する右の尾根に入り込んだ様だ)。結局 1,420mで沢に降りる羽目となる。幸い、滝場よりは下流に降りたのでザイルを使う事も無く(沢の状態が全く判らないので、アイスバイル、ハーケン等を持参した) 順調に下降し、途中で竿を出して7寸物2匹を得る。遡行時に釣り上げた岩魚を確保していた場所は捜し当てる事が出来ず、惜しみつつ下降して出合に戻る。
 明日は抜沢から笹山に登り、笹薮の可能性が大きい尾根を北上して黒河山を踏み、尾根か沢を下降する予定で、大曲まで車を走らせてテントを張る。
 流木を集めて川原で焚火をして岩魚を焼き、ウィスキーのお湯割りが胃の腑に熱く沁みて好い気分になる頃には周りに夕闇が迫り、堰堤から落ちる水音のみが響いて永遠の時間を思わせる。空には遅れ馳せの星々が現われて、山中に居る喜びが膨らむ。

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