行程・コース
天候
初日:雨のち雪、2日目:晴れ、3日目:曇りのち雪
登山口へのアクセス
その他
その他:
往路:甲斐大泉駅→天女山駐車場(八ヶ岳いずみ荘から徒歩)
復路:天女山駐車場→甲斐大泉駅(天女山駐車場から徒歩)
この登山記録の行程
【1日目】
八ヶ岳いずみ荘で前泊
【2日目】
八ヶ岳いずみ荘(05:00)・・・天女山(06:46)[休憩 14分]・・・天女山登山口(07:06)・・・天ノ河原(07:20)[休憩 15分]・・・海抜1800mの石柱(08:35)・・・前三ツ頭(12:05)
※前三ツ頭山頂に幕営
【3日目】
前三ツ頭(04:10)・・・海抜1800mの石柱(05:40)[休憩 5分]・・・天ノ河原(06:10)・・・天女山登山口(06:20)・・・天女山(06:26)[休憩 14分]・・・甲斐大泉駅(07:35)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
幕営地を検討したり、行動の遅れなどから計画を組み直したりと、雪山はキャンプ地が指定されていない所を目指すのが面白い。そんな理由から計画したのが厳冬期の権現岳だ。
権現岳を選んだのは、公共交通機関を使ってアプローチできるという点だが、最寄りの駅は小海線の甲斐大泉駅で、駅前からのバスは通勤通学用に朝夕のみ、朝イチで出発しても、到着するのは11時近くで、天女山ゲートまでタクシーを使っても時間的なアドバンテージはない。
そこで、駅から数百メーターにあるパノラマの湯という入浴施設と併設されている八ヶ岳いずみ荘に前泊し、早朝出発する事にした。
初日、八ヶ岳いずみ荘に到着後、至る所に看板があったタクシー会社へ電話をし、明日の6時迎車は可能か訪ねたところ、朝は7時からとの事だったので、翌朝は5時にいずみ荘を出て天女山ゲートへ向う事にした。
この週は雨続きで八ヶ岳でも雪解けが進んだ様だったが、この日は気温が下がって雪となり、翌朝の予報も良いとあって期待できそうだった。
計画通り、5時にいずみ荘を出て、アイスバーンに雪が積もった緩い勾配の歩道を1時間程かけて天女山ゲートまで歩いたが、他に歩いている人は居なかった。
ゲート前の駐車スペースはほぼ満車、ゲート脇の登山届け入れに登山届けを入れて天女山を目指した。
天女山への道は森林公園の遊歩道の様で、天女山へすぐに到着した。
既に日は揚がり、朝日に照らされてピンク色に染まった富士山や南アルプスがキレイに見えた。
天女山から天の河原までもそれほどの距離ではなく、話をした人に写真を撮ってもらい、この方に「荷物重そうですね。」と聞かれたので、「水込みで21kgはありますよ。」と答えたところ、「変態ですね~。」と最高の賛辞を頂いた。
天の河原で、雪はくるぶしくらいだったがアイゼンを装着した。
天の河原を過ぎるとすぐに雪が少なく、ゴロゴロした石が至る所で転がる状態に変わった。
時々、アイスバーン状の地面に石が埋まっている様な場所や、行き方待ってザクザクしている場所が混在している状態で、岩にこすれるアイゼンのキーキー言う嫌な音が続く上、気を抜くと岩の上で滑ったり、アイゼンを引っかけそうになるので歩きにくい。
アイゼンを外すかどうか悩んだが、厳冬期の八ヶ岳なので、いきなりアイゼンが必要な場所になった時には装着に良い場所がないという事があるのでそのまま進んだ。
2000m手前辺りから急登が始まったが、相変わらず雪は少なく、気持ちよくアイゼンを効かせてザクザク進めるところが続かない。
重いザックでバランスを崩さない様に登っていく後から、日帰りらしい軽装の登山者に次々抜かされた。
12時過ぎに、前三ツ頭山頂に到着したものの低血糖で気分が悪くなる。
前三ツ頭山頂は、計画していた幕営地だったので、尾根の東側の雪上に設営した。
雪が少ないため、傾斜をカバーできなかった上、風よけのブロックを切り出せる程n積雪もなかった。本当に、今2月?
設営後、空荷で権現岳を目指す計画だったが、急速に西側から上がってきたガスに三ツ頭が包まれて見えなくなったのを見て、「明朝にするか・・・」と妥協した。
小淵沢や笛吹市に面しているため、電波のばっちり入る環境であったため、マメにチェックしていた天気予報も、25日の午前中は曇りながらも穏やかな予報を示していたし、この素晴らしいロケーションでの一泊に、充分満足した気分だった。
日が落ちて暗くなってから星空を撮影しようと思っていたが、夜景の綺麗な山からは、星が綺麗に見えにくい上、この日の月齢は14とほぼ満月であった事から、綺麗な星空は諦めて19時過ぎには就寝した。
23時頃にテントを激しく叩かれる衝撃で目覚めた。
拭かない予報であったが、尾根西側からの激しい風、西側の斜面が砂礫の赤い斜面なのは、この風の吹く地形の特性なのだろう。
東側は樹林帯になっており、テントごと飛ばされたとしても、すぐに木に引っかかるので大きくは落ちないだろうと考え寝続ける。
しかし、テントを叩く風は延々とテントを叩き続け、殆ど寝られなくなった。
寝られなくとも、横になっていれば体は休まるので、権現岳は諦め、この後、どのような手順でテントを撤収するかを頭の中で繰り返す。
予定通り、2時まで寝ながら出した結論は、テントが飛ばされない様に中で荷造りし、ザックをテント内に残置して、ポール撤去、アンカー回収、テントを押さえてザックを抜き取り、テントはフライも含めて丸めてザックの雨蓋に挟んでからアイゼンを装着し、風裏になる尾根の東側へ降りるというものだった。
来ていたダウンを収納し、ハードシェルを着込んでジッパーを上げると噛んで動かなくなった。これで15分のロス。帰宅後、すぐに手入れしたが、こうした小さなトラブルが命取りになる。
装備を収納して尾根の東側へ降りると、全く風はなかった。
登りと同じくアイゼンを引っかけない様に注意しながら1900m付近まで降った。
1800m付近から雪が降り始め、帰りはためらいなく、アイゼンを外して天女山ゲートまで下り、6時半過ぎには天女山ゲートに到着した。
ここでタクシーを呼ぼうかとも考えたが、次の甲斐大泉発、小淵沢行きの電車が8時54分なので、装備の片付け時間も考慮して、雪の降る中を甲斐大泉駅まで歩く。
周囲に時間をつぶす店もない甲斐大泉駅だが、日本第3位の標高の駅で有り、駅の待合は寒いが、駅のトイレは暖房が効いてウォッシュレット付きという、下山者を包み込む様な山旅の終着だった。
山行の計画、不足事項の発生、計画の見直し、ご褒美の絶景、想定外のトラブル等、フルコースを味わえる山行だったと、生還してしみじみ思う山旅だった。
それにしても、数時間にわたる強風下の変形に耐え続けたステラリッジの凄さには感動したよ。
フォトギャラリー:42枚
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ソフトシェル・ウインドシェル | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 |
バックパック | サブザック | スタッフバック | スパッツ・ゲイター | 水筒・テルモス | ヘッドランプ |
予備電池 | タオル | 帽子 | グローブ | サングラス | 着替え |
地図 | コンパス | 腕時計 | カメラ | 登山計画書(控え) | ナイフ |
修理用具 | ホイッスル | 医療品 | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 |
テーピングテープ | チェーンスパイク | トレッキングポール | GPS機器 | テント | シュラフ |
テントマット | スリーピングマット | ストーブ | 燃料 | ライター | カップ |
クッカー | カトラリー | アウターウェア | オーバーパンツ | バラクラバ | オーバーグローブ |
雪山用登山靴 | アイゼン | ピッケル | ショベル | ゴーグル | ヘルメット |
【その他】
装備重量:約21.5kg 食料:1日夕食@八ヶ岳いずみ荘で夕食 2日朝食@ランチパック&チキンラーメン、昼食@行動食、夕食@アルファ化米+チキンラーメン+味噌汁 3日朝食@アルファ化米+味噌汁、昼食@行動食 非常食:アルファ化米 水:0.9L(熱湯)+0.75L(白湯・行動時)、テン場到着後は経口補水液を摂る(経口補水液の500ml用粉末持参) (使用量/保有量@初日:0.6L/0.75L、2日目:0.2L/0.75L) ガス使用量:16g(調理回数2回+コーヒー沸かし) 気温:日中:-4~8℃程度、夜:-3℃、明け方:-8~-4℃ 日没/日出:17:36/06:24(2/24) エスケープ:行動可能な場合、同じ経路で最短の登山口へ下山する。 その他:スノーフライを3シーズン用のフライに変更して軽量化 これまでは中間着にフリースを着用していたが、今回亜、ソフトシェルに変更した。 フリースは汗抜けが良すぎてハードシェルの裏で結露して濡れ気味だったのに対し、ソフトシェルは 結露しにくかった上、暑くなった時にハードシェルを脱いでも防風性があって快適だった。 寝る時はフードを被ってシュラフの脂汚れを防止した。 |
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