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スマイルに出会った宇都宮アルプス

男山、本山、飯盛山、高館山、黒戸山、鬼山、兜山( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビには「子どものもり公園」をセット。舗装された綺麗な駐車場(無料)。

この登山記録の行程

子どものもり公園(06:32)・・・男山(527m) (07:06)・・・本山(561m)(07:19)・・・飯盛山(501m)(07:54)・・・高館山(477m)(08:28)(朝食~08:49)・・・黒戸山(412m)(09:08)・・・鬼山(372m)(09:26)・・・兜山(372m)(10:01)・・・黒戸山(10:29)・・・高館山(10:47)・・・飯盛山(11:20)・・・子どものもり公園(12:27)

コース

総距離
約16.2km
累積標高差
上り約1,569m
下り約1,569m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

「週末はテントを背負って雪山だ!」と楽しみにしていたが、突然、届いた訃報に気持ちが暗転してしまった。あまりにも突然で早すぎる死。数日前には笑って会話をしたばかりというのに。。。
山に行っている場合ではないと、詰め込んだテント装備を片付けながら、天井を見つめるが、どうにも心がざわざわとして落ち着かない。こんな時はやっぱり山しかないと思った。楽しみを背負って登るのも山。同時に、悲しみを受け止めてくれるのも山だと思う。
静かに歩ける山が良いと目的地を「宇都宮アルプス」に設定した。
以前から名前は知っていたが、低山過ぎて足を運ぶのは初めてだった。
ご当地アルプスの一つで、正式名称は「篠井富屋連峰」。
宇都宮市北部の篠井、富屋地区にある標高500m前後の山並みで、北から、「榛名山」、「男山」、「本山」、「飯盛山」、「高館山」、「黒戸山」、「兜山」の山々が連なっている。そのうち最高峰は標高562mの本山となっている。
早朝、まだひと気のない子どもの森公園に車を停めて歩き出す。
駐車場にはひと際大きな桜が咲いていた。桜吹雪でハラハラとピンクの花弁が舞っている。桜自体はだいぶ葉桜となっていたが、まだまだ見事な景観だった。
公園だけあって、登山道と言うよりは遊歩道のような道を進んでいく。
森の中に射し込んでくる朝日がとても優しく心地よかった。
看板に導かれ進んでいくと、徐々に登山道らしくなってきた。
オレンジ色の山ツツジに淡いピンクのミツバツツジが所々に見られた。
分岐点で右に折れると「榛名山」と言う標識が目に入った。コースをよく調べてこなかったので、どちらに進むか悩んだが、真っすぐの「男山」という名前に惹かれて、榛名山は後回しにしてしまった。これが失敗。帰路に立ち寄ろうと思っていたが、別な道を使ってしまったので、結局、榛名山のピークを踏むことは無かった。
かくして、一つ目の山として男山のピークを踏み、続いて最高峰の本山へと向かう。
本山は見晴らしがよく、歩いて来た男山が良く見えた。
本山からは右に回り込むように進んでいく。
緩やかなアップダウンだと思っていたら、突然、ガレた斜面が目の前に立ちはだかった。
「落石注意」の看板があったが、本当にその通りで急登に加えとても崩れやすく注意が必要だった。おそらく飯盛山の登り降りがアルプスの中で最も急斜面だと思われる。山の名前からして、おそらくもりもりと茶碗いっぱいについだ飯のような山容をしているに違いない。
飯盛山で食事をとろうと思ったが、先客がいたのでそのまま進むことにして、「高舘山」で休憩をとった。
続いて「黒戸山」を通過して「鬼山」へと向かう。
地元にも鬼と名前がつく山があったが、ここにも鬼伝説があったのだろうか。登ってみると、そんな雰囲気の大きな岩がゴロゴロとしていた。
山頂直下に赤いテープが見えたので、回り道があるのかと思い急な斜面を降ってみたが、どこまで降っても道はなかった。仕方なく途中で戻ろうかとも思ったが、それでもその先の藪の中へ誘うように赤いテープが続いていたので、興味本位でそのまま降ってみた。
結局、無責任なことに赤いテープは突然途切れてしまったが、目の前に巨大な岩があったので、ひょっとしたらその岩への目印だったのかも知れない。「天狗の腰掛岩」とかありがちだと思った。
来た道を戻るのも大変そうだったので、そのまま藪漕ぎをして回り込むように来た道に戻る。ずり落ちそうな斜面と藪がかなり厄介だった。
続いて兜山を目指す。最初どこから登ってよいのか分からず、車道をぐるぐると周ってしまった。
その途中で車から大きなマットを降ろしている青年に出会った。挨拶とともに装備を見て「ひょっとしてボルダリングですか?」と聞いてみた。
「この近くにゲレンデがあるのですか?」と続けた言葉に「そうです」と爽やかな返事が返って来た。昔、ケイビングをやるためにボルダリングをかじったことがあるので、好奇心から「やってみたい」という感情が湧き上がったが、邪魔をしては悪いと少しだけボルダリングの話をお聞きしてから分かれた。とても気持ちの良い青年だった。
車道を歩いていると左わきに登山道のような踏み込み口を見つけた。
看板や標識も無かったので登山道ではない可能性も高かったが、とりあえず入ってみる。だいぶ深くまで続いていたが、進んでいくと案の定、点検道だったようで、大きな鉄塔の下で道が途切れていた。そこから先は、藪が生い茂っていたが、険しいほどではなかったので、そのまま頂を目指して登っていく。
トゲトゲの枝をかき分けて登って行くと頂の手前で登山道に出た。頂はそこから数分程度だった。森の中と言った感じで鬱蒼としていたが、大きな岩があってその上に立つと先ほど登ってきた鬼山が綺麗に見えた。
降りは登山道を使い戻る。あっけないほど一瞬での下山。やっぱり登山道は偉大だ。
縦走してきた道を、黒戸山、高館山、飯盛山の順で戻り、飯盛山で足を止める。
心地よい汗をかいたので、だいぶ気持ちが落ち着いてきた。やっぱり山はいい。
亡くなった方を偲ぶため、山頂の標識の横に立ち暫く黙とうをした。目を閉じると遠くの鳥の声や風の音が良く聞こえた。
その後、別ルートを使って子どもの森駐車場へ戻った。
榛名山に立ち寄れなかったのは残念だったが、宇都宮アルプスとしては、自然に囲まれたとても素敵なルートだったと思う。
沈んだ気持ちを慰めるためにやってきたが、静かでピッタリの山だった。特に、歩いている最中に、ほこっとするできごとがあった。
登山道脇にあった小さな切り株。そのまま通り過ぎようと思ったが、よく見る三日月状の割れ目の上に小石が2つ置いてある。小石が目で、割れ目が笑った口を模している。
「これってニコチャンマークだ!」と思った瞬間、「くすっ」と笑ってしまった。
粋ないたずらに、心が温かく照らされたような気持ちになった。
名無しの方へ、有難うございました。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • どんな時も山は受け止めてくれるのですね

  • そう、悩んだ時はやまにいけ!だね。

登った山

篠井富屋連峰

篠井富屋連峰

562m

本山

本山

562m

兜山

兜山

372m

よく似たコース

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手軽に縦走できる宇都宮市民健康ハイキング

最適日数
日帰り
コースタイプ
縦走
歩行時間
5時間42分
難易度
コース定数
24
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