行程・コース
天候
1日目:曇り時々雨
2日目:晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
丹波山村村営駐車場を利用。新しくできた村営の無料駐車場。約40台。カーナビには「鴨沢バス停」もしくはその横にある「お食事処 木漏れ日」をセットするとよい。東京方面から来ると、バス停の手前で細い林道を上って行くと10分程度で駐車場に着く。入り口脇にトイレがあるのですぐに分かる。週末は混むため7時前には到着しておいた方が良い。鴨沢バス停へは、林道ではなくトイレ裏にある登山道のショートカットで鴨沢バス停まで直接アプローチできる。もっとも、バスは便数が少ないため「お祭り」バス停までであれば歩いた方が早い。
この登山記録の行程
丹波山村村営駐車場(08:12)・・・鴨沢バス停・・・お祭りバス停(09:14)・・・塩沢橋(10:34)・・・後山林道終点(11:55)・・・三条の湯(12:30)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
<2日目の日記>
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=307545&preview_flg=1
山に行こうと。
山で酒盛りがしたいと。
懐かしい友人から少し前に連絡が来た。友人と言っても昔一緒に仕事をした関係で、すでにリタイヤされている年齢的には大先輩の方。
勢いに押されて「いいですよ」と返事したもののすっかり忘れていて、つい先日に再び連絡を貰い「どこへ行こう!」と言われ慌てふためいてしまった。
もともと趣味で登山はされていたが、そろそろ年齢的に厳しく、家族からも一人登山は止められているため、どうしても山へ連れて行って欲しいとのこと。
事情を聞くと断る訳にはいかない。しかし、登山経験者と言っても趣味レベルなので、普段の自分や仲間たちと行っている登山とは一緒にできず、能力に合わせた設計が必要となる。
酒盛りができて、それなりの山を堪能できる場所と頭を巡らせ、思いついたのが、「雲取山」と「三条の湯」だった。約10年前に同じコースを歩いたが、その時の記憶が未だ忘れられないと、ことあることに思い出す山と山小屋で、特に三条の湯は滅多に山小屋を利用しない自分が、もう一度泊まりたいと思ったほど素敵な小屋だったので、再訪する良い機会だと思った。
かくして、友人からの依頼登山というよりも、懐かしのコースを辿る山旅計画が始動した。一週間前から天気予報が気になり毎日チェックをしていたが、ずーっと微妙な状態が続き、結局、雨マークが取れないまま当日を迎えた。
早朝、友人をピックアップして丹波山村へと向かう。
明るくなってきた空には鉛色の厚い雲が広がっていたが、東京都内を出る頃にはポツポツと雨が降って来た。
小河内ダムと奥多摩湖を過ぎて、鴨沢バス停の手前で細い車道に入り急な斜面を登っていくと、くねくねした道の先に村営の無料駐車場が見えてきた。新しくできた駐車場でトイレも整っている。シーズン中は激込みと聞いていたので早めに到着するよう急いできたが、平日に加えて悪天候と言うこともあり数えるほどしか車は停まっていなかった。
今回の登山計画は、1日目に「鴨沢」から「お祭り」まで移動して、ひたすら林道歩きをして三条の湯を目指す。2日目は三条の湯から三条の湯コースを使い雲取山の頂を目指した後、鴨沢コースで駐車場まで戻ってくる予定を立てている。
その計画もいきないバスの時間を間違えてしまい、すでに出てしまった後のようだった。奥多摩の超ド田舎だけあって、貴重な朝のバスを逃すともう当分ない。
「失敗したな」と思ったが、言うほど焦っていなかったのは、バスに乗らなくても鴨沢からお祭りまではそれほど離れていないため、十分歩くことが出来る。むしろ今日は時間に制約がないので、ゆっくり歩いていくことにした。
幸い雨は霧雨だったので、レインウェアを着込むほどではなかった。
トイレ裏の山道を使いショートカットで鴨沢のバス停まで降り、車道をテクテクと歩きお祭りまで移動する。そこから先は、ひたすら長い林道を進んでいく。幸いなのはほぼ水平移動ということ。
道中、「紅葉が楽しめると良いな」と期待していたが、シーズンには少し早く微かに色づいた程度だった。もっともここ最近は繰り返し残暑の波がやってくるので、今年は鮮やかな紅葉は難しいのかも知れない。
途中の橋の手前でコーヒーと茶菓子で小休止を入れた以外は歩きづくめで、ようやく林道の終点にたどり着く。そこから先はようやく本格的な山歩きとなるが、三条の湯までの残り工程は1/5程度と実はかなり近いところまで来ている。
「なんとか本降りにならずに良かったですね」と空を見上げた途端、ポツポツと大粒の雨が降って来た。「やばい」。
尾根の一つを回り込んだところで、樹々の間から沢近くに2張のテントが見えた。三条の湯のテント場だ。ゴールも近いとラストスパートをかけ、雨と競い合いように三条の湯に駆け込んだ。
懐かしい建物は一部改装したのか新しくなっているような気がした。屋根の上の煙突からモクモクと煙が立ち上っている風景は昔のままだった。
チェックインを済ませ、部屋に荷物を置くと直ぐに食堂へ向かい缶ビールで乾杯。
かなり手前まで車を使った物資運搬ができるためか、350mlのキリン一番搾りが500円と気持ち安かった。ついでにおつまみとして、貴重と書かれた鹿肉の燻製なるものも購入した。ビニール袋に入った僅かな肉片で、見た目すこぶる怪しかったが、食べてみるとこれがなかなかの美味だった。
ちなみに部屋は前回同様、大部屋のごろ寝を想像していたが、宿泊者が少なかったことから、山小屋の方が気を利かせてくれてなんと個室を割り当ててくれた。コロナ以降、2食付きで9,500円は超安いと思ったが、偶然とはいえ個室にも泊まれるなんて超ラッキーだった。
有難いことに13時からお風呂に入れるという。濡れた服が肌寒かったので、早速、入ることにした。以前入った時は真っ暗闇で何も見えなかったが、明るいお風呂は木の香りが漂う清潔感ある作りだった。一番風呂ではなかったが、丁度、一番目の方と入れ替わりで入ることが出来、大きな湯舟を独占し、綺麗なお湯につかることができたこともラッキーだった。もう少し熱ければ申し分なかったが、とても良いお湯質だった。ちなみに三条の湯は鉱泉で、組み上げた水をまきで沸かしている。炊事場にもまきが使われているようで、到着時に懐かしいと感じたように、建物のあちこちから煙突が延びていて、立ち上る煙が三条の湯らしい情緒を醸し出している。
さっぱりしたところで、食堂に戻りテーブルを陣取り宴会を開始。小雨が降り続いていたので、散策を諦めてじっくり酒を交わすことにした。
夕方になり、待ちにまった夕食タイムがやってきた。
山小屋で一番の楽しみと言えば夕食。三条の湯の晩御飯は、豪華ではないが季節の地物が使われていて、とても美味しかった記憶がある。今日の夕食も木製のプレート上にいろんなおかずが乗っていた。洒落た感じで、食べてみるとどれも味が素晴らしかった。個人的に気に入ったのが、ミョウガの味噌汁。お代わりをしようと思ったが、残念ながら直ぐに品切れとなってしまった。
大満足で食事を終え、4:00の出発に備えて早めの就寝とする。
三条の湯の標高が1,130mに対し、雲取山は2,017m。約1,000mの高度を一気に登ることになるので、朝一番が大仕事となる。



















