行程・コース
天候
晴れのち曇り
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
「チャレンジコース」に参加。「チャレンジコース」は「健脚コース」の「湯の岳展望台駐車場」とは集合場所が異なるので注意。当初の案内には「常磐道湯本IC付近駐車場」と書かれていたため入口にある有料駐車場のことと勘違いしいていたが、こちらは高速バス専用駐車場につき要注意。正しくは「トミー株式会社 駐車場」。カーナビで「トミー」と検索。確かにICから近いが紛らわしい。トイレなし。また、受付後、マイクロバスで出発地点の「湯の岳田場坂登山口」まで移動するため時間内に到着のこと。
この登山記録の行程
湯の岳田場坂登山口(06:30)・・・パッカーン石(06:59)・・・湯ノ岳(07:29)・・・田代CP(08:12)・・・天狗山(08:36)・・・三大明神山(09:03)・・・三大明神三叉路CP・・・二ツ石山(09:32)・・・<林道・車道>・・・水石トンネルCP(10:20)(エイドステーション休憩)・・・成沢CP(11:01)・・・閼伽井獄(あかいだけ)(11:47)・・・閼伽井獄分岐のエイドステーション(11:57)・・・水石山・水石山CP(12:20)・・・剣ヶ峰(12:53)・・・<玉ころがし・小玉ころがし>・・・小玉ダムキャンプ場ゴール地点(13:20)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
はじめに。。。
山を始めた頃は、ヤマケイやYamapのようなSNS系サービスは無かったので、若かりし頃の記録は残っていないが、ヤマケイに登山日記を書くようになって早10年と少し。今回の「いわき七峰縦走」で、いつの間にか走破距離の累計も7,000kmを越えた(祝!)。
七峰と7,000の7繋がりの「奇跡」。まるっと想い出の詰まった「軌跡」の積み重ね。これからも絶景を求めて、地球一周くらいの気持ちで歩き続けたいものだ。
数か月前、仕事から戻りポストを開けると、封書が一つ入っていた。
送付元の「いわき七峰縦走」と書かれた文字を読み、パーっと顔が明るくなったのを覚えている。
コロナ禍とコース上の二ツ石山付近で行われていた工事の関係から、長い間、中断されていたが、実に5年ぶりの再開が決まったという知らせだった。休止期間中、場所(山)を変えて大会を繋いでいたが、やはり「いわき七峰縦走」と言えば、なんと言っても「湯ノ岳」だ。迷うことなく、一番距離の長い「チャレンジコース(30km)」に申し込んだ。参加費4,500円也。
大会当日の出発が早いので、前日入りでいわきへと向かう。
道の駅「よつくら港」で車中泊をしようと考えていたが、微妙に距離があったのでネットで「トイレのある駐車場」を検索して、「スポットパーク好間」を拠点にすることにした。国道49号線(平バイパス)沿いにあり、行き交う車の音が少々煩くて難点だったが、16台駐車可能でトイレ・水飲み場・ベンチ・自販機もあり、道の駅に匹敵する快適さだった。
暗くなるとともに早めに就寝し、大会当日、早朝3時に起床した。
身支度を整えて、同じく大会に参加するという後輩をホテルに迎えに行う。先輩が車中泊で、ホテルに泊まっている後輩を迎えに行くという構図。冷静に考えればイラっとするが、約束してしまったので仕方がない。
ただ、自分の「チャレンジコース」に対して、後輩がエントリーしているのは「健脚コース(27km)」。そうなると問題が2つ発生する。
まず、出発地点が異なるので、最初に後輩を健脚コースの出発地点である「湯ノ岳パノラマ展望台」に連れていかなければならない。これが意外に距離があってめんどくさい。イラっとその2だ(笑)。
2つ目は、スタート時間の問題。当たり前だがコースが長い分、チャレンジコースの方が健脚コースに比べて集合時間が早い。従って、自分が間に合うように集合するためには、後輩を必要以上に早く送り届けなければならない。そうなると、後輩は送り届けられた後、車も無く一人ぽっちの状態で、極寒に耐えつつ明け方のスタートを待つことになる。おそらく約2時間。これはさすがに人情的に問題がある。
「厚着をしてきたので大丈夫」と強がる後輩。さすがに一人残していくのは気がかりだったが、実際に車の外に出てみると耐えられないほどの寒さではなかったので救われた。
せめてもと、車の中で少しでも暖が取れるよう予定よりも長めに展望台の駐車場で待機してから、後輩と分かれてチャレンジコースの集合地点へと向かった。
参加申し込み後に封書で届いた参加案内には、チャレンジコースの参加者は「常磐道湯本IC付近駐車場」へ集合と書かれていた。「付近ってなんだ?」と曖昧な表現が心配になって、前日のいわき入りをした際に下見で確認に行ってきた。確かにそれらしい駐車場はあったが、看板には「高速バス利用者専用」と書かれていた。明らかにおかしいと、その後、ネットを調べて、主催者「石城(いわき)山岳会」のホームページに、詳細案内があることを見つけた。そこには、正確な集合場所が記されていて、正しくは「トミー株式会社 駐車場」が集合場所であることが分かった。詳細説明によると、封書とは別に参加者宛にメールが送信されていたようだったが、スパムと誤認されたのかすっかり見落としていた。前日に下見をしておいて本当に良かったと思った。
受付開始の5:30にあわせて駐車場へ到着。
既に多くの車が停まっており、自分の後にもゾクゾクと車が入って来た。
まだ薄暗い中、スタッフの方がヘッドライトを点けて、忙しそうにしている。我々のために、有難いことだ。
受付を済ませ参加証を受け取る。ゼッケンと異なり、スキーのリフト券を入れるような腕章のケースに入った参加証だった。装着がラクチンでこれは便利だ。
選手番号「147」。
チャレンジコースは、集合場所と出発地点が分かれているため、移動のための無料バスに乗り込む。5:20。助手席まで埋まったすし詰め状態で、自分と残り2人が入ると満席になった。
膝の上にザックを抱え、身体を小さくして出発を待つ。
参加者の半分以上はトレランの出で立ちをしていた。
六甲全山縦走は徹底して走ることを禁止しているが、いわき七峰縦走ではそこまで厳しいルールは設けていないため、トレイルランナーの参加も多い。ただ、個人的には速度があまりにも違うので、安全のためにも登山者の大会に特化させた方が良いと思う。そもそもトレイルランの大会は今どきどこでも開催されているので、わざわざレースでもないこの大会に参加しなくても良いのではと思うが、それは人それぞれだろうか。
6:20に大きく揺れながらバスが動き出した。ようやく動き出したのでホッとしたが、実は集合場所からそれほど遠くはないため、僅か10分ほどで出発地点の「湯の岳田場坂登山口」へ到着(正確には登山口手前の広場)した。
バスを降りると、スタッフの「各自、スタート時間を記録して、各自、歩き出してください!」という掛け声で、全員がバラバラと歩き出す。
タイムや順位を競う訳ではないが、なんとも緊張感の欠ける出発だ。
それでも「スタート」を切ると、自分の中で「やるぞー!」という思いで緊張感が高まる。車道を数100m進んだところにある湯の岳田場坂登山口から「いよいよ大会開始!」と、山へ踏み込んでいく。
朝日が射し込む森の中を、アップダウンを繰り返しながら、徐々に高度を上げていく。
スタート時点は肌寒かったが、動き出したことで体温が上がり、むしろ外気が心地よく感じる。
歩き出して20分が経過。身体が温まってきたので、本格的に加速していく。今日は一応、本気モードで歩くと決めていた。
腕時計を見ると丁度7:00。ということは、後輩が参加した健脚コースもスタートを切ったはず。最初の目標は、1時間以内に後輩に追いつくことだ。
07:29、湯ノ岳山頂へ到着。意外に早く七峰の一つ目を攻略した。休むことなく次の山へ向かう。
07:38ついに後輩を捉える。1時間は要すると想定していたが、まさかチェックポイント1「田代」の手前であっさりと追いつくとは思ってもいなかったので拍子抜けをしてしまった。
「飛ばすぞ!」と後輩に声をかけ一緒に歩き出すが、返事があったのは10分程度で、静かになったと不思議に思い振り返ってみるといつの間にかいなくなっていた。脱落早すぎだ(笑)。
8:30、2座目の「天狗山」へ到着。
朝日と澄んだ空気が心地よく、軽快に縦走路を進んでいく。
続いて8:57、3座目の「大明神山」へ到着。山頂から数分ほど歩くと林道に合流し、チェックポイント2「三大明神三叉路」で選手番号のチェックを受ける。
林道を進んでいくと遠くに風力発電の大きなプロペラからゆっくり回っているのが見えた。近づくにつれ、「ブオーン、ブオーン」と低周波の音が響いていた。
4座目の「二ツ石山」の手前までやって来たところで、スタッフに「先に二ツ石山へ行ってください!」と誘導される。二ツ石山の頂はコースから少し外れたところにあるため、頂を踏んだ後にピストンで戻ってくる必要がある。
8:28、「二ツ石山」へ到着。
分岐点まで戻り、次の山を目指す。
笹が一面に広がる森の中を進み、たどり着いた先の尾根沿いにゆっくりと降っていく。途中、トレランのお姉さんと一緒になった。おそらくこの辺が、コースの中で一番の紅葉エリアだと感じた。色とりどりの光景に、「歩いては立ち止まり写真を撮る」の繰り返しだった。
山を降り林道に合流。
今度は林道を使い一旦里まで完全に降り切って次の山を目指していく。本来であれば長い林道歩きは遠慮したいところであるが、里山を楽しむ大会だと思うと歩いていて景色の変化が面白い。
10:18、チェックポイント3「水石トンネル」に到着。
このCP3には唯一時間制限が設けられており、12:30までに通過しなければ強制的にバスで回収されてしまう。実はこの時点では、この制限時間を「水石山、12:30」と勘違いしていて、「トレラン並みにスピードを上げないと厳しいな」と一人焦っていた。初参加でもないのに、とんだ勘違いだった(笑)。
CP3近くの民家にエイドステーションがあったので、トイレを借りるついでにお菓子を頂く。焦っていた割には、振舞われたエナジー系ドリンクが美味しくて、ついお代わりが欲しくて長居をしてしまった。
出発の時、1台の救急車が入って来た。あとで知ったが、転んで腕を怪我された方がいたとか。大きな怪我でないとよいが。。。とにかくこの手の大会は安全第一だ。
水石トンネルを越えて、再び長い車道歩きが続く。
高速の陸橋が見えてくると、なにやら動物の匂いがしてきた。
前回、強烈な印象だったので、その正体は忘れもしない。
「今日も会えるかな?」とワクワクしながら行ってみると、果たして陸橋の高架下に白い大きな馬が佇んでいた。
「なぜ、こんなところに馬が?!」というミスマッチな光景。しかも、道から僅か数m先の手を出せば触れそうなくらいの距離感に毎回驚かされる。
その馬のいるところから50m程進んだところにある牧場のものだと思うが、あまりにも自由奔放な馬の飼い方に、今どきであれば警察の指導が入るのではと心配になってしまう。
10:56、チェックポイント4「成沢」を通過。
長い林道歩きを終えて、ようやく山道へ入り登山モードに戻る。
コースは沢沿いに延びていて、渡渉を繰り返しながら高度を上げていく。ゴロゴロとした岩がとにかく歩きにくくて足首への負担が大きかった。
沢から離れ、ようやく斜面に移り進んで行くが、ここはここで意外に傾斜があり息が切れそうだった。感覚的にはコースで一番の急登だったと思う。
登り切った先の車道で待ち構えていたスタッフの方が「受付前に山頂に行ってきてください!」と声を張り上げ、チェックポイントとは反対方向へ誘導している。
二ツ石山と同様で、次の「閼伽井獄(あかいだけ)」もコースを外れたところにある。
「さっさとピストンして戻って来よう」と頂を目指すが、これが思っていたよりも遠い。「前回もこんなに歩いたっけか?」と記憶を疑ってしまった。
11時42分、5つ目の閼伽井獄に到着。フリガナ無しでは読めない難しい字だ。スタッフの方に聞いたら「地元でもなかなか読める人は少ない」と言っていた
三角点にタッチをして折り返す。
11時53、チェックポイント5「閼伽井岳分岐」で番号を申請し、エイドステーションでお茶だけ頂き次へと進む。ここから先はさらに加速をしていく。
12:20、6つ目の「水石山」に到着。
勘違いしていたとはいえ、目標の12:30までに水石山に到着することが出来た。「やるな、自分!(笑)」。
眺望を楽しみに水石山までやってきたが、早朝、雲一つない青空だったのに、いつの間にかどんよりとした雲で空が薄暗くなっていた。風が少しでも吹くと肌寒くてじっとしていられなかった。
見晴らしの良い丘で腰を下ろしゆっくりお昼ご飯を食べようと思っていたが、風を遮る場所がなかったので、諦めることにした。幸い昼食は手巻き寿司だったので、手に持って歩きながら食べることにした。
12:48、7つ目の「剣ヶ峰」に到着。ついに最後の山をクリアー。
前回来た時は頂の手前に急登があったと記憶していたが、気が付いたらあっさりと山頂に着いていた。その代わり、反対側の下りは激坂で、気を抜くと滑り落ちそうな勢いだった。
ここまで来ると、後はもうゴールに向かってまっしぐら。足の疲労も無く、まだ余裕ありありだった。ラストスパートで先へと進む。
ゴール直前で名物「玉ころがし」「小玉ころがし」の激坂ゾーンに入る。落ち葉でズルズル滑りながらも降っていくと、遠くに湖が見えた。ゴールとなっている小玉ダムがせき止めて造られたダム湖だ。「もう、あと少し」。
13:15、「お疲れ様です!大変でしたか?」とスタッフのお姉さんに迎えられながらゴールの旗をくぐる。黄色の旗には「いわき七峰縦走」の文字が大きく書かれていた。
ゴールの受付を済ませ、参加賞としてジュースを1本と完歩証明書を頂く。しかし、自分が欲しかったのはそれではない。完歩したものにのみ与えられると言う(大げさ)甘酒(ノンアル)。寒い中で飲む温かい甘酒と言うだけでも充分美味しいが、そこにスタッフの愛情と1切れの柚が入るとそれはもう格別だった。前回、あまりの美味しさに、恥を忍んで2杯もおかわりをお願いしてしまった。今回は少し遠慮しておかわりは1杯に留めたが、味は変わらず感動レベルの美味しさだった。飲む献血と言われているだけあって、温かい酒の粕が身体の中に染みわたるとそれだけで元気百倍だった。
「バスに乗る方いませんか?」と声をかけられたので、休憩そこそこにバスに乗り込むと、丁度、満席になったようでゆっくりと動き出した。
山道に激しく揺られながら、高速を乗り継ぎ出発地点の駐車場に戻っていく。
走るバスの中で、今日一日を振り返ってみた。30kmと言っても林道・車道が含まれているので、それほど大変な距離ではない。雪山前の体力測定も兼ねての参加だったが、7時間を切ることができたので、まずまずの成果と言える。思っていいた以上に紅葉にも恵まれ終始楽しい縦走だった。また機会があれば参加したいものだ。
<チェックポイント>
CP1:田代
CP2:三大明神三叉路
CP3:水石トンネル
CP4:成沢
CP5:閼伽井岳分岐
CP6:水石山
<エイドステーション>
天狗登山口、水石トンネル休憩所、ゴール










































