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真っ白な岩手山を愛でに姫神山

姫神山( 東北)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴・曇り

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 姫神山一本杉登山口駐車場を利用。カーナビには「一本杉園地キャンプ場」とセットするとよい。姫神山第1駐車場と第2駐車場があり、いずれも広い無料駐車場。第1駐車場はキャンプ場目的と聞いた。第2駐車場の方が山頂に近い場所にある。今回第二駐車場を利用。トイレあり。

この登山記録の行程

姫神山第2駐車場(07:11)・・・一本杉(07:24)・・・薬師神社(08:24)・・・姫神山(08:27)(休憩~09:09)・・・薬師神社・・・一本杉(09:49)・・・姫神山第2駐車場(10:05)

コース

総距離
約4.8km
累積標高差
上り約715m
下り約715m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

2025年1月11日、東北冬の遠征1日目。
道の駅「石鳥谷~南部杜氏の里~」に車中泊をして、4時半に起床する。道の駅から目的地までは約60kmあり、車中泊の拠点には若干遠かったが、快適だったのでむしろよい選択だったと思う。
前日まで仙台にいたが、大寒波の影響でかなりの雪が降り心配していたが、盛岡に入った途端、不思議なことに路面から雪が消えた。青森県では災害級の雪が降っているとニュースで言っていたが、盛岡周辺だけすっぽり寒気が抜けていたのかも知れない。
ちなみに、道の駅には休憩所があり、親切なことに夜間も暖房が効いていて室内のベンチで仮眠をしている人が数名いた。東北の特色なのか、どこの道の駅へ行っても暖房や温水が提供されていて、寒さへの配慮がしっかりされているので登山に使うにはとても有難いと思う。もちろん、そのサービスが続くようにマナーを保つことが大事だ。
4時55分、白く凍った路面に注意しながら車を走らせる。
目指すは岩手県の名峰「姫神山」。二百名山であり新花の百名山の一つでもある。
東北遠征の一番の目的は、秋田県の森吉山にあったが、日本海側を襲った大寒波を避けるため、急きょ2日目と予定を組み替えて岩手県へと非難してきた。
その岩手県で狙っていたのが姫神山だった。
姫神山(ひめかみさん)は、岩手県盛岡市にある標高1,123.8mの低山。独立峰でピラミッド型をした山容が特徴。以前、岩手山に登りに来た際に姫神山を見て「いつか登るのであれば冬にしよう!」と決めていた。大好きな岩手山。登るのも良いが、折角の雄姿を一番よく見える場所で且つ最高のタイミングで愛でたいと思ったのがきっかけだった。
日光の男体山に対する社山のように、岩手山を愛でるには姫神山が最高の相性で、シーズンでいうならばそれはもう真っ白な雪を冠した冬が良いと思った。
ちなみに、名前に「神」の文字が入っていたので、気になって由来を調べてみると、「女性的な姫神山と男性的な岩手山はもともと夫婦だったが、そこへ早池峰山が側室として加わり、やがて姫神山が追放されてしまった」という神話があった。そういう意味では果たして相性が良いと言ってよいのか分からないが(笑)、岩手山・早池峰山・姫神山の三山は「北奥羽三霊山」とも呼ばれ、関係性の深い山でもるので、そんな神話を思い描きながら登るのもまた乙だと思った、
6時27分、姫神山の登山口駐車場に到着。
まだ薄暗く、日の出の6時57分にはまだ時間があった。
駐車場に入れるかと心配していたが、綺麗に除雪されていた。5台ほど車が停まっていたが、既に出発しているのか中に人がいる気配はなかった。
明るくなるのを待ってから出発をする。
公園を抜けて森の中を進んでいくと、さほど歩かないうちに「一本杉」にたどり着いた。
登山道脇にすくっと伸びる一本の大きな杉。確かに見事な杉であったが、周囲にも杉はいっぱいあったので、なぜこれだけが名勝になったのかが不思議だった。何か逸話があるのだろうか。
森を抜け斜面ゾーンへと入っていく。独立峰の姫神山は、コースも必然的に登り一辺倒になるため、早々にアイゼンを装着することにした。
暫くすると上の方からご夫婦が降って来た。日の出を楽しみに暗いうちから登ったが、山頂はあいにくの天候だったとか。ただ、「降ってくる途中でモルゲンロートに染まった岩手山が見えましたよ」と教えて頂いたのが救いだった。
心地よい急登が続く。
ふと顔を上げると、いつの間にか樹々の枝が真っ白になっていた。もう少し温度が下がれば見事な樹氷になるだろうか。また、右手側に視線を移すと、先ほどのご夫婦が言われたように、樹々の間から雪を冠した岩手山が見えた。モルゲンロートで赤く染まった雪面がとても神秘的だった。姫神山は頂まで樹林帯に囲まれているため基本、眺望はきかない。岩手山をはっきり見るためには頂しかないため、一刻も早く見たいと、自然と登る足に力が入った。
山頂に近づくにつれ、徐々に植生が低木へと変わっていく。
薬師神社と書かれた小さな祠を過ぎると、もう山頂は目前だった。
低木のトンネルを突き抜けて、8時27分、ついに山頂へ到着する。
その瞬間、青空が目に飛び込んで来ることを期待していたが、残念ながらガスガスだった。独立峰にありがちな山頂にだけ雲がかかっているパターン。簡単に流れていきそうな雲だが、こういう場合は意外にしつこく滞留することが多い。
思っていた以上に広い頂だった。本来であれば360度ぐるりと見渡せたことだろう。そう思うと改めて残念に思った。
時折、薄っすらと太陽が姿を現す。その度に、霧に光が乱反射して周囲がボーっと白く輝いた。なんとも不思議な風景だった。
「ひょっとしたら晴れるかも?」と僅かな願いに望みをかけて暫く岩陰に隠れて食事をしながら待機することにした。
出発前にポットにお湯を詰めてきたのが正解だった。震えで鼻水が止まらなかったが、カップラーメンをすすると濃厚な豚骨スープが胃の中から身体全体を温めてくれた。
ついでに食後のコーヒーで復活する。
太陽の露出頻度が増えたような気もしたが、もうちょいというところでなかなか霧が取れない。9時まで待ってみたが、これ以上は変化がないと諦めて下山することにした。
予定では「こわ坂コース」を使い周遊することを考えていたが、それよりも早く降った方が良いと判断し、来た道を折り返すことにした。
100メートルほど高度を下げると、雲を脱して再び樹々の間から真っ白な岩手山が見えた。岩手山には、一切雲がかかっていない。低山の姫神山に雲があり、それよりも大きい岩手山はスッキリしている、なんとも皮肉だった。
途中、登ってこられた方との会話を交わした。「岩手山がこれだけ綺麗なら、今日は向こう側に登るべきでしたね」と話すと、なんと岩手山は去年の12月から火山活動の影響で入山禁止になっているとか。恥ずかしながら全く知らなかった。
一旦警報が出ると、当分、岩手山に登ることは難しいだろう。静か佇んでいるように見えるが、今もなお見えないところでは火山活動が活発化しているということか。
目的にしていた姫神山からの岩手山眺望は叶わなかったが、そう思うと面白いタイミングで盛岡に来たものだと岩手山を眺めながらしみじみ思った。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 頂上で何も見ないってことは、もう1回登りにきてねという合図ですね。

  • そう。でも岩手より上の山は今まで全部悪天候。と言うことは全部行かないと。^_^

登った山

姫神山

姫神山

1,123m

よく似たコース

姫神山 岩手県

優美な名峰に展望と花を求めて

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
3時間
難易度
コース定数
14
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