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西ノ湖から皇海山

皇海山( 関東)

パーティ: 1人 (1357 さん )

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行程・コース

天候

曇り/晴れ

登山口へのアクセス

バス

この登山記録の行程

菖蒲ヶ浜(7:30)千手ヶ浜(8:40)西ノ湖(9:20)二俣(1,340m、10:00)稜線(1,785m、12:30)三俣山(13:10)p1,840(15:00)幕営(15:20/6:10)国境平(1,615m、7:00)皇海山(8:10~9:20)鋸山(10:20)庚申山(11:25)かじか荘(13:50)原向駅(14:55)

コース

総距離
約31.9km
累積標高差
上り約1,955m
下り約2,678m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 尾根のコースだと3日は必要で、西面の沢経由も時期的にしんどいと思われ、『岩と雪』の地域特集の項に、最も古い記録として西ノ湖から沢を経て縦走路へ至った旨の記事があった事が記憶の隅にあり、沢の状態が皆目判らないにも拘わらずこのコースに決める。なお、朋文堂の『渡良瀬川源流の山』を探したが、古本屋で探し出せなかった。
 動労の“安全闘争”で大幅な遅れが生じているが、21時の最終便に乗って何とか日光駅に到着する。土曜の夜と言うのに登山者もハイカーも1人として居ず、真闇の中でシュラフに潜り込んで駅のベンチで眠る。

 快眠して5時過ぎに目覚める。やはり日光は寒い。始発バスの客は3人で、山屋は1人のみ。心配された天気は、雲の動きが速くてどうにかなりそうだ。いろは坂を登る頃には青空が広がり始め、中禅寺温泉でバスを乗り継ぐ頃には暖かい朝日の恵みを享け、前途への希望が膨らむ。菖蒲ヶ浜で下車する。
 千手ヶ浜への進入路は判り難いが、バス道を離れて左下がりの道を行くと標識があって心細い小道に入る。菖蒲ヶ浜スキー場の最下部を横切って樹林の中を行くと、道がハッキリする。
湖水面から10~20mの高さに付けられた道は、落葉が分厚く積った明るい陽射しの中の快適な散歩道で、紅葉の頃には、天気に恵まれれば素晴らしい散策が楽しめよう。
 千手ヶ浜までは結構な距離で、先の長い身はつい足が速くなる。浜の手前の水際の陽光の中で食事にする。大学の寮などが在って夏は賑やかなのだろうが、今は心寂しい所だ。
西ノ湖は、林に囲まれた静かで寂しく少し怖い感じのする湖だ。水位が下がっているが、魚は棲んでいるのだろうか?
 いよいよ沢に入るが、伏流になっていて周囲には柳の木が多い。ルートが合っているか心配しながら進む。二俣で落差数mの滝に出合い、右の大岩から高巻く。沢は手垢で汚れていない代わりに流木等が詰まってごみごみした感じで、滝も大した物が無く沢登りとしては失望する。三俣山へのバリエーションと割り切るしか無い。
 鹿が多く、盛んに「ピー、ピー」と鳴いて人間の方の形勢が悪い。最後の二俣は藪漕ぎを嫌って右へ入り、若干の竹薮を漕ぐと錫ヶ岳から続いている尾根の上に飛び出す。覚悟はしていたが、稜線は笹にびっしりと覆われて足元も見えず、両側から迫った大笹を掻き分けて進む有様で、うっかりするとルートを見失いそうだ。
 三俣山から皇海山への縦走路は腰までの笹で、遠くから見ると何となく背丈の低い所があってルートだと判るのだが、その中に入って歩いていると道かどうか判別し難い。時間が掛かりそうで先へとばかり気が急くが、なかなか如何して! 歩いているとガサガサと獣の音がして、思わず緊張する。誰1人居ない山の中で、人の大きさもある鹿の群を見るのは気色の好い物ではない。
 P1,691北側の平坦な笹薮のど真ん中にツェルトを張り、寝ている間に鹿に踏み潰されるのを恐れて、廻りに紐を張り巡らして夜を迎える。

 国境平は1,691mピークの皇海山寄りの標高1,600~1,640m付近を指すと思われ、裸地に盛んに霜柱が立っている。「皇海山の頂上が白く見えるのは霧氷が着いているのだろう」と気付く。
 樹林帯の600mの急登は冷気が体に心地好く、頂上に近付くと見事な霧氷が一面に広がって楽しくなる。昨日来、沢で詰めた水2ℓで凌いできたので、今日は我慢の一手なのだが、頂上で大休止して霧氷を集めて水を造って喉を潤す。
 ここには2冊の登山者名簿が置いてあり、喜び勇んで記名する。草1本生えず岩肌が剥き出しになっている足尾谷が見えるが、流石に皇海山近くまでは毒ガスも上がらなかったらしく、山頂一帯は深い樹林が残っている。
 皇海山から鋸山までは笹薮の歩き難い道で閉口する。ここから庚申山までのピークには熊野岳、蔵王岳、白山岳、薬師岳、地蔵岳、渓雲山、駒掛岳、御岳山等々の名前が付いており、信仰登山の様を偲ばせる。庚申山南面は切り立った岩壁で、道は確りしているが、山屋でも鼻歌混じりとは行かない険しい所である。
 庚申川まで広い気持ちの好い道を飛ばし、足尾線の駅まで10km程を稼ぐべく、川沿いの明るい林の中の落葉に埋まった道を急ぐ。
 銀山平には国民宿舎が在ってバスも入るようだが、途中の銅山や集落の跡が侘しい佇まいを見せる。数十匹の猿の群に出会って吃驚し、幾許かの恐怖を覚える。原向駅まではうんざりするほど長い。

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装備・携行品

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登った山

皇海山

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1,892m

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