【続報】岩手山の落書き被害、英国籍の男性を書類送検

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【2022年11月2日 更新】
岩手山で多数の落書きが見つかった事件で、岩手県警岩手署は10月31日、自然公園法違反の疑いで英国籍の男性(31)を書類送検した。男性は容疑を認めており、「登山客を楽しませたかった」と話しているという。

 

日本百名山の一座で岩手県最高峰の岩手山(2038m)の登山道で9月10日、樹木や石に60カ所近い落書き被害が見つかった。

落書きされた登山道上の杭(写真提供=八幡平市商工観光課)

落書きされた登山道上の杭(写真提供=八幡平市商工観光課)

落書き部分を削り取る原状復帰作業を終えた杭

落書き部分を削り取る原状復帰作業を終えた杭

岩手山は十和田八幡平国立公園の一部。被害のあった焼走りコースは溶岩流に登山口をもち、2カ所の噴出口跡のほか上部では高山植物コマクサの大群生地もあり、特別保護地区にも含まれている人気のコースだ。

落書きは登山口近くから平笠不動避難小屋近くまで、コースのほぼ全範囲に及ぶ。描かれたのは「スマイルマーク」や矢印などで総数59個。樹木や石、誘導標識などに、スプレーとみられる青色の塗料で描かれていた。9月10日に落書きを発見した登山客から110番通報があったことで発覚した。自然公園法違反の疑いで捜査が進められている。

八幡平市商工観光課や森林管理署、八幡平市山岳協会などは、登山道に打たれた杭の表面を削ったり、木々に描かれた落書きには布をかけたりして、落書きの除去を進めている。木や石など、まだ落書きの残っているところは多く、引き続き原状復帰を進めていくという。

山と溪谷2022年11月号より転載)

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