大雪山・旭岳 | 旭岳ビジターセンター

姿見池周辺は積雪60cmを超えるところあり。旭岳山頂への登山道も、夏道は雪氷に覆われています

(2017.10.25 旭岳ビジターセンター)
(2017.10.25 旭岳ビジターセンター)
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天気・気温

10/25(水) 晴れ 12:00時点の気温 5℃
旭川市の天気予報
明日
曇一時雨
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明後日
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日本気象協会提供 2024年4月27日 0:00発表
帯広市の天気予報
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晴のち雨
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明後日
晴時々曇
19℃
7℃
日本気象協会提供 2024年4月27日 0:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

ロープウェイの営業時間も短く、便数も減っています(9〜16時20分の間隔で運行)。また、来月11日からは1ヵ月定期整備運休に入ります。

一般の登山者は10月に入り日に日に減っています。来月から12月半ばは、クロスカントリースキー合宿で滞在する学生・社会人の選手達が訪れます。

積雪は登山道を覆い隠し、初雪の時期や雪融け期も遭難が多発しています。無理ない計画と慎重な行動で安全な登山を。

・視界不良時、特に下山中は注意が必要です。道に迷う事故が多発しています。山では、数十km先の山が見える好天から、スキーの先端が吹雪で見えなくなる悪天まで、またたく間に変わります。

・積雪がまだ少ない11月にも雪崩事故は起きています。バックカントリースキーや冬山登山の方は雪崩の知識を身に着け、雪崩トランシーバー(ビーコン)等の装備を携行しましょう。

・山頂をめざす方は下りの滑落・道迷いに注意しましょう。高山帯の風は非常に強く、強風にあおられて亡くなる人も出ています。

・入山には、なるべくこの時期・このエリアの経験者との同行を。地元の経験者でも「思いがけないこと」「予想外のこと」はままあるものです。初見の方はより慎重な対応を。

旭岳の5合目より上など、大雪山の高山帯の多くは植物がほとんどない個所も多く、砂や石で覆われた地面が拡がっています。このため、悪天候や霧のなかで視界が悪いと、登山道の内・外や、道と枯れ沢などが区別しづらく、迷う人が少なくありません。地図(地形図や登山地図)を用意し、コンパスやGPSの使用に慣れて、道迷いを防ぎましょう。

登山道の状況

現状、姿見駅〜夫婦池〜姿見池〜姿見駅の1周は、駅前から夫婦池は雪も2〜3cmと薄いのですが、姿見池周辺は60cmを超えるところもあり、なにより融解と凍結を繰り返して階段や坂道がツルツルで非常に滑りやすくなっています。

旭岳山頂への登山道も夏道は雪氷に覆われ、冬山の装備・技術、特に帰路のしっかりしたナビゲーションが必要です。

旭岳温泉〜姿見の間の天女ヶ原湿原登山道は雪に埋没して道が判らなくなってきます。下りのみの利用は、上りで使うよりも迷いやすいのでお勧めしません。(12月に積雪が深くなってから、スキーコースの圧雪が徐々に進んできます)。

登山装備

旭岳の初冠雪は平均して9月下旬であり、6月下旬でも姿見~裾合平や旭岳・北鎮岳の東面など各所に大きな雪原が広がり、道迷いや滑落が大変多いことを念頭に置き、慎重に準備してください。

旭岳登頂など、登山の際には、”雨具・ヘッドランプ・防寒着・地図+コンパス・水・食料・ホイッスル”等を使用法確認の上、携行します。

地元のベテラン登山家や登山ガイドは多くの場合さらに、道迷いを防ぐGPSや、万一長時間助けを待つ事態に備えてツェルト(簡易テント)、雪渓の登降のためのアイゼン・ピッケル等を携行しています。

大雪山の登山環境に慣れていない方、体力・技術等に一抹の不安を覚える方も、登山経験や装備に合わせた抑え目の計画で、余裕をもって下山口に達し、笑顔で帰宅しましょう。

注意点

晴れていても、山の天気は急変します。
特に森林限界より上では、霧や風雨による視界の悪化で道に迷う事故が多発しています。

地図・コンパスやGPSなどで間違いなく登山口に戻ってこられる準備をしましょう。
積雪期は雪崩にもご注意を。特に大雪の最中/直後は一層の警戒が必要です。

●飲料水
・飲料水は旭岳温泉から持参しましょう。ロープウェイ姿見駅(上の駅)には給水施設がありません。ロープウェイ売店での販売となります。ビジターセンターでは飲料水(お湯はありません)をおわけすることができます

●ドローンについて
・旭岳ロープウェイがゴンドラ内への持込みを認めません。ご注意ください。
詳しくは以下のページの注意書きをお読みになって、ご不明の点はロープウェイにお尋ねください。
http://wakasaresort.com/asahidakeropeway/price/index.htm#label

・姿見駅や旭岳ビジターセンターは道有林ですので、無人航空機の飛行については以下をご覧ください。
http://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/sr/nsr/kannri/kannri/mujinkoukuuki.htm

お知らせ

旭岳温泉のクロスカントリースキーコースは11月~来年5月まで利用協力金をお願いします。
1日ひとり1,000円(小学生以上)です。大人10,000円、高校生以下5,000円のシーズン券もあります。

●旭岳ビジターセンターより

旭岳の登山・自然の情報はビジターセンターにおたずねください。
来館した方や、電話などのお問合せに、最新の現地情報と過去の事例や個々の事情を照らしあわせ、最適なお返事ができるよう努めています。

旭岳登山や自然の情報や、宿や温泉、交通などの観光情報、登山や自然のガイドさんをお探しの方もどうぞご相談ください。

季節や天気でがらりと変わる厳しい自然ですが、その時期そのときならではの楽しみ・過ごし方をお伝えしています。
スノーシュー・クロスカントリースキー・長靴・ストックのレンタルも行っています。

・ビジターセンターのFacebook https://www.facebook.com/%E6%97%AD%E5%B2%B3%E3%83%93%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC-1257161287656591/

●東川エコツーリズム推進協議会
イベントほか各種有益な情報があります。
http://www.welcome-higashikawa.jp/info/?c=1&s=8273
イベントは〆切日があります、詳細はWEBをご参照下さい。

旭岳ビジターセンター周辺の過去の様子

  • 山麓駅付近~ロープウェイの車窓からも綺素晴らしい絶景に出会えます
  • 旭岳スキーコースがオープンしました
  • 10月6日に初冠雪が観測されました
  • 裾合平の紅葉は全体的に少し渋めになってきた印象
  • 裾合平・白鳥の雪渓
  • 裾合平のお花畑はまだ雪に覆われています

旭岳ビジターセンター

電話番号:
0166-97-2153
連絡先住所:
〒071-0372 上川郡東川町旭岳温泉

地図で見る
http://www.welcome-higashikawa.jp/asahidake-vc/

施設の詳細を見る

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大雪山・旭岳 標高 2,291m

 大雪山の盟主として、また北海道の最高峰として、誰もが一度は登りたい、また登らねばならない山が旭岳である。「ヌタプカムウシュペ」というのはこの山塊全体の呼称で、個々のピークにアイヌは名をつけなかったようだ。旭岳という名称は、忠別川の源頭にあるところからきており、アイヌ語でチュプ・ベツ「日の川」を旭としたもの。旭川市や忠別岳の名も同じ由来である。  古くから登山道は開かれていたようで、明治36年(1903)、上川文武館生徒21名が集団登山した記録があるが、往復に3日を要している。この頃、旭岳は「於武建志計(オプタテシケ)山」と呼ばれていたという。明治の文学者・大町桂月の登山はずっと後で、大正10年(1921)、黒岳沢から無名峰(現在の桂月岳)に達し、北鎮岳を経て旭岳に登り、松山温泉(天人峡)に下っている。冬の登頂は翌大正11年(1922)1月、北海道大学の板倉勝宣、加納一郎らが最初である。  いま夏の登頂は全く容易になった。ふもとの旭岳温泉(旧名 勇駒別温泉)から、2本のロープウェイを乗り継いで一気に1600mの姿見駅へ。お花畑の中の道をたどって、旭岳の姿を映す「姿見ノ池」のほとりから、火山礫の登山道を、白く煙を上げる火口を見下ろしながら登ること2時間ほど。ついに頂上に立てるのだ。道内最高地点だけに展望は広大で、国立公園内の山々はもとより、天塩岳、暑寒別岳(しよかんべつだけ)、芦別岳(あしべつだけ)なども見え、さらに快晴の日には遠く利尻山までも望むことができる。  黒岳からの縦走はもっとすばらしい。黒岳石室を早朝に出発し、第2の高峰北鎮岳(ほくちんだけ)にも登って旭岳に至るコースは、約5時間の行程だ。旭岳の北東面には遅くまで雪渓が残り、夏スキーを楽しむ人々も多い。雪渓の下が指定のキャンプ地になっていて、最盛期には色とりどりのテントが花と咲く。頂上に登らず、途中の中岳から旭岳の山腹を巻き、山中に湧く無人の中岳温泉を経て姿見駅に出ることもできる。駅付近には姿見ノ池のほかにもいくつかの沼が点在し、それらを散策するのもよい。  頂上付近は草も木もないから、どこへでも行ける。なかには道を踏み外してどんどん下ってゆき、帰ってこられなくなった例もある。姿見駅の付近でさえ、ガスがかかると分かりにくくなる。ロープウェイは冬には多くのスキーヤーを運び上げるが、軽装で頂上を目指したまま行方不明となる人が時々出るのも、目標物に乏しい頂上付近の地形に惑わされるからであろう。充分、注意したい。

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大雪山・北鎮岳 標高 2,244m

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