大江湿原と釜ッ堀湿原はミズバショウが見頃。燧ケ岳は残雪多く、アイゼン・ピッケルが必要
天気・気温
山と周辺の状況
雪が融け始めて春が来たと喜んでいましたが、あっという間に梅雨の季節が近づいているような空模様です。
大江湿原と釜ッ堀湿原は
ミズバショウ
ミズバショウ
の見頃を迎えましたが、今は以前のように楽しげに行き交う人の声もなく、ただ静かな雨とひときわ響くホトトギスの声が胸を打ちます。
そして、ついに桜の花(ミネザクラ)が開花しました。尾瀬沼の春到来という感じです。
ビジターセンター前のカラマツも若葉がだいぶ大きくなってきました。今はビジターセンターから尾瀬沼が見通せますがもうしばらくすると、葉が茂って見通せなくなります。
なお御池から沼山峠までのシャトルバスはまだ運行していません。5月29日(土)から運行開始となっていますので、ご注意ください。
大江湿原にはあまり知られていませんが、様々な時代の偉人が訪れ多くの歴史や伝説が残されています。そのひとつに「尾瀬の由来」という話があります。
1180年の秋、平清盛が後白河法皇を幽閉したことを源頼政が怒り、後白河法皇の息子・高倉院以仁王を押し立てて兵を挙げました。しかし、「宇治川の戦い」で破れ、兵を挙げた頼政は自害、生き残った以仁王は越後に住む頼之を頼って家来13人を連れて尾瀬沼へ逃げ延びて来ました。
その際に家来だった「尾瀬中納言藤原頼実」が病死し、亡骸を埋葬した塚は「尾瀬塚」と呼ばれています。その尾瀬塚は尾瀬沼のシンボル的な存在である三本カラマツの下のこんもりと盛り上がっている所がであると言われています。
そして、この頃は「中沼山」と呼ばれていましたが、いつしか「尾瀬沼」と名がついたそうです。
登山道の状況
尾瀬沼の北岸では、林内は残雪が多く残っています。引き続き道迷い、踏み抜き、店頭にご注意ください。
南岸の沼尻から三平下までも、多く残雪があり、道が不明瞭です。ピンクテープなどの目印も少なく、この時期はお勧めしません。ルートファインディング技術、雪山装備が必要です。
先日(5/25)、燧ヶ岳へ長英新道を使って巡回しました。残雪はまだ多く、林間では夏道がほぼわかりません。4合目から上部では、緩やかな斜面で雪原が広がっているところがあります。ルートを示すピンクテープを見失わないように慎重に歩き、道迷いをしないようにしましょう。
日当たりのいいところや段差の大きな登山道では、雪解けが進んで夏道が見えてきているところがありますが、踏み抜くと腰まで埋まるところもあり、踏み抜いた下に岩や階段があったりして大変危険です。ストック等で安全を確認しながら登りましょう。
流水で濡れてもいいように防水仕様の登山靴やレインスパッツなどの準備が必要です。
俎嵓から燧ケ岳最高地点柴安嵓へは、一旦鞍部まで下りてから雪の急斜面を登ります。この雪田は上へ行くにつれて斜度が増し、大岩のところからは最も斜度のきつい登りです。ピッケルで体を確保しながらキックステップで足場を刻んで登るなどの雪上技術が必要です。
雪原や斜面のトラバース、登りなどを踏まえて、アイゼンやピッケルがあると安心です。十分な装備と心構えで、登山を楽しんでほしいと思います。
登山装備
林内には、残雪があるところもあります。場所によっては雪に対する装備が必要です。
また、朝晩冷え込むこともあります、防寒具を忘れずにお持ちください。
お知らせ
尾瀬への入山にあたっては以下URLの注意事項をご確認ください。
https://www.oze-fnd.or.jp/archives/106819/
尾瀬ではまだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。お出かけの際には各施設の営業予定や閉鎖予定の確認をお願い致します。
https://www.oze-fnd.or.jp/archives/106765/
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尾瀬沼ビジターセンター周辺の過去の様子
尾瀬沼ビジターセンター
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