尾瀬沼・燧ヶ岳 | 尾瀬沼ビジターセンター

大江湿原と釜ッ堀湿原はミズバショウが見頃。燧ケ岳は残雪多く、アイゼン・ピッケルが必要

燧ヶ岳、柴安嵓山頂付近の急登(2021.05.25 尾瀬沼ビジターセンター)
燧ヶ岳、柴安嵓山頂付近の急登(2021.05.25 尾瀬沼ビジターセンター)
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天気・気温

05/28(金) 雨のち曇り、9時現在8.4℃、前日の最高13.9℃、最低7.9℃
会津若松市の天気予報
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日本気象協会提供 2024年5月19日 16:00発表
みなかみ町の天気予報
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晴時々曇
23℃
13℃
日本気象協会提供 2024年5月19日 16:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

雪が融け始めて春が来たと喜んでいましたが、あっという間に梅雨の季節が近づいているような空模様です。
大江湿原と釜ッ堀湿原は ミズバショウ ミズバショウ の見頃を迎えましたが、今は以前のように楽しげに行き交う人の声もなく、ただ静かな雨とひときわ響くホトトギスの声が胸を打ちます。
そして、ついに桜の花(ミネザクラ)が開花しました。尾瀬沼の春到来という感じです。

ビジターセンター前のカラマツも若葉がだいぶ大きくなってきました。今はビジターセンターから尾瀬沼が見通せますがもうしばらくすると、葉が茂って見通せなくなります。

なお御池から沼山峠までのシャトルバスはまだ運行していません。5月29日(土)から運行開始となっていますので、ご注意ください。

大江湿原にはあまり知られていませんが、様々な時代の偉人が訪れ多くの歴史や伝説が残されています。そのひとつに「尾瀬の由来」という話があります。
1180年の秋、平清盛が後白河法皇を幽閉したことを源頼政が怒り、後白河法皇の息子・高倉院以仁王を押し立てて兵を挙げました。しかし、「宇治川の戦い」で破れ、兵を挙げた頼政は自害、生き残った以仁王は越後に住む頼之を頼って家来13人を連れて尾瀬沼へ逃げ延びて来ました。
その際に家来だった「尾瀬中納言藤原頼実」が病死し、亡骸を埋葬した塚は「尾瀬塚」と呼ばれています。その尾瀬塚は尾瀬沼のシンボル的な存在である三本カラマツの下のこんもりと盛り上がっている所がであると言われています。
そして、この頃は「中沼山」と呼ばれていましたが、いつしか「尾瀬沼」と名がついたそうです。

登山道の状況

尾瀬沼の北岸では、林内は残雪が多く残っています。引き続き道迷い、踏み抜き、店頭にご注意ください。
南岸の沼尻から三平下までも、多く残雪があり、道が不明瞭です。ピンクテープなどの目印も少なく、この時期はお勧めしません。ルートファインディング技術、雪山装備が必要です。

先日(5/25)、燧ヶ岳へ長英新道を使って巡回しました。残雪はまだ多く、林間では夏道がほぼわかりません。4合目から上部では、緩やかな斜面で雪原が広がっているところがあります。ルートを示すピンクテープを見失わないように慎重に歩き、道迷いをしないようにしましょう。
日当たりのいいところや段差の大きな登山道では、雪解けが進んで夏道が見えてきているところがありますが、踏み抜くと腰まで埋まるところもあり、踏み抜いた下に岩や階段があったりして大変危険です。ストック等で安全を確認しながら登りましょう。
流水で濡れてもいいように防水仕様の登山靴やレインスパッツなどの準備が必要です。

俎嵓から燧ケ岳最高地点柴安嵓へは、一旦鞍部まで下りてから雪の急斜面を登ります。この雪田は上へ行くにつれて斜度が増し、大岩のところからは最も斜度のきつい登りです。ピッケルで体を確保しながらキックステップで足場を刻んで登るなどの雪上技術が必要です。
雪原や斜面のトラバース、登りなどを踏まえて、アイゼンやピッケルがあると安心です。十分な装備と心構えで、登山を楽しんでほしいと思います。

登山装備

林内には、残雪があるところもあります。場所によっては雪に対する装備が必要です。
また、朝晩冷え込むこともあります、防寒具を忘れずにお持ちください。

お知らせ

尾瀬への入山にあたっては以下URLの注意事項をご確認ください。
https://www.oze-fnd.or.jp/archives/106819/

尾瀬ではまだ営業を開始していない施設や閉鎖している施設があります。お出かけの際には各施設の営業予定や閉鎖予定の確認をお願い致します。
https://www.oze-fnd.or.jp/archives/106765/

昨年の今頃の様子は?

尾瀬沼ビジターセンターは5月13日に開所しました。残雪が少なく、大江湿原ではミズバショウが咲き始めています2023.05.17

ミズバショウのシーズン、もうしばらく楽しめそうです。木々は芽吹きはじめ、湿原の緑が濃くなってきました。2023.05.31

大江湿原のミズバショウは姿を消し、ハクサンチドリなどの花へとバトンタッチされています2023.06.15

尾瀬沼ビジターセンター周辺の過去の様子

  • カラマツの紅葉も終盤の尾瀬
  • 今朝は冷え込んで霧氷が付きました
  • 高い霜柱が立ちました
  • カラマツの黄葉がピークです
  • 三本松カラマツもすっかり色づきました
  • 三本カラマツも色づき始めました
  • 尾瀬沼周辺の紅葉
  • 一ノ瀬付近の紅葉
  • 霜が下りて真っ白になりました
  • だいぶ樹木の紅葉が進みました
  • 草紅葉は盛りですが、樹木はまだこれからです
  • 大江湿原の草紅葉

尾瀬沼ビジターセンター

電話番号:
連絡先住所:

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関連する山

福島県 / 南会津・尾瀬

燧ヶ岳・柴安嵓 標高 2,356m

福島県南会津郡桧枝岐村に位置し、日光火山群の一峰である。福島県の最高峰であり、これより北にはこれ以上高い山はない。しかし、東北の山というよりは尾瀬のシンボル的な山である。  山頂は、最高峰(西峰)である柴安嵓(しばやすぐら)(2356m)、三角点の置かれた爼嵓(まないたぐら)(2346m)、ミノブチ岳(2220m)、赤ナグレ岳(2249m)、御池(みいけ)岳(2280m)の五峰が居並ぶ。山は円錐形で、輝石安山岩からなる。日本最大の高層湿原である尾瀬の成立には、この燧ヶ岳火山が大きく関わっている。すなわち、只見川はこの燧ヶ岳の火山活動によって堰止められ、尾瀬が出現したと考えられている。ヒウチの名は火打ちで、火山に由来していると思われる。一説には、会津駒ヶ岳側から望むと「火打ちばさみ」の雪形が見られるためともいわれる。  燧ヶ岳を開山したのは、尾瀬沼のほとりに建つ長蔵(ちようぞう)小屋の初代平野長蔵であった。当時桧枝岐に住んでいた長蔵は、沼畔に小屋を仮設して燧ヶ岳登山の足掛かりにした。長蔵は燧ヶ岳を信仰の対象として開山したのであった。燧ヶ岳の祭神は「燧大権現」でカツラギヒトコヌシ神という。爼嵓山頂にその石祠が祭られている。  尾瀬のシンボルというだけあって、その展望の主役は尾瀬ガ原と尾瀬沼である。向こうにもう1つのシンボル至仏岳の姿が美しい。展望は日光連山も主役である。最高峰である白根山をはじめ、金精山、温泉ヶ岳、男体山などの峰々から、また那須連峰、上信越の山々、越後三山、会越の山々から飯豊連峰まで、関東と東北の山がずらりと並び圧巻である。山頂付近の火口ガレ場地帯にはコマクサの花が咲くが、株が極端に少ないため、現在一般の立ち入りが禁止されている。  登山道は5コースある。長英新道とも呼ばれる燧新道は、平野長蔵と長英が親子2代にわたって切り開いた道で、長蔵小屋から3時間15分。尾瀬沼畔である沼尻からの沼尻コースは、最も古いコースで、ナデッ窪の急な斜面を一気に登り、所要2時間30分で、ミノブチ岳の途中で長英新道と合流する。湿原地帯を抜ける変化に富んだ御池コースは、熊沢田代や広沢田代を経て所要3時間30分。以上3コースは、燧ヶ岳山頂に直接登るものだ。  一方、下田代や温泉小屋からのコースは、いずれも柴安嵓に登るコース。下田代からのコースは見晴新道と呼ばれ、温泉コースとともに樹林帯を登る静かなコースである。どちらも2時間30分で山頂に達する。この2コースはいずれも急登の連続である。

群馬県 / 南会津・尾瀬

至仏山 標高 2,228m

 尾瀬ガ原の西端に位置し、東の燧ヶ岳とともに尾瀬を代表する名山である。ミズバショウの花咲く湿原のかなたに残雪の至仏山、といった写真はよく目にすることだろう。  山頂から眼下に見る尾瀬ガ原はすばらしい。西には奥利根、谷川の山並みを望む。足元には蛇紋岩地特有のホソバヒナウスユキソウやオゼソウなど、貴重な高山植物が多い。山名の故か、百名山登頂の最後にこの山を登る人たちもあると聞く。山名は、仏教には関係なく、ムジナッ沢(つあわ)の別名「渋ッ沢」に由来するという。  山ノ鼻から直登するコースは植生保護のための通行禁止が平成9年に解除された。ただし状況によっては再び通行禁止となる場合もある。山ノ鼻から頂上まで所要2時間30分。鳩待峠からは緩やかで展望のよいコースがある。鳩待峠から頂上まで所要2時間40分。  鳩待峠は、その昔片品村の男たちが、厳冬期に入山し、木地師として木工品を作っていたころの仕事場であった。鳩は寒中はふもとの村にいて、暖かくなると山奥へ移る習性がある。峠の近くで鳩が鳴けば、男たちは久々に里へ下り、田植えを始める。雪深い山中で、鳩が来る春の日を待ち続けたことから、鳩待峠と呼ばれた。

栃木県 群馬県 / 南会津・尾瀬

鬼怒沼山 標高 2,141m

 栃木県の北西部、日光市と群馬県片品村との境にあり、別名、絹沼山などとも書かれる。  山頂近くには高層湿原では日本一の高所にある、鬼怒沼がある。鬼怒沼は大小50余りの池塘からなり、まさに高山植物の宝庫である。また、湿原からは遠く尾瀬の山々や白根山が望める。周辺にはコメツガ、オオシラビソなどの自然林も多く、カモシカなどの野生動物の貴重な生息地となっている。  鬼怒沼山は眺望に恵まれないためか、登る人はまれで、不遇をかこっている。  しかし、山麓には奥鬼怒四湯として知られる秘湯があり、温泉プラス山旅で存分に楽しめる。  バスの終点女夫淵温泉から鬼怒沼湿原まで3時間40分、鬼怒沼山まで4時間20分。  群馬県側の大清水から物見山経由で3時間30分、丸沼から湯沢峠経由でも入山可能。

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