爽やかな風吹く野反湖の湖畔を巡り、夏の終わりの天空の花散策を楽しむ

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標高1500mに位置し、「天空の湖」と呼ばれる野反湖湖畔の草原を巡るハイキングです。7月のニッコウキスゲの群落地として知られていますが、夏から秋にかけてもマツムシソウなど多彩な高山植物が咲き誇ります。

文・写真=奥谷 晶

早くもマツムシソウが咲き始めた富士見峠よりスタート。右手に野反湖を眺めながら弁天山からエビ山をめざします。6月下旬から7月にかけてニッコウキスゲの群落が見られる草原です。アキノキリンソウやゴマナ、ウメバチソウ、ミソガワソウ、ヨツバヒヨドリなどがにぎやかです。

アキノキリンソウ
ヨツバヒヨドリ

エビ山からは湖畔の野反湖キャンプ場をめざして下ります。こちらにはシオガマギク、ハクサンフウロ、リンドウが咲いています。

ハクサンフウロ
ハクサンフウロ
リンドウ
リンドウ

野反湖ビジターセンターを経て展望台へと進むと白妙山登山口に出ます。ぐんま県境稜線トレイルの野反湖エリアの出発点でもあります。

車道を経て、再び遊歩道に入り、野反湖東岸沿いに富士見峠に向かって戻ります。林の中ではひっそり咲くキバナノヤマオダマキを見つけました。ミソガワソウ、ナンテンハギもあります。

キバナノヤマオダマキ
キバナノヤマオダマキ
ナンテンハギ
ナンテンハギ

湖岸のカヤの草地では、ヤナギラン、アキノキリンソウやマツムシソウ、ツリガネニンジン、ワレモコウの小群落が見られました。

マツムシソウ
マツムシソウ

MAP&DATA

野反湖地図

コースタイム:富士見峠~弁天山~エビ山~野反湖キャンプ場~白砂山登山口~富士見峠:約4時間55分

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この記事に登場する山

群馬県 /

エビ山 標高 1,744m

群馬県と長野県の県境近くにある山で、東側は野反湖に面している。山頂は草原が広がり、全方向に大展望が望める。

プロフィール

奥谷晶

30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。

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