ダウン? or 化繊? 保温着選びのポイント

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登山では、行動中だけではなく、休憩中の体温をいかにコントロールするかが重要です。そんなとき保温着は、サッと羽織れて冷えを防ぐ便利なアイテム。ですが、最近は素材や作りもさまざまで、選ぶのが難しいような・・・。 そこで今回は、ダウンジャケットと化繊ジャケットどちらを買おうか迷っている編集部員が、好日山荘銀座店の相馬さんに保温着選びのコツを聞いてきました!

POINT
  • 天然素材でコンパクトなダウン
  • 行動中も着続けるなら化繊ジャケット
  • 季節や目的に合わせて使い分けるのが◎

保温力の高さなら、天然素材のダウン

編集部S:休憩中に着る保温着、ダウンが良いのか、化学繊維のものが良いのか、とても悩んでいるんですが・・・。

保温着では化繊とダウンの2種類が主流。身体を冷えから守る目的では同じですが、着方が微妙に異なるので使い分けが大切です。(相馬さん)

相馬さん:保温着は、基本的には休憩中などに使うものになります。短時間でも、運動を止めてしまうと熱が生まれなくなるので、汗をかいたままだと冷えた感じが強くなってしまいます。その冷えを防ぐことを目的としたジャケットになります。

編集部S:そんなときに、バサっと手軽に羽織れるジャケットが必要になるってことですね。テントで休んでいるときもそうですし。

相馬さん:はい。まずダウンジャケットですが、こちらは天然素材のダウン(羽毛)を使ったものになります。

編集部S:モコモコしていて、今羽織ってみても結構温かいなあ。安心感がありますね。

バーグハウス・エクストレムマイクロダウンジャケット。ダウンに撥水加工が加えられた濡れ湿気に強いダウンジャケットです(相馬さん)

相馬さん:単純な暖かさというところでダウンはやっぱり優れていますし、それに加えて断熱性も高く、熱を外に逃がすことがないので体温の低下を防いでくれます。たとえばバーグハウスのエクストレムマイクロダウンジャケットは、ダウン自体に撥水加工がされていて、水滴や湿気に強くダウンが縮みにくく、保温力が落ちにくくなっているんです。

編集部S:相当しっかりしたダウンジャケットですが、逆に暑すぎることはないですか?

相馬さん:このダウンジャケットは、より保温力を求めたいお腹や背中の部分にはたくさんダウンが入っていて、逆に熱のこもりやすい脇の下の部分はダウン量が少なくなっています。このように、ブランドによっては、ダウンを入れる場所や量も工夫されているので安心です。

編集部S:この「フィルパワー」という数値は何を示しているんですか?

相馬さん:フィルパワーは羽毛の密度を示していて、数字が大きいほど、より少ない量でかさがあるフワフワ感の強いものになります。シュラフを選ぶ基準にもなったりしますね。たとえば、この700という数値はアウトドアに使うには十分な数字だと思いますし、過酷な場所に行くことを予定している方でも使いやすいです。

編集部S:この数値が大きければやっぱり優れたダウンなのかな・・・。

相馬さん:もちろん、これより数字が大きいものもあります。ただ、色々なシーンで使うということを考えると、単純にフィルパワーの数値が大きければ良いというわけではなく、羽毛がしっかり詰まっているかどうかや、実際の着心地などをふまえて選ぶ必要があると思います。

動きやすさも考えられた化学繊維

編集部S:ダウンに対して、化学繊維(=化繊)のジャケットを選ばれる方もいるんですよね。

ファイントラック・ポリゴン4。正面から見ると4つの仕切りがあるのがわかると思いますが、それぞれに保温シートが入っている形になります(相馬さん)

相馬さん:化繊ジャケットの特徴でいうと、ダウンジャケットにはなかったベンチレーションがあり、余計な熱を逃してくれるようになっています。また、ダウンに比べると表面の生地が柔らかくなっているものが多いので、動きやすさも考えられていますね。

脇の下から脇腹の部分にベンチ―レーション。暑いと思ったときはここを開放することで、たまった空気を外に逃がしてあげることができます(相馬さん)

編集部S:実際に、行動中に着るということもあるんですか?

相馬さん:そうですね、体温のコントロールもしやすいですから、冬山で本当に寒いというときなんかは、そのまま行動中に着るということも考えられます。逆にダウンですと、保温力が強すぎて、少しオーバーヒート気味になってしまうかもしれないです。

編集部S:暖かさという部分では、ダウンと比較したときに違いはありますか?

相馬さん:いえ、それほど変わらないと思います。確かにダウンのほうが単純な暖かさとしては強いんですが、ものによってはダウンの入っていない継ぎ目の部分から、暖かい空気が少し抜けていってしまうという場合もありますので。

編集部S:ということは化繊のほうが、断熱性は優れているってことですか?

相馬さん:いえ、ダウンも、優秀ですよ。ただ化繊のほうが、羽毛や綿のような偏りなどが少ないということですね。たとえばファイントラックのポリゴン4などは、シート状の保温材を使用するなど工夫されたジャケットで、暖かさの偏りも少ないように設計されているんです。

編集部S:そっかあ。見た感じ、濡れとかにもだいぶ強そうですよね。

相馬さん:もちろんダウンジャケットも表面やダウンに撥水加工がされています。ただ、湿気と言っても外気の水分だけではなく、自分の汗という意味でもありますから、濡れの程度を考えたときには、化繊ジャケットは相対的に濡れに強いと言えると思います。

利用シーンを想像してみよう

編集部S:結局、どっちが良いというのは一概に言えなさそうですね。

相馬さん:そうですね。どこに重点を置くかでいうと、先ほどの、行動中に使用を考えるかどうかというのは判断のひとつになると思います。逆に、ダウンに比べると化繊のほうが少し重さが出てくるので、とにかく軽いほうが良いんだという方はそこが気になるポイントかなって思います。

編集部S:軽いほうが、持ち運びするにも便利で良さそうですよね。

相馬さん:冬に限らず、保温着は夏でも必要な時がありますよね。たとえば、標高の高い山だと、山頂付近は夏でも朝晩寒いので、着ている方をよく見かけると思います。そんな時には、ダウンのほうがコンパクトですし、ザックにしのばせて持ち運びしやすいですよ。

編集部S:値段的にはどうですか? 山の道具は軽量・コンパクトなほうが値段も上がっていく印象ですが・・・。

相馬さん:基本的には、少し化繊のほうがお求めやすい価格になっていることが多いですね。値段を抑えたいというのであれば、化繊を積極的に選んでいくというのもアリかなって思います。

編集部S:僕は、動きやすさが冬山でも効いてきそうだから、化繊のジャケットにしようかな。

相馬さん:冬は化繊ジャケットで、夏は薄めのダウンを携帯するという使い方でも良いかもしれませんね。ダウンだと収納袋が付属しているものも多くあります。寒い時期の旅行にも持っていけるっていったような、日常使いの視点で選んでも良いと思います!

紹介した山道具

ファイントラック
「ポリゴン4ジャケット」

30,400円(税別)

バーグハウス
「エクストレムマイクロダウンジャケット」

38,000円(税別)


銀座 好日山荘
日帰りハイキングから長期縦走、クライミング、雪山登山、沢登りまでさまざまな登山スタイルに対応する品揃えを誇る登山用品店。同じビルにはクライミングジム「グラビティリサーチ」が併設されており、ロープワーク講習や岩稜帯の歩き方など、さらなるステップアップを目指す登山者に向けてさまざまな講習会を開催中。

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