行程・コース
天候
快晴
登山口へのアクセス
電車
その他:
(行き)武蔵五日市駅から徒歩
(帰り)十里木バス停20:50発の西東京バスで武蔵五日市駅へ
この登山記録の行程
武蔵五日市駅(12:19 昼食後13:00出発)・・・深沢家屋敷跡(13:49 13:56)・・・深沢小さな美術館 (13:59 14:08)・・・千年契り杉(14:22)・・・山抱きの大樫(14:42)・・・南沢あじさい山 (15:10 散策)・・・イナカブ岩(16:10)・・・ 星竹林道(16:38)・・・瀬音の湯(17:15 入浴、食事、19:04)・・・特雲院(19:15 20:20)・・・十里木バス停(20:35)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
あきる野の里に、あじさいや巨樹、そしてホタルを訪ね歩いてきました。まさか7月にもならないうちに梅雨明けとは。梅雨時ならではの山歩きとして温めていたコースを歩くには、時期を外してしまいましたが、ホタルも楽しむことができました。
今回は、武蔵五日市駅から赤いシャッポに白いひげの標柱に導かれながら、深沢を遡ってあじさい山や美術館、千年契り杉などをやり過ごして、先ずは深沢家屋敷跡まで向かいます。ここは歴史で習った五日市憲法の草案が発見された土蔵が現存しています。自由民権運動揺籃の地がこのように狭隘な山間にあったことが、なんだか不思議に思えます。道は全て舗装道路。
ついで「深沢小さな美術館(入館料500円、今回はお庭と建物の外観だけ拝見しました)」に立ち寄り、さらに「千年の契り杉」へは少し来た道を戻り、分岐から山道を往復40分ほどです。こちらも踏み跡もしっかりしており、道標も整備されているのでハイキング気分で歩くことができるでしょう。
舗装路を少し戻ると「山抱きの大樫」への分岐。大岩を抱え込むように根を下ろした大樫を見物して、そのまま山を越えれば南沢あじさい山に到着です。大汗をかきながら登りますが、時折針葉樹から清々しい香気が漂ってきて元気付けてくれます。
半世紀にわたってあじさいを植え続けたという南沢さんも、元気な姿で挨拶をなさっていました。ここは入山料500円で毛糸の腕輪を目印にもらいますが、「瀬音の湯(入浴料900円)」とのペアチケットを1250円で購入することもできます。炎天に灼かれてあじさいもぐったりしていましたが、それでも日陰の斜面に咲き誇るあじさいは一見の価値があります。
今回はそのままあじさい山を金比羅尾根に向けて登り、星竹林道を「瀬音の湯」に向かいます。途中展望台があるということで、金比羅尾根をイナカブ岩まで進みましたが、そこで寛政年間の石仏を眺めたところで、もういいやという気になり改めて星竹林道を下ります。星竹林道は、未舗装ながら車両が走る道のようでこちらも迷う心配はありません。途中、悠然と飛び立つ大型の猛禽の姿を見かけました。
今回、あじさいの花とともに目玉に据えていたのが養沢川のホタルです。今回は、歩きだしが午後1時と山歩きの鉄則を破っていますが、これは養沢川にホタルを訪ねるために逆算して決めたスタート時間です。「瀬音の湯」で露天風呂に浸かり、食事や休憩をしながら日没を待ちます。瀬音の湯から都道を15分ほど歩けば、養沢川のほとりでホタルの鑑賞に好適な徳雲院にでられます。
私は、徳雲院手前から川べりに降りる階段を見つけたのでそちらから川沿いの遊歩道を進みました。石畳で整備されていますが、凹凸もあるし水際なので、薄暗いうちに鑑賞に好適な場所を探して、あたりのヒグラシやカジカガエルの美しい声を聞きながら、静かに蛍が出てくるのを待つのが良いと思います(この日の日没は19時)。人里近いとはいえ川沿いの夜道を歩くことに多少の不安はあったのですが、道がよく整備されている上、想像以上に見物客も多く、アプローチも手軽にホタルを楽しむことができるスポットでした。
小さなお子さんも多く、興奮気味に懐中電灯を振り回すなど、思いの外賑やか。人もどんどん増えて、最終的には100人を超えていたのではないでしょうか。日没後、辺りが暗くなってきて川の対岸の木々の間をあちらにポツリ、こちらにポツリとホタルの光が明滅すると、歓声が湧きます。ホタルの数も徐々に増え闇夜に目も慣れてくると、縄張り争いなのか、恋の駆け引きなのか、幽けき光が3つ4つと纏わりつきながらあちらこちらに現れては流れ、それが川面に映る姿もまた美しいものでした。
6月28日に都心の某所にホタルを鑑賞しに行ったのですが、若かりし頃に見た印象ほどは数が飛んでおらず、5月下旬から6月上旬が一番たくさん飛ぶというスタッフの話を聴きながら、「腐れたる草ホタルとなる」という暦通りなのだなと納得しました。そんなわけで、どれくらいホタルが飛ぶのか少々心配でもあったのですが、養沢は標高の違いからか平地とは時期がずれていて、たくさんのゲンジホタルが舞い飛ぶ幻想的な景色を楽しむことができました。また、この日は蒸し暑く、川沿いは風もなかったのでホタル鑑賞にはうってつけでした。一時間ほどホタルを楽しんでから、十里木のバス停まで都道を戻り、20:50発のバスで武蔵五日市駅まで帰りました。十里木からはバスも一時間に2本ほど、21:47まで走っていますから、公共交通機関派も安心です。
この日はとにかく暑かった。歩き出しの気温33.4度で山道を登ろうというのですから、帽子などを被り、水分や塩分の補給に留意すべきでしょう。
フォトギャラリー:39枚
武蔵五日市駅に降り立ったのは、12時過ぎ。気温33.4度!
柳家さんのお蕎麦でまず腹ごしらえ。歩き出しは午後1時!炎天下に非常識な遅い歩きだし。これには訳があるんです。
赤いシャッポに白いひげをたくわえたおじいさん?の標柱が道案内してくれます
道中もあじさいでいっぱいだけど、流石に炎天に灼かれて花もぐったり
五日市憲法にも関わり自由民権運動のリーダーでもあった深沢家の屋敷跡。歴史は全くの素人だけど、幕末に豪農で腕に覚えがある人が新撰組に、そうでなかった人は維新後自由民権運動に関わったのではないか。武士ではなかった豪農たちの勃興と自己表現として理解できる気がした。それにしてもこの狭隘な山地にそれだけのエネルギーが満ちていたことに驚く。
五日市憲法草案が発見された土蔵
道を少し戻って「深沢小さな美術館へ」
庭の池にチョウザメが泳いでいる!
おとぎ話にでも出てきそうな建物
沢沿いの日陰の紫陽花はまだみずみずしい
さらに道を少し戻って、今度は「千年契り杉」へ
ドクダミ
千年契りの杉。周囲を圧している
道に戻り、今度は「山抱きの大樫」へ。そのまま山をこえて「南沢あじさい山」に抜けられます。
大岩を抱え込むように生える「山抱きの大樫」
暑さのせいか、一月ぶりの山登りのためか、あえぎあえぎ山を越える。
あじさいを半世紀の長きに渡って植え続けてきた南沢さんのお宅。にこやかに挨拶してくださいました。
でもまさか7月前のタイミングで梅雨明けするとは・・・。アジサイも猛暑に参っているよう。
斜面いっぱいに咲くあじさい
あじさい山から星竹林道を経て「瀬音の湯」に向かいます
大した登りじゃあないはずなんだけど、大汗をかく。でも針葉樹の清々しい香気に救われる
一つくらいピークを踏んでおこうかという気になり、イナカブ岩まで
岩の上にはお地蔵さんと、寛政年間(18世紀末、松平定信の寛政の改革の時代)の銘が入った石仏の断片があった。
今回の山行で初めて展望が開けた気がする。生藤山方向
星竹林道を「瀬音の湯」へ。途中、大型の猛禽の姿を見かけた。
秋川にかかる落合橋
「瀬音の湯」で汗を流し、腹ごしらえしながら日没を待ちます。
秋川の支流、養沢川
都道檜原線から養沢川へ降りる階段
徳雲院の裏手に続く遊歩道でホタルが現れるのを待ちます。あたりはせせらぎの音、ヒグラシやカジカガエルの美しい声が響いています。
2018年6月28日に東京都文京区で撮影したゲンジボタル
※この山行中に撮影したものではありません