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20180915~917 北岳、間ノ岳登山

北岳、間ノ岳( 南アルプス)

パーティ: 1人 (まさゆき さん )

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行程・コース

天候

登山口へのアクセス

この登山記録の行程

【1日目】
広河原(11:05)・・・白根御池小屋(14:00)

【2日目】
白根御池小屋(06:30)・・・大樺沢二俣(06:55)[休憩 10分]・・・八本歯のコル(09:10)[休憩 5分]・・・北岳山荘(10:25)[休憩 150分]・・・中白峰(13:25)・・・間ノ岳(14:15)[休憩 5分]・・・中白峰・・・北岳山荘(15:30)

【3日目】
北岳山荘(06:15)・・・北岳(07:30)[休憩 5分]・・・北岳肩ノ小屋(08:00)[休憩 5分]・・・小太郎尾根分岐[休憩 5分]・・・白根御池小屋[休憩 5分]・・・広河原(11:30)

コース

総距離
約18.2km
累積標高差
上り約2,640m
下り約2,640m
コースタイム
標準15時間50
自己14時間
倍率0.88

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

待ちに待ったアルプスのデビュー戦。

にもかかわらず、天気予報では初日は雨であったが、初日のテント泊予定が中腹の白根御池小屋だったので、森に守られて暴風にはならないだろうと判断して決行することにした。
むしろ天候が悪ければ人気の北岳でも空いていて快適だろうという期待もあった。

【1日目】
計画では夜叉神峠駐車場に停めてバスに乗る予定だったが、手前の芦安駐車場で止められ、北岳に行くことを伝えるとそこに駐車するように指示を受ける。
普段混んでいるときはバス停から離れた第8駐車場とかまで埋まってしまうらしいが、今回はさすがに雨のおかげでバス停隣の第2駐車場に停めることができた。
しかし、そのような天候でもバスは満員とのことで、さすがは北岳ということはある。

芦安駐車場から1時間ほどバスに揺られて広河原に到着すると、センターも人が一杯で賑やかであった。
雨は本降りとなっていたが、ここまで来てしまったので気合を入れて出発する。

センターからつり橋を渡って、すぐに登山道に入る。
森の中では雨が幾分和らぎ、登山道も泥でぬかるんだりしておらず、割と歩きやすい。
南アルプスの樹林帯は原生林の雰囲気が楽しめると聞いていたが、確かにコケやシダが目立つ鬱蒼とした森で、雨で幻想さが増してファンタジーの森を歩いているかのような気分になる。
南アルプスは森林限界が高いというが、森の中の山行は雨をある程度防いでくれるので、天候が悪いうちに登り始めるのであれば、北や中央アルプスより南アルプスが適しているのではないかと感じた。

気温が涼しいためカッパを着て温度は丁度良かったが、テント泊の装備を背負っての登りはやはりきつい。
疲れを考えないよう無心で登っていくうちに、勾配がゆるやかな下り基調になる。
せっかく稼いだ高度が減るのは残念だが、白根御池小屋はもうすぐということであり、足早に山荘に向かう。

山荘に到着すると、たくさんの人が屋根のあるスペースにたむろしていた。
テント場もすでに結構埋まっており、雨だからスカスカだろうと高を括っていたがまったくそんなことはなかった。
受付を済ませ、昼食の牛丼を頂いてからテントを設営する。
雨と言っても小雨だったので、それほど苦労することなく設営完了。
テントの中に入るとようやく雨から解放され、しばらく仮眠したりiPadで動画をみたりしながらまったり過ごす。
明日は雨が上がるからじきにやむだろうと期待していたが、雨はなかなかやまない。
むしろだんだん雨脚が強くなってきたが、設営さえしてしまえばテントの中は快適で、雨風を凌げる有難さが身に染みた。

白根御池小屋は水が自由に使えるので、夕飯用に水を調達しにいったら、水場に「本場の南アルプスの天然水」と書かれていた。
南アルプスの天然水が蛇口からでてくるなんて、なんて素晴らしい環境だと思った。
この山荘はトイレが水洗で清潔感があり、中の山荘もピカピカであった。
山荘では珍しく女性の従業員がほとんどで、注意書きにイラストがあるなど、随所に女性的な気遣いを感じられた。
登山客への対応もとても丁寧であったので、ここなら泊まっても良さそうだと感じるところであった(持ち合わせがなかったので、いずれにしてもテントしか選択肢はなかったが)。

混雑して賑やかだったテン場も8時頃には皆寝静まる。
自分も慣れない雨の山行で疲れていたのか8時すぎには寝てしまった。

【2日目】
朝の5時頃に目が覚めると、雨は上がり、朝焼けの空が広がっていた。
これは期待通り晴れそうだ。

雨に濡れたテントを撤収して出発する。
今回の雨の山行で経験値は付いたのでよかったが、さすがに濡れたフライシートなどをしまうのは気持ちがよくない。
北岳山荘に付いたらすぐに乾かそう。

通常はそのまま草すべりを通って山頂に向かうのだろうが、今回は大樺沢二俣を通るルートにした。
八本場のコルを経験したかったが、テント泊装備を背負っての下りを避けるためだ。

沢沿いのルートに向かうため、山荘からさらに高度が下がる。
う~ん、そのまま草滑りを通った方が良かったかも…と思ったが仕方がない。
沢に出ると、そこから沢沿いのルートに入る。
一本隣の沢筋に入るのだが、そのルートへの道が若干わかりづらいので気を付けられたい。

沢筋の道を進んでいくと、川の音を聞きながらなので音は涼しげだが、ひたすら登りが続くので結構暑い。
しかし、森が開けているため、後ろを振り向くと鳳凰三山が目の前にそびえ、疲れを癒してくれる。

ひたすら登ること2時間ほどで沢筋から離れると、梯子が連続するエリアになる。
高度は稼げるが、梯子も連続すると結構疲れるものだ。
何個の梯子を登ったかわからなくなったころに森林限界を抜け、一気に眺望が広がる。
これまで見えていた北側だけでなく、南側も姿を現し、北岳山荘から間ノ岳までの山体を一望できる。
その山体の巨大さ、荘厳さは「これがアルプスに人が集まる理由か…」と心底納得させられる景色だった。
登山を始めたころは自分がアルプスに登るなんて思いもしなったが、今年挑戦して本当に良かったと思った。

そこからコルを登っていく。
見たこともない高さの梯子が出てきたりするが、梯子はしっかり作られており、気を付ければ特に問題はない。
しばらく登って振り返ると、コルに隠れていた富士山が姿を現す。
雲海の中に浮かぶ富士山は麓から見る姿とはまた違って素晴らしい。

コルを終えると、山頂と山荘への分岐点に出る。
山頂は雲がかかっていたので、あえて寄り道する必要はないと判断して山荘に向かう。
この判断が結果として裏目に出てしまうのだが、山の天気は読めないので仕方がない。

稜線を気持ちよく縦走し、北岳山荘に到着。
受付をすませ、テントを設営する。
昨日と打って変わって晴れ間が広がり、濡れたテントも設営するとすぐに乾いてくれた。

設営後、カレーライスを山荘で食べたが、腹が減ったときのカレーは格別だ。
窓からは富士山を中央に雲海が広がった光景が見え、山荘に泊まっても素晴らしい景色がみれるようだ。

昼食後、北岳山頂と間ノ岳方向の両方とも雲がかかっていたので、1時間ほど休憩して様子を見る。
結局雲が取れそうになかったので、間ノ岳に向かうことにした。
進み始めるとガスがどんどん濃くなり、風も強くなってきた。
これまでガスった岩稜の中を歩くことはなかったので、これはこれでアルプスを縦走している感がある。
道の下は切り立っていて緊張はしたが、足場はしっかりしていたのでそれほど怖い思いをすることなく進んでいく。
テントはデポして往復3時間程度なら大したことないかなと思っていたが、結構アップダウンがあり、いよいよ山頂か!と思ったら、ただの小ピークというフェイントに何度も騙された。
ピークごとに一喜一憂しつつ、ようやく山頂に到着。
相変わらず何も見えなかったが、山頂はそれなりにスペースがあり、何グループかが昼食をとって休んでいた。
ガスっていなければ良い景色をながめつつのんびりできただろう…

自分は見るべきものもないので、すぐに引き返した。
同じ道を引き返し、北岳山荘近くに戻ると、この辺りもガスってしまっていた。
早めに到着しておいてよかった。

山荘の直前で人だかりができていたので近づいてみると、雷鳥の群れがちょうど通りがかっていたようで、皆写真を一心にとっている。
間ノ岳は残念だったが、雷鳥を見ることができたので結果オーライだったのかもしれない。

テントに戻ってからはごろごろして過ごし、夕飯を食べて9時頃就寝。
疲れているはずなのに、初めての体験ばかりで神経が高ぶっているのか昨日より寝付けなかった。

夜中トイレで目が覚めてテントから出ると、雲が途切れて空が見えてきた。
そこには満天の星空が広がっていた。
目が慣れてくると天の川もはっきりと見えてきた。
風は強く麓の真冬並みの寒さだったが、寒さを忘れて見入ってしまうほど、素晴らしい星空であった。
これで帰りに滑落してももう思い残すことはないというぐらい感動する光景であった。

しばらく見ていたが、また雲が出てしまったので、シュラフに戻って幸せの気分の中、眠りについた。

【3日目】
翌日周りの片付けの音で目が覚めると、周りは真っ白だった。
今日もどうやら山頂はダメそうだ。

山荘でお弁当をもらってきて朝食を食べる。
初めて山荘のお弁当を頼んでみたのだが、色々な種類の魚や肉のおかずが入っており、想像以上に美味しかった。
山の中でフリーズドライ以外の食事が食べられることを考えると、千円という代金も安いぐらいに感じた。

朝食後テントを片して、いざ山頂に出発。
風は昨日の間ノ岳よりさらに強くなり、テント装備を背負っていると風にときたま煽られる。
これは昨日登っておいた方が正解だったと思ったが、登れないことはないので決行することにする。

カッパを着て、防水の手袋を付けたが、それでも末端は寒く、使わないと思っていたネックウォーマーも装着することになった。
9月のアルプスは、麓の真冬用の手袋で丁度よいぐらいのときもあるのだと勉強になった。
昨日はTシャツ一枚で良かったのに、森林限界より上の環境は本当に過酷である。

歩くのは大変であったが、アルプスの山に挑んでいる感を楽しみつつ頂上へ向かう。
緩やかな傾斜になった途端、それまでの強風がふと収まる。
足を進めると人が集まっていて山頂に到着したことがわかる。
当然ここもガスっていたので、この感動は帰りのバスで味わうことにして、記念撮影をしてすぐに降りることにした。

反対側は肩ノ小屋に続いており、山頂を目指す登山客がひっきりなしに登ってくる。
こちら側も変わらず、ガスと強風が続く。

恐らく下の方までくれば天候も穏やかになるだろうと、肩ノ小屋もトイレをすませてすぐに下山する。
もうすぐ小太郎尾根分岐に着くというところで、タイミングよく雲が少し切れて、稜線やその向こうの甲府市が顔を覗かせてくれた。
ほんのちょっとであったが、お天道様から今日の御褒美をもらうことができた。

小太郎尾根分岐を過ぎると久しぶりに樹林帯に入る。
風は穏やかになり、カッパを着ていると暑いぐらいになったので、皆この辺りで防寒着を脱いでいた。
草すべりに入ると標識に「滑落注意」と書いてあった通り、傾斜が結構あるにも関わらず浮石が多く、かなり歩きづらい。
一回集中力が切れた際に、うっかり足を滑らせてひじの辺りをすりむいてしまった。
三連休の帰りは渋滞するのでなるべく早く降りたいという状況ではあったが、焦らずしっかり休みを取りながら降りるべきであった。

白根御池小屋に到着し、行きの道に再び戻る。
登りの時はあまり感じなかったが、下りでは結構傾斜を感じる。
延々と続く下りに足はかなりきつかったが、原生林を思わせる森の雰囲気が大変よく、気持ちよく降りていけた。
とはいえ、さすがに5時間以上の山行は今の自分にはかなりハードで、広河原の橋が見えたときは達成感も相まって本当に嬉しかった。

センターに着くと、まだ下山客は少なく、丁度乗り合いタクシーに滑り込めてすぐに帰ることができた。
芦安駐車場に到着すると、晴れのためか駐車場は満杯であった。
雨の中で出発するのは色々と面倒くさいが、晴れて駐車場の争奪戦に巻き込まれるよりはよいのかもしれないと思った。

【まとめ】
北岳、間ノ岳とも山頂がガスっていたのは残念だったが、2日目は素晴らしい景色や星空が見れたし、雷鳥にも出会えた。
最初から完璧だと今後のアルプスの楽しみがなくなってしまうので、今回はこれで良かったと思う。
北岳は比較的道は安全で、見るべきものがたくさんあるなど、人気が出るのも非常に納得できるものであった。
その分天候が良すぎると混んで大変なので、初日だけが雨なら北岳に登ってみるのも検討してみてはどうだろうか。

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