行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
その他: 池田町田代から岐阜県の揖斐川町方面に走る林道冠山線を福井県と岐阜県の県境に向けてひた走る。県境の冠峠が目的地。車は10台程度駐車可能。トイレはなし。眺望が良いため観光客も訪れる。
この登山記録の行程
冠峠駐車場(10:29)・・・桧尾峠(10:55)・・・白倉岳(11:39)・・・金草岳(11:51)・・・白倉岳・・・桧尾峠・・・冠峠駐車場(13:21)・・・最初のピーク(13:40)・・・冠山(14:20・休憩)・・・冠峠駐車場(15:19)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
今日こそはロングを歩こうと早めに寝たつもりだったのに、またもや二度寝をしてしまった。思った以上に仕事の疲れがたまっているようだ。昇りきった太陽を眺めつつ、仕方ないので昨日に続き予定を変更。とある計画の準備として兼ねてから金草岳の下見をしよと思っていたので、よい機会と車を池田町に向けて走らせる。
観光スポットのかずら橋を過ぎて、これでもかと道は続き深い山間に入っていく。
最初は走りやすかった道も、山に入るにつれ狭くなっていく。ひょっとしたら、もう冬季閉鎖期間ではと心配したが、どうやらギリギリ間に合ったようで、無事ゲードを通過。後で知ったが、次の週には閉鎖の予定だったらしい。岐阜の県境に向けて高度を上げていくと、路面にも積雪が見られるようになってきた。山頂手前で、スタックした車がチェーンを装着していた。車1台分の道幅なので、「慌てなくても良いですよ」と声をかけてゆっくり待つ。こちらは、冬に備えて既にタイヤ交換も終わっているので、その後も路面状況は悪化したが、難なく登っていくことができた。
県境の冠峠に到着。道の脇に駐車場(スペース)があった。観光客もいて、車は既にいっぱいだった。実は、冠山には登ったことがあるものの、この駐車場に来たのは初めてで、今までどこに登山口とルートがあるのかも知らなかった。よくインターネットにアップされている冠峠の大きな石碑を見て、これがそうか!と一人で感動。石碑の前に立つと、その横に石碑以上に尖った冠山が見える。皆がアップするだけあって最高のアングル(最近でいうインスタ映え?)。カッコよすぎ。こんなカッコいい山はそうそう無いだろう。見ているだけで登りたくなってくる。
今日の目的は金草岳。登山口は、冠山の登山口から道を挟んでちょうど反対側。うーむ。冠雪の冠山があまりにも素敵すぎて、心が揺らぐ。ぐらぐらと心が揺れる。悩んだときは、まずは初志貫徹。そして冠も目指す。これに限る。ただ、距離は知れているが、時間は既に10時半。時間的に少し厳しため、そこそこのスピードを維持して歩かないといけない。
準備を済ませて、金草岳の登山口に踏み込む。おっ、誰か歩いている人がいると踏み跡を見て嬉しくなったが、少し進んだところで足跡が消えていた。目の前を雪でしなった枝が塞いでいて先が見えない。「あれ?道が無い?」。道を誤ったかと一旦戻るが、やはり間違えてはいないようだった。雪の斜面を回り込み強引に進んでみると、なんとか少し先で登山道らしい道に合流した。ここから先は、あるのは動物の踏み跡だけ。深いところで10cmちょい。雪山と呼ぶにはまだ早いが、昨日の山といい、久しぶりの雪の感触に心が躍る。
軽くアップダウンを繰り返し真っ直ぐ進んでいくと左手前方に金草岳が見えてくる。桧尾峠。これからの行程がよく見渡せる。登山道は一旦下り、多分、雪がなければ笹の平原か、なだらかな道が左へとカーブして手前の白倉岳、そして金草岳へと延びていく。草原の平坦な道を進み、白倉岳へと取り付き登っていく。登りも笹原の中を延びる一本の道が美しい。白倉岳まで登り切ると再び軽いアップダウンを繰り返して金草岳へと向かう。
金草岳の山頂はわずかな平地があり、そこからは360度の素晴らしい眺望が楽しめる。福井と岐阜や滋賀との県境沿いの山々が広がっていて、山深い場所であることが分かる。冠山もよく見えるが、ここまでくると見下ろすアングルとなり他の山に溶け込んでしまうため、冠山に関しては登る途中が一番綺麗だったた。金草岳から先にも道は続いているが、そこそこの藪があって真夏等はきついに違いない。山頂から周囲の山をいろいろとチェックして、下見の目的を終えたので、早速戻ることにする。
実は、登山前にコンビニでお昼を買おうと思っていたのに、すっかり寄り忘れて今日はお昼ご飯なし。常に非常食は持ち歩いているので、最低限の行動には射しつかない。それに水は初雪を頬張ればどこでも調達ができる。
急いで駐車場まで戻り時計を確かめる。時間は13:21。冠山の山頂に指を当て目測をする。片道一時間。往復二時間なら暗くなる前に十分帰ってこれるだろう。冠山へは最初のピークさえ登ってしまえば、多少のアッダウンはあるものの比較的歩きやすいはずだ。
最初のピークに向かって登り始めた時、子供づれの方と出会う。「えっ、今からですか?」と聞かれた。まぁ、時間帯的にはそう思われても仕方ないか。
最初のピークにたどり着く。白い冠山が一段と近く大きく見えた。最初に「冠山へは登山経験があるが、登山口の場所も登山道も初めて」と書いたのは、実は唯一の登山経験が真冬だったため。深い雪に埋もれ、冬季閉鎖となる林道の手前で車を停め、里の近くの山から藪漕ぎで適当に尾根にとりつき、延々とこのピークまで歩いてきた。当然ながら踏み跡もなく全て一人ラッセル。しかも当時。ラッセルのトレーニングと、エスケープのない20km近い行程をツボ足だけで歩き通した。バカなほど元気だったと苦笑しつつ。でも、その時に見た、白銀の中の冠山はいまだ忘れがたく今も強く心に刻まれている。(ちなみに過去の記録は「https://www.yamakei-online.com/cl_record/my_detail.php?id=53535」)
その時の風景を今にかぶせつつ冠山に向けて歩き出す。当時は全てが雪の中だったので、見えるものが多少異なるが、苦労して歩いた分、山の起伏はしっかり記憶に残っている。そうそうこんな感じだった。そこの起伏でスタックしかけたなあとか、ここで時間が迫り登頂の是非を考えたなあ、、、とか。当時の苦しかったけど楽しかった記憶が甦る。
冠山のピークの下に到着。ここからは反り返った壁のように見える。以前は、向かって右手側から回り込むように登ったが、登山道は左側からアクセスするようだ。思った以上に急な登山道で、しかも雪解けの水で川のようになっている場所もあり、かなり慎重に気を使いながら登る必要があった。
その代り、登り切ると絶景が待っていた。だいぶ陽が落ちて、奥美濃の山々の影を海立たせている。つい先日登った蕎麦粒山も正面に見える。誰もいない冠山の山頂で、贅沢な時間を過ごす。ぼーっとこのまま夕日が沈むまで見ていたくなったが、今日はヘッドライトの装備を持ってきていないので、折り返すことにする。せめてコーヒーを持ってくれば良かったと激しく後悔した。
冠峠に到着。残っている車は自分の1台のみ。時計を見ると、15:19。目測通りの往復2時間。もう一ヶ月もしないうちに、再び深い雪の世界になるであろう冠山をもう一度、眺めて帰路につく。
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