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日本のメテオラ 表妙義を縦走

妙義山(天狗岳、相馬岳、東岳、中ノ岳)( 関東)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: カーナビに「道の駅みょうぎ」をセット。
※:とある方の記事に、登山には「道の駅みょうぎ」が便利と書かれていたのと、今回、夜に到着して暗いうちに出発したので気が付かなかったが、入り口に「登山の方は登山者用駐車場をご利用ください」との看板があった。登山者用駐車場は道の駅の近く。写真に看板のMAPを掲載するので参照ください。

この登山記録の行程

道の駅みょうぎ(05:22)・・・妙技神社(05:39)・・・大の字(06:06)・・辻(06:06)・・・奥の院(06:22)・・・見晴(06:39)・・・玉石(06:49)・・・背びれ岩(06:59)・・・大のぞき(07:05)・・・【白雲山】天狗岳(07:38)・・・相馬岳(07:59)・・・バラ尾根・・・堀切(08:52)・・・鷹戻し・・【金洞山】東岳・・・中ノ岳(10:10)・・・石門(10:38)・・・天狗の評定・大砲岩(11:05)・・・<中間道>・・・妙技神社(12:50)・・・道の駅みょうぎ(13:10)

コース

総距離
約10.4km
累積標高差
上り約2,023m
下り約2,023m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

もともと「三大○○」という言葉に弱く、滝や奇岩があるといてもたってもいられなくなる。その筆頭、日本三奇景と言われる妙義山には、つねづね高速からその荒々しい山容を見る度、是非登ってみたいと思っていた。
平成から令和への年号の切り替わり。記念すべき令和元年最初の登山はとっおきの山を選びたいということで、満をじして妙義山に登ることにした。
コンビニで食事を済ませ、夜のうちに「道の駅みょうぎ」へ到着。トイレを済ませて車の中で仮眠をとる。数日前の新穂高バスターミナルでの野宿に比べたら、寒くて眠れないということはなかったが、代わりにいわゆる「峠族」と呼ばれるやんちゃな車がひっきりなしにやってきては爆音をばらまくので、結局、睡眠も浅いまま早朝を迎えた。
4時半に起床。顔を洗い服と装備を整えて5時半前に出発。日の出にはまだ早いが既に空は明るくなり始めていた。
妙義神社の参道を登っていく。かなり立派な参道でそれだけで由緒正しい神社であることがわかる。参道の上には大きな門が設置されており、門の両脇から風神と雷神が見下ろしていた。薄暗やみのせいか、像とは思えないリアル感で鋭く睨みつけてくる。思わずビビッてしまいそうだ。門を抜けると今度は長い石畳の階段が延びている。その階段の先に妙義神社がある。
登山道は、妙義神社から2つのルートが分岐している。神社に向かって右側からは表妙義の稜線を縦走する登山ルートが始まる。鎖場の連続で、一定以上のスキルと体力が必要とされている上級者コース(表妙義縦走コース)だ。一方、神社の左側からは中間道と呼ばれる一般車向け登山道が始まる。今回は、上級者コースで妙義山の峰々を縦走したのち、中間道で戻ってくる。コース的にはちょうど妙義神社を起点に周遊するかたちとなる。
上級者コースを登っていく。始まりは薄暗い森の中を歩く感じ。歩いているうちに陽が登って来たのか、樹々の間から見える空が明るくなってきていた。
登り始めてすぐに最初の鎖場が現れる。記念に写真を撮るが、ここはまだ序の口。以降、もっとスリル感溢れる鎖場がごまんと出現する。アスレチック大好きとしてはワクワク感が止まらない。
大きな岩をよじ登ると、一気に視界が開けた。岩の上には「大」の文字を形どった大きな看板が設置されていた。説明不要だが、最初のポイント「大の字」へ到着。看板は切り立った断崖絶壁の上に設置されているので、落ちないように近づいてみる。大の字の向こうに、朝を迎える街並みが広がっていた。
大の字を過ぎると鎖場の難易度が一つ上がる。長い垂直登りが増え、気合を入れないと危ない。と言いつつ、これが楽しくて仕方がない。
次のポイント「見晴」へ到着。周囲が360度見渡せて壮観だ。ノコギリノ歯のように延びていく峰々を見て、いよいよ本格的な冒険の始まりを感じる。
それを実感するように、「ビビリ岩」や「背びれ岩」とワクワクする難所が続く。特に背びれ岩のようなナイフリッジは大好物。トントントンと軽快に一気に登っていく。景色の良いところで腰を掛け、朝食を兼ねて行動食を口にする。
少し進むと「大のぞき」。
ここも絶景ポイントと岩の上に立ち上がり、股の間から覗いてみる。頭を上げて、よくよく看板を見て「大のぞき」と知る。どこをどう読んだかすっかり「大股のぞき」と勘違いしていた。無意味な股覗きだったが、スリルが味わえたので良しとする。笑。
大のぞきから、タルワキ沢のコルへといったん大きく降り、そして妙義山の最高峰相馬岳(標高1,104m)を目指す。登山道の脇には淡いピンク色をしたミツバツツジがあちこちに咲いていた。コルからの折り返し、グッと登って相馬岳へ到着。最高峰と言う割には小さい看板が一つ設置されているだけだった。もう少し派手な演出と言うか記念碑なんかあってもいいのにと思う。
最高峰は踏んだが、しかし、妙義山の真骨頂、本当に危険なところは相馬岳を過ぎた堀切(ホッキリ)以降に始まる。「注意!この先、滑落等の事故が多くあり危険ですので、技術・体力に自信のない方は引き返してください」の看板が至る所にある。まるで、「本当に大丈夫?ほんと??引き返すなら今だよ!」と語っているよう。しかし、難易度が上がると聞けば聞く程、ニヤリとなる。念願の妙義山、楽しみに来たからにはそんな簡単に終わってもらっては困る。
看板の通り、堀切から一番の難所とされる鷹戻しにかけてこれまで以上に長い垂直の階段や鎖場が連続で出現する。特に鎖場は完全に垂直な壁で、下が見えないくらい長いものが何本もあり、体力と技術が必須というのがうなずける。短いものであれば腕力勝負で降りることもできるが、この規模となると力業だけでは疲労して滑落する危険性がある。きちんと懸垂下降等の経験を積んだ上でのTRYが望ましい。
途中で大学生と思われる登山者二人に出会った。ヘルメット等の装備はしているものの、「長い鎖場で足がプルプルしている」とか、なんとなく心もとない事を言っている。「山岳部ですか?」と声を掛けたら即時に「ワンゲルです!」とのこと。そういえば、似て非なるものでお互いこだわりとプライドがあると知り合いが言っていたっけ。ゆっくりでいいから着実にご安全に!!と分かれる。
最大難所の鷹戻しの中でも一番とされる「鷹戻しの頭」を攻略。確かにここはこれまで以上に慎重に登る必要がある。垂直の鎖を登りながら高度を上げていく。高所恐怖症の人には、技術以前に絶対無理だろうなぁと一人の超ビビリの知人の顔が思い浮かんでおかしくなった。つくづく、自分は「煙とかんとか」の部類で良かったと思う。笑。
鷹戻しの頭からは、鶏のとさかのような形をした金鶏山が綺麗に見えた。
鷹戻しの頭からの降りもかなりの鎖場。一歩間違えれば即死に至るので、浮かれすぎないよう慎重に降る。
妙義山だけでも映画に出てきそうな特徴的な形をしているが、眼下にも不思議な形をした岩が並んでいるのが見えた。何本もの岩の柱が地面から生えている感じ。昔歩いたギリシャのメテオラを思い出す。日本にもこんな場所があったかと驚きだ。その奇岩群の中には「大砲岩」や「天狗の評定」の名所があり、この後に立ち寄ることになる。
上級者ルートの表妙義縦走コースの終盤エリア、東岳から中ノ岳へと進む。
中ノ岳の山頂にあった白い祠にご挨拶し、中ノ岳を降ったところから上級者コースにお別れをして石門広場へと降りていく。
石門広場へ到着。先ほど上から見た奇岩群が点在している。まず最初に大きな岩で出来たアーチが目に飛び込んできた。石門。郷土愛から紹介させてもらえば、五木ひろしの詩にもなっている福井県越前海岸の呼鳥門(こちょうもん)の方が規模は大きいが、こちらの石門もなかなかどうして絵になる精悍な形をしている。
石門をくぐって少し進むと天狗の評定や大砲岩と言った奇岩が出現する。絶妙のバランスで岩が組み上がっていて、鎖を伝って直接奇岩の上に登ることが出来る。上級者コースの鎖場を経験すると子供の遊び場のようだが、奇岩の上でギリギリに立つと結構なスリルがあってここはお勧めのポイントだ。
奇岩群を十分堪能し、中間道で妙義神社を目指す。中間道は上級者コースとは打って変わって、新緑の森の中を抜けていくコース。新緑が目に優しくこれはこれで歩いていて楽しい。
妙義山、あまりにも楽しすぎてガシガシと歩きに集中してきたが、気が付けば程よい時間。お腹が空いてきたので、見晴台の一つで昼食とする。ザックから食料とガス缶(OD缶)を取り出して準備を始めるが、「あれ?」とふと肝心のストーブが入っていないことに気づく。そう言えば、先日のテント泊で使ってからメンテナンスをしてから片付けようと机に置きっぱなしだったのを思い出す。何たる失態!。空腹感MAXだっただけに素人のようなミスに自分に腹が立つい。仕方がないので行動食だけ口にして、こうなると一刻も早く戻って道の駅で何か食べた方が良いかと、急ぎ足で妙義神社へと戻ることにする。
登山を振り返って。基地以上の実にアグレッシブで変化に飛んだ妙義山。楽しすぎて一瞬のようだったが、次はぜひ仲間を連れて、裏妙義も加えて縦走したいものだ。
令和最初の登山、これにてミッションクリアー。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 三大ハンター・・・奇岩ハンター、急登ハンター、巨木ハンター。

  • あと、滝と洞窟も。^_^
    妙義にもみんなで集まりたいですねー。

  • 妙義山のあの山容、見るだけでも憧れだったのに登りましたか。関東の山登り放題で羨ましいです。

  • いや、ここからでもだいぶ遠いですが、昨年、登ろうと企画していたのに怪我で登れなかったので、やっとリベンジ出来ました。いつでもいて下さい。ここを拠点に遠征しましょう。^_^

登った山

妙義山

妙義山

1,104m

よく似たコース

妙義山 群馬県

奇岩、怪石が林立する日本三奇勝 表妙義中間道 日帰り

最適日数
日帰り
コースタイプ
周回
歩行時間
5時間5分
難易度
★★
コース定数
22
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