行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
その他
その他:
登山口までバイク
この登山記録の行程
塩水橋(9:06)・・・(12:24)新大日(12:32)・・・(13:05)塔ノ岳(13:15)・・・(14:17)丹沢山(14:31)・・・(16:48)塩水橋
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
丹沢ラウンドと名付けたこのコースにはブナ(橅)やカエデ(楓)の新緑の原生林や、きれいに手入れされた杉の美林があり、そして丹沢主稜線に出ると、そこは、まだ桜の花の咲く世界。空は青く、遠く伊豆の海や富士山がおぼろに霞む。春の陽気と相俟って、爽やかな春の一日を満喫する旅となった。
丹沢には字の如く、沢山の沢がある。そしてその沢の数だけ、尾根がある。ピークや稜線から、ほぼ単調に裾野に下る山なりの部位を尾根と呼び、ピークとピークを結ぶそれを稜線と呼ぶならば、丹沢にはまた、入り組んだ沢山の稜線がある。これらの尾根や稜線は登山道で結ばれ、多彩なルートを作る。
丹沢ラウンドと名付けた今回の旅は、天王寺尾根の登り口を右に見て、左の吊橋の本谷橋を渡る。長い長尾尾根を緩やかに登り、新大日に出る。ここから塔ノ岳まで、ヤビツ峠からの稜線(表尾根と呼ばれる)を歩く。左手に相模湾、箱根の山を眺めながら歩く。塔ノ岳に登ると正面に富士山がいるはずだが、一瞬、間をおいての確認となる。霞んで見にくい上に、探す輪郭が予想より大きいのである。塔ノ岳からは、明るい笹原の丹沢主稜線を北上して、丹沢主峰、丹沢山に至る。丹沢山系の最高峰ではないが、東から見る丹沢山は、その中心に位置し、鷹揚なる山容は、丹沢主峰の名を冠するに足る風格を備えている。そして丹沢山から急勾配の天王寺尾根を登り口の林道におりて一巡する。中津川源流部の一つである本谷川の分水界をトレースしたことになる。
今回はシロヤシオ(白八汐)にはまだ早いが、沢山の花に会えた。沢筋にはヒメウツギ(姫空木)が純白の花をつけ、杉林にはランヨウアオイ(乱葉葵)がハート形の葉っぱの陰に巾着型の花を咲かせている。木の影が濃い所には、葉緑素を持たず、光合成の不要な寄生植物であるヤマウツボ(山靫)も発見した。樹林帯の縁の光が差し込むところにはアセビ(馬酔木)が群落をなし、花も満開で、トンネルを成している。
このコースは塩水橋から本谷橋までの林道のアプローチを除くと、長尾尾根と天王寺尾根の樹林帯が全体の7割を占める。斑模様の木陰は半日陰をなし、時の移ろいとともに、日溜まりが移動していく。そして新大日から丹沢山までの丹沢主稜線では、桜の背景に、おぼろな伊豆の海や富士を左手に見ながら、柔らかな春の日差しを一杯に浴びる。そんな尾根と稜線を歩く、快適なコースで、春を満喫した。
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